SAPIX入室テストの傾向と対策!入室テスト前にやっておくといいこと

入室テストの勉強をする小学生

中学受験塾のサピックスは、超難関校の合格実績で、数ある塾の中でも名実ともにトップクラスです。

塾についていくだけでも大変という噂も耳にする親御さんも多いのではないでしょうか。そう聞くと、「入室テストも大変!?難しい!?」と思われるかもしれません。

実は、そんなことはありません。

サピックスの入室テストは、学校の勉強にしっかりとついていけており、ポイントを押さえれば、合格できます。

「塾についていくのが大変」という噂も正しくはありません。家でやるべきことをやっていれば、ちゃんと塾についていけますし、難関中学への合格切符も手に入れられます。

とはいえ、これから入室テストを受けるお子さんをお持ちの親御さんが不安を抱えるお気持ちもよくわかります。

ここでは、サピックスに子ども二人を通塾させている経験から、サピックスの入室テストの傾向と対策をご紹介していきます。

サピックスの入室テストはいつ受けるのがいい?

まず、サピックス入室テストの概要です。

  • 入室テスト金額:¥3,300 
  • テスト教科:1~3年生は算数と国語のみ、5年生以上は算、国、理、社の4教科

入室テストは6年生でも受けられますが、学年が高くなるにつれ、入室テストの難易度も上がると考えましょう。

特に6年生の入室テストを受けるのは、新規ではなく「転塾」のお子さんが多いです。

つまり、日能研や四谷大塚、早稲田アカデミーなど、中学受験塾から移って来るお子さんです。新規で6年生から塾に入るには、かなりの実力がないと厳しいです。

では、何年生から入室テストを受けさせるのが良いのでしょうか?

それはずばり。新4年生の入室テストがオススメです。

6年生からの入室テストは転塾向けとご紹介しましたが、5年生からの入室も、学習量についていくには人並み以上のやる気が必要です。

それは、中学受験の勉強では5年生から学習量が劇的に増えるからです。

そのため、4年生のうちから「勉強すること」に慣れておけるように、4年生から塾に入るのが良いと言われています。

新4年生の入室テストは、3年生の11月頃から、何度かに分けて実施されます。

入室テストは何度でもチャレンジできますから、新4年生からお子さんを塾に通わせたい場合は、3年生11月の最初の入室テストから申し込んでおきましょう。

塾で勉強する子供

新4年生のサピックス入室テスト<国語の対策>

サピックス入室テストでは、難しい問題は出ません。

そのため、背伸びをして5年生や6年生の内容を学習しておく必要はありません。あくまでも、学校で習った内容に従って、応用問題が解ける力が問われます。

新4年生の入室テストの教科は国語と算数の2科目です。

まず、国語のテストは40分。問題は、以下のような構成になっています。

  • 漢字の読み書き
  • 言葉の意味を問う問題
  • 長文読解

年が変わっても大きく変わることはないと予想されます。

では、ひとつひとつ、サピックスの採点基準や狙いを含めて、対策をご紹介していきましょう。

漢字の読み書き

3年生11月までに習った漢字が出題されます。

サピックスの漢字テストでは、「とめ・はね・はらい」をしっかり書かないと、容赦なく×とされてしまいます。

これは、漢字の判定が厳しい中学校があるため、中学受験を見据えて「最も厳しい」基準で採点しているためです。

日頃から漢字の「とめ・はね・はらい」を、誰が見てもわかるように書くくせをつけておきましょう。

言葉の意味を問う問題

こちらも3年生までに習う内容しか出題されません。

「そわそわ」などのオノマトペの意味を問う問題が出題されました。

語彙力は、中学受験本番でも重要です。

日頃から、少しでも意味がわからない言葉を見つけたら、その場でクリアにしておくようにしましょう。

長文読解

長文読解では、たいてい小説が出題されています。ポイントは、文字数の多さです。

学校の国語の問題と比べて格段に長いです。40文字×40行で4~5ページ程度、出題されます。

ある程度の速読ができないと、長文を読むだけでテスト時間が終わってしまいます。

もちろん新4年生向けの問題ですので、題材は難しくありません。

出題傾向も一般の長文読解と同じです。問われることは、主に下記の3点です。

  • 小説の中でどこかが空欄になっていて、空欄に入る単語を問われる問題
  • 言葉を抜き出す問題
  • 登場人物の心情や台詞に対して「理由」を問う問題

読書に慣れていないお子さんが意外にできないのが、「舞台設定」や「時系列」、「登場人物は誰か」を読むことです。しかし、ある程度は仕方ありません。

何しろ学校では、教科書に書かれている内容を先生が解説してからテストを実施しますので、小学校3年生の子供からしたら、「初めて読む文章」を解くことに慣れていなくて当然なんです。

そのため、舞台設定を理解するのに時間がかかりがちです。

そのための対策として、読書を毎日続けさせるか、1冊でも、入室テスト前に国語の長文読解の問題集を解いておくことをオススメします。

そのとき、親御さんも同じ問題を解いてみて、「どういうお話だった?」「この時、この人がこう思ったのはどうしてだと思う?」「この物語で何が変わったのかな」と問いかけてみるのも良いでしょう。

そして、「抜き出し問題」のルールがわかっていないお子さんもまだまだいます。

「抜き出し問題」とは、いわゆる、「本文中から7文字ちょうどで抜き出して答えましょう」などのように、本文中から該当の箇所を探して、一字一句違わず書く問題です。

大人からしたら「よく見る問題」ですが、お子さんが学校のテストや授業で経験していない場合もあります。

入室テストの前に買う問題集には、こういった「抜き出し問題」がある問題集がおすすめです。

新4年生のサピックス入室テスト!<算数の対策>

算数は、以下のような構成になっています。

  • 計算問題
  • 文章から計算式を導き出し、解く問題
  • 行列やサイコロなどの応用問題

こちらも事前に出来る対策をお伝えしていきます。

計算問題

計算問題には、足し算、引き算、掛け算、割り算、リットル、時間、距離の計算などが出題されます。

ここは確実に点数が取れるようにしておきましょう。

計算間違いをせずにしっかり解けることが重要です。

しかし、ケアレスミスをゼロにするには、練習量が大切になります。

お子さんには、普段から計算に慣れるよう、演習をさせておくと良いでしょう。

文章から計算式を導き出し、解く問題

だいたいのお子さんが読むだけで式が書けるような問題から、少し頭をひねらないと式が出て来ない、思考力を問われる問題も出ます。

ポイントとなるのは、長めの文章問題でも正確に内容を理解できる読解力、それを式にできる整理力、さらに正解にたどりつける計算力があるか否かです。

文章題が苦手なお子さんには、文章題用の問題集を1冊買っておいて、何度も何度も繰り返し解かせておくのが対策になります。

行列やサイコロなどの応用問題

「こんな問題今まで見たことない!」と大人でも思うような応用問題は、大問で2問ほど出題されることが多いです。

一番の対策は、「落ち着いて物事を考えられる度量を鍛えること」です。

どの問題も、焦らずじっくり考えれば、そこまで難しい問題ではありません。

しかし、複雑に見える問題に「何これ!?」とお子さんが焦ってしまうのが一番良くありません。

度量を鍛えるためには、いろんな問題に触れておくこと。これが一番でしょう。

サピックス入室テストの合格ラインは?

サピックスでは合格ラインを発表しておらず、また、回によって異なる可能性もありますが、筆者の子供が入室テストを受けた経験から推測した偏差値ですが、偏差値40以上くらいが合格ラインの目安と考えられます。

しかし、偏差値40なんて楽勝だ、なんて侮ってはいけません。

サピックスの入室テストを受けるお子さんたちは、学校の中では成績上位勢。

成績上位勢の中で偏差値40以上は、「普通に学校で勉強ができる子」でも落ちる可能性のあるラインだとお考えください。

とはいえ、今までご紹介してきたように、サピックスの入室テストで、受験する学年以上の問題が出ることはありません。

その学年まで習ってきた内容をしっかりと理解し、また、応用が利かせられる力を養っておくことが大切です。

サピックス入室テスト前に、やっておくと良い通信教育

サピックス入室を前提に、低学年では通信教育を利用するのもいいですね。

たとえば、Z会。Z会はほかの会社の通信教育と比べて難易度が高めで、「子ども自ら考える問題」が多く、国語や算数も問題文が長めで、理解力を高める訓練をしておくのにオススメです。

中学受験コースも受講できます。

また、サピックスが運営している通信教育であるピグマも、難易度はZ会通信教育と同程度で、大人でも頭をひねらなければならない問題が含まれています。

中学受験を突破する力を鍛えておくために、サピックス入室前の低学年時にピグマを選んでおくのもよいでしょう。

絶対にやってはならないのは、オークションやフリマサイトでサピックス入室テストの過去問やテキストを手に入れることです。

サピックスでは、すべての問題やテキストの「他社への譲渡、転売、貸与」を禁じているためです。

あくまでも学校の授業で習っている内容をいかにしっかりと理解するかが重要ですが、演習や応用に少し不安がある場合は、市販の問題集で補うようにしましょう。

算数ドリルの勉強をする子供

最後に

サピックス入室テストでは、その学年までに習った内容しか出ません。

しっかりと理解し、応用できる力を養っておくことが必要です。

合格ラインが設けられているので、誰でも余裕なわけではなく、学校で「できる」と言われているお子さんでも不合格になる可能性はあるとお考えください。

そのため、少しでも不安なようなら、演習が多くできる問題集や、応用問題があったり長文読解があったりする市販の問題集で、お子さんの力を補強しておきましょう。