小学生で塾に通う必要はあるのか、疑問に思う親御さんも多いと思います。
子どものうちはなるべく遊ばせてあげたいと考えるご家庭も多く、通塾させて良いのかどうか、判断が難しい場合もあるでしょう。
ただ、塾は学力アップをはじめ、多様な目的で活用できるので、無理のない範囲での通塾なら、何かとメリットはあります。
この記事では、小学生が通塾するのはどのようなケースなのか、どのタイミングで通塾を考えるのかそれぞれのポイントをご紹介していきます。
目次
小学生のうちから塾に通う必要はあるの?
中学生や高校生なら、受験に備えて塾に通うケースが多いでしょう。
一方、小学生は中学受験をしない子どもが多く、受験はそこまで身近な存在ではありません。
中学受験をする子どもならまだしも、受験をしない小学生が通塾する必要はあるのか、という疑問ももっともです。
特に小学生のうちは積極的に遊ばせることも大事ですので、「絶対に塾に行かせた方が良い」とは言えません。
ただ、中学受験をしない場合でも、勉強習慣の構築や学力アップなどを目的に、小学生のうちから通塾させるご家庭は多く見られます。
そのくらい塾は一般的な存在とも言え、様々な目的で活用することができます。
また、塾に通ったからといって遊べなくなるわけでもなく、遊ぶ時間もしっかり確保しつつ通塾することは十分可能です。
受験以外でも塾を活用することはできる
例えば、勉強をしない子どもに勉強する習慣をつけさせたい、今の学力をもう少しアップしたい、中学校の予習をしたい、といった形で、通塾の目的は多岐に渡ります。
特に勉強嫌いの子どもは、親としても何かと心配になるでしょう。
いくら言っても勉強してくれない場合、プロに頼むしかない、と考えることはごく自然です。
もちろん、子どもの意向を完全に無視して塾に通わせるのは好ましくありませんが、勉強嫌いを改善したい、まず勉強の習慣をつけさせたい、といった目的で通塾させるケースは多いです。
また、勉強好きの子どもは、受験をしない場合でも通塾を希望することがあります。
もっと勉強して学力を上げたいと考える意欲的な子どもは、受験するしないを問わず、塾への関心は高いでしょう。
そのほか、中学校の予習のため、中学校入学の少し前から通塾させるご家庭も見られます。
通塾をする目的を明確にしておきましょう
このように、小学生でも塾に通うメリットは多いのですが、やみくもに通塾すれば良いというわけではありません。
様々な活用方法があるからこそ、塾に通う目的は明確にする必要があります。
勉強習慣をつけさせたいのか、学力をアップしたいのか、予習をしたいのか、目的を明確にし、それに沿って塾を選択しなくてはなりません。
もちろん、これは中学受験をする場合も同様です。
全科目に渡って対策を進めたいのか、苦手分野の補強のみ行いたいのか、など、受験といっても通塾の目的は様々ですので、まずここを明確にしましょう。
それでは以下、パターン別に分け、通塾の意義やポイントなど、ご紹介していきます。
勉強しない子どもに勉強習慣をつけさせるために通塾をする場合
勉強というのは、基本的に習慣の積み重ねです。
そして勉強習慣は、「少し勉強をやってみようかな」という子ども自身の思いからスタートします。
周りが「勉強しろ」と言うだけで身につくものではなく、その点、非常に繊細な問題でもあります。
そこで、一度塾に通わせ、プロから勉強の面白さを教えてもらうという方法が考えられます。
個別指導塾の方が効果的?
子どもが勉強をしない理由は、それぞれの子どもによって異なります。
一概に一般化できる問題ではなく、子どもの状況、性格など、様々な要因が考えられます。
こうした子どもに寄り添い、対策を考え、勉強習慣をつけさせるのであれば、やはり個別指導塾が効果的です。
その子に合ったカリキュラムのもと、講師が一対一でいろいろ指導してくれるので、無理のない範囲で勉強をスタートできます。
勉強に追いつけなくなったら一度基本に戻る、など、その子の状況に沿って臨機応変に対応しやすいので、子どもの負担も軽くなるでしょう。
個別指導塾の注意点
個別で生徒にマッチした指導を行うのが個別指導塾のメリットですが、生徒に合わない講師が指導を続けてしまう場合もあります。
これは本来、塾側が担当を見直し、解決すべき問題ですが、残念ながら全ての塾が優れた指導体制を有するとは限りません。
そのため、親のほうも塾に丸投げはせず、子どもの状態は適宜チェックし、話を聞いてあげることが大切です。
どこか様子がおかしかったり、あまりに塾や講師への不満を言うようなら、一度塾側と相談し、担当を変えてもらう必要があります。
勉強習慣をつけさせるために塾に行ったのに、塾が嫌いになってさらに勉強も嫌いになるようでは、事態は悪化してしまいます。
子どもとはしっかりコミュニケーションを取り、本当に今の講師で良いのか、その塾のままで良いのかなど、その都度検討してみてください。
学力をアップしたい場合
通塾の目的で一番イメージしやすいのは、やはり学力アップでしょう。
最初から意欲的な子どもはもちろん、少し勉強に興味を持ち始めたくらいの子どもでも、「どうせならもっと勉強できるようになりたい」と考えるケースは多いです。
こうした子どもの意向も踏まえ、学力アップを目的に通塾させるご家庭は多く見られます。
また、子どもの成績が思うように伸びない場合、親としても心配事は尽きないかと思います。
その場合も、成績を伸ばすために一度塾に通わせ、しばらく様子を見る、といった活用もあるでしょう。
個別指導塾・集団塾それぞれに良さがある
意欲的な子どもの場合、個別指導塾も集団塾もそれぞれに高いメリットがあります。
一対一でマイペースに進めたい場合は個別指導塾を、集団の中で競争意識も持ちつつ勉強を進めたい場合は集団塾を、といった形で、子どもの性格も踏まえて選択しましょう。
ただし、親が子どもの成績を気にして通塾させる場合、子どもより親の意向が強く、子どもがそこまで意欲的でない場合もあります。
こうしたケースでは、個々の状況に沿って勉強を進める個別指導塾の方が良いでしょう。
先ほども触れましたが、まずは勉強習慣の構築が重要ですので、個別指導によって無理のない範囲で学習をスタートすることが好ましいです。
成績が伸びなかった場合
塾に通ったからといって、すぐに成績が上がるとは限りません。
残念ながら、そこまで成績が変わらない場合もあります。
その際に通塾を続けるのか、塾を辞めるのか、難しい選択を迫られることになります。
ただ、いずれの場合も、「成績はすぐに伸びるとは限らない」という点はぜひおさえておいてください。
ある程度長く続けることで基本が徐々にできあがり、成績も少しずつ伸びていく、といったケースは非常に多いです。
もちろん塾を続けるか辞めるかは、最終的には子どもやご家庭の意向によりますが、すぐに成績が上がらないからといってすぐに辞めるのは、やはりもったいないと言えます。
特に子どもが塾を好きになり、勉強の意欲も上がってきたのなら、たとえ成績がすぐに伸びなくても、もうしばらく続けて様子を見るなど、子どもの意向に沿って検討すべきでしょう。
中学校の予習をするために通塾をする場合
中学校に入学する前に、塾で予習を行うケースもあります。
中学校に入ると、小学校とは学習環境も内容も大きく変わります。
しっかり良いスタートを切るためにも、早めに中学の内容を予習し、あらゆる準備をしておくに越したことはありません。
ただ、中学校の予習は、各ご家庭だけではなかなか進まない場合もあります。
いきなり難しい内容を勉強させても、かえって子どもの意欲を削ぐことになりかねません。
そこで塾に通わせ、適切なカリキュラムのもと、予習を効率的に進めていくという方法があります。
また、こちらも個別指導塾・集団塾それぞれに良さがあるため、子どもの性格等を踏まえ、検討してみると良いでしょう。
中学受験後、そのまま予習に入る場合も
中学生以降も通える塾であれば、中学受験が終わってからも通塾を続け、そのまま予習に入るケースもあります。
もちろん、受験が終わったのだから塾を辞める、という選択肢もありますが、子どもがその塾に愛着を持っているようなら、そのまま続けて予習をさせるのも一つの方法です。
ただし、中学受験は子どもの負担も大きいため、受験後はまず休ませてあげてください。
受験が終わって即座に中学校の予習に入るのは、子どもにとって好ましいとは言えません。
受験が終わり、ひと段落したのち、中学校入学前に予習をある程度済ませておく、というイメージで通塾させると良いでしょう。
中学受験のために塾を活用する場合
中学受験をする子どもは、その多くが塾に通う形になるでしょう。
こちらはごく一般的なケースですが、だからといって「塾ならどこでもいい」とは言えません。
こちらも子どもの状況や性格等を踏まえ、事前にしっかり検討して通塾させることが大切です。
個別指導塾にするか集団塾にするか
受験は、良い意味で競争意識を持って勉強することも大切ですので、その場合は集団塾の方が何かとメリットがあります。
個別に進めるより、周りの生徒からある程度影響を受けた方が、モチベーションアップにもつながるでしょう。
あまりに他の生徒と張り合うのは良くないですが、適度なライバル意識は重要です。
ただし、これも子どもの性格によります。
競争意識や周りからの影響を好まない子どもも多く、その場合はマイペースに進められる個別指導塾の方にメリットがあります。
このように、中学受験の場合も個別指導塾と集団塾のいずれもメリット・良さがあるので、子どもの性格に沿って決めてみてください。
塾を掛け持ちするという方法も
特に中学受験においては、塾の掛け持ちも一つの方法です。
例えば、集団塾でついていけなくなった科目を個別指導塾で補強する、といった方法が考えられます。
全科目の対策を集団塾で行いつつ、苦手科目のみ個別指導塾も併用するなど、各状況に応じていろいろな活用方法があるでしょう。
ただし、塾の掛け持ちは子どもの負担もかなり増えるので、無理はさせないようにしてください。
掛け持ちの目的はしっかり明確にし、むやみに通塾を増やすことは避けましょう。
このように、中学受験のために通塾する場合も、その目的は多岐に渡ります。
常に目的は明確化し、子どもの負担をなるべく減らしつつ、通塾について検討することが大切です。
まとめ
今回は、小学生はどのような場合に通塾をするのか、その意義・ポイントなどをご紹介しました。
中学受験の場合、通塾はごく一般的なケースとなります。
一方、受験をしなくても、勉強習慣の構築や学力アップ、さらには中学校の予習など、いろいろな目的で塾を活用することが可能です。
ただ、通塾はあくまで子どもの意向に沿って行うべきであり、「絶対に塾に行かせなくてはならない」というわけではありません。
むやみに塾に通わせても効果は少なく、かえって子どもの勉強嫌いのきっかけになるおそれもあるのです。
こうした事態を防ぐため、塾に通う目的は何か、これを常に明確にし、塾に丸投げするようなことは避けてください。
特に小学生にとっては、しっかり遊ぶことも教育上大切なことです。
子どもの時間もきちんと確保しつつ、無理のない範囲で通塾を検討し、それぞれの目的を達成することがベストになります。
このような点を踏まえ、お子さんと目的意識を共有し、それぞれ検討してみてください。