子どもの成績を上げるために、塾を選び実際に通塾が始まると、親の役割は、通塾やお弁当の用意、学用品の用意などがあります。
もちろん費用の負担も出てきます。
安くない費用を負担して塾に通わせるわけですから、少しでも成績が上がるようにサポートをしたい気持ちもあると思います。
そこで、今回は現役塾講師の立場から、塾を有効活用するちょっとしたコツについてお伝えします。
1.塾講師とのコミュニケーションをとる
まず講師とのコミュニケーションをしっかりとることが重要です。
塾講師の側から見ると「塾でのことをしっかり把握している保護者」と「ほっといている保護者」がいるように見えます。
現実問題としては、「忙しくて手をかけられないから、お金を払って塾にお願いしているのだ」というのが本音かもしれませんが、「ほっといている保護者」は塾講師からすれば負担の少ない保護者になります。
もっと直接的な表現をすれば「手を抜いてもバレない」保護者なのです。
一方で「塾でのことをしっかり把握している保護者」もいます。
これは、送迎での立ち話や、電話での会話のなかでわかります。
子どものノートを見ていたり、塾の講師がいつ休んだかを知っていたり、お知らせ類をしっかりと把握していたりと、塾でのことが会話の中で出てくる保護者は、塾講師の側も気が抜けません。
子ども相手と思って気をぬいていると保護者に全て伝わっているわけですから。
ですから、お子様の担当講師とのコミュニケーションをしっかりとっていれば、それだけで担当講師は他の子よりしっかり見てくれるようになります。
2.塾の保護者面談は、両親そろって
「意識が高い・意識が低い」と言う言葉があります。
塾ではこの言葉をご家庭の教育熱心さとして使うことがあります。
前にも書いたように、塾でのことをしっかりと把握しているご家庭は「意識が高い」と言うことができるでしょう。
しかし、忙しくてそこまで労力がとれない場合はどのようにしたらいいでしょうか。
実は保護者面談に夫婦で行くといいのです。
塾では保護者面談が一年間に数回あります。
大抵はお母様がお一人でいらっしゃることが多いですが、そこにご夫婦でいらっしゃる場合、塾講師としても緊張します。
夫婦でいらっしゃると言うことは「お父様も教育の意識が高い」「塾のことを家庭の重要事項として扱っている」と言うことです。
このようなご家庭は、塾側としても「意識が高い」ご家庭として、しっかり対応しなければならないと考えているものです。
3.疑問に思ったことは、すぐに相談する
塾とのやり取りの中で疑問に思ったことはすぐに相談された方がよいでしょう。
というのも子どもの教育のことで「塾の先生の言っていること」と「親がいっていること」がずれるのは、あまりいいことではありません。
せっかく子どものためを思って言葉をかけているのに、塾とご家庭の方針がずれてしまうと、そのメッセージが逆効果になることもあります。
宿題をご家庭で見ているときに、子どもから「塾の先生がこうやりなさいって言った」と言われることがあると思います。
このときに、内容が納得できれば何も問題はないのですが、疑問に思ったときに「塾ではそういうかもしれないが、私はこう思う」とはやらないほうがいいでしょう。
もし疑問に思うのであれば、塾に電話をして「子どもがこう言っているのですが・・・」と話してみてください。
子どもが誤解して理解している場合もありますし、塾側がご家庭の方針に合わせてくれる場合もあります。
ノートのとり方や実際の問題の解き方まで、少しでも気になったらぜひ相談してみてください。
塾側の本音を言えば、ご家庭が独自の方針で動くことの方が困ったことですから。
また、口うるさい親と思われないかと心配するかも知れませんが、逆に言えば「口うるさい親」と思われた方が、子どもをしっかり見てくれるということでもあります。
4.質問には親が電話をして行かせる
勉強について「わからないことは先生に聞きなさい」と誰もが言います。
実際には、わからないことを先生に自分から聞ける生徒は、10人に1人もいないのが現実です。
自分の子どもがシャイで先生に自分から話かけられないのであれば、いくら子どもに「質問してきなさい」と言ってもほとんど効果はないでしょう。
こういうときは、親の方から「○時に質問にいかせますので、よろしくお願いします」と電話をしてしまった方がいいでしょう。
塾にはたくさんの生徒がいますから、質問対応は積極的で元気のあるお子様の方が優先されてしまいます。
おとなしいお子さんは、他の子が元気に「先生!質問があるんだけど!」と話しかけているのを聞いて、「また今度にしよう」と引いてしまいます。
せっかく安くない月謝を払っているのですから、「無料オプション」ともいえる質問対応を活用しない手はありません。
子どもの質問対応は、月謝に含まれる無料オプションだと思って、遠慮なく電話で依頼してみてください。
まとめ
お子様の成績を上げて志望校に合格させたいというのは、塾に入れた親の共通の願いです。
しかし、塾側の対応は、実際にはお子様の性格やご家庭とのコミュニケーションで少なくない濃淡ができてしまいます。
せっかく塾にいれたのですから、濃い対応をしてもらいたいものです。
そのためには、今回書いたようなちょっとしたコツがありますので、ぜひ活用してみてください。