中学受験塾に入るとき、塾によっては入塾テストが実施される場合があります。
この入塾テストですが、実際にどの程度の難易度なのか、テストに落ちてしまうことはあるのか、どの範囲を対策すれば良いのか、疑問点も多いでしょう。
この記事では、中学受験塾が実施する入塾テストについて、その内容や対策などをご紹介していきます。
目次
中学受験塾の入塾テストを受ける前に確認しておくべき5つのこと
1.塾によっては入塾テストが行われる
中学受験塾によっては、入塾テストが行われる場合があります。
例えば日能研、SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミーなど、入塾テストを実施する大手進学塾は多いです。
一方、個別指導塾などは基本的に入塾テストがなく、体験入学などを経て入塾する形になります。
中学受験に対応した塾だからといって、全ての塾で入塾テストが行われるわけではありません。
2.入塾テストに落ちてしまうことはある?
入塾テストは、その時点での子どもの学力を把握するために行われます。
入塾テストの結果によってクラス分けが実施されることも多く、高得点であればあるほど上位のクラス・コースに入ることができます。
一方、あまりに入塾テストの点数が低い場合、不合格になってしまうこともあります。
また、四谷大塚のように「入塾テストの合格は2人に1人」としている塾もあります。
入塾テストといっても各学習塾によって内容は異なりますので、難易度や範囲などは事前にしっかり確認しなくてはなりません。
3.入塾テストの難易度は?対策は必要になる?
入塾テストは、そこまで難易度が高い試験とは言えません。
ただし、四谷大塚のように、2人に1人しか合格できないテストを実施する塾もあります。
このような大手進学塾の場合、難易度の高い問題が登場する可能性はもちろんあります。
また、難易度がそれほど高くなくても、入塾テストの範囲は各科目とも広いです。
それまで学習した範囲が全て出題範囲となるため、幅広い分野の実力を磨いておくことはやはり必要です。
このように、入塾テストの対策は重要であり、何も準備せずテストだけ受けるというわけにはいかないでしょう。
4.もし入塾テストに落ちてしまったらすべきこと
大手進学塾の場合、ただでさえ入塾希望者が多いこともあり、入塾テストを難しくして希望者を絞ることがあります。
あるいは少数精鋭の授業で進めるという方針のため、あえて入塾テストの難易度を高めに設定する塾もあるでしょう。
こうした塾の場合、やはり入塾テストに落ちてしまう例も一定数見られます。
ただし、中学受験の目的は志望校の合格であり、入塾テストに合格することが目的ではありません。
受験勉強に塾は必要とは言え、絶対に大手進学塾に通わなければならないわけでもありません。
個別指導塾などを活用して対策することも可能ですし、入塾テストのない塾で受験勉強を進めることはできるわけです。
入塾テストに落ちてしまっても、過度に落ち込む必要はありません!
もちろん、その塾に本当に行きたいとお子さんが思っていて、入塾テストに落ちてしまった場合、お子さんが落ち込むのも無理はないでしょう。
ただ、あくまで目的は中学受験を経て志望校に合格することです。
その手段はいくらでもありますし、学習塾に入ることが目的ではないので、そのあたりは柔軟に考えて学習方針を決めることが大切です。
親御さんとしても、お子さんが入塾テストに落ちてしまった場合、まずはしっかり声かけをしてフォローしてあげてください。
5.重要なのは塾の雰囲気や指導体制がお子さんに合うかどうか
そもそも塾は、お子さんの性格に合うか合わないかも重要なポイントです。
大手進学塾は基本的に集団塾ですが、集団の雰囲気が苦手というお子さんもいます。
例えば、集団塾は適度な競争意識や緊張感をもって学習することができますが、子どもによっては競争意識的なものが苦手という場合もあります。
反対に、個別指導塾の雰囲気が苦手というお子さんも見られます。
例えば、個別指導塾は自分のペースを大切に学習を進めることができますが、周りとの競争意識のようなものは少なく、それが子どもによっては若干物足りないと感じる場合もあります。
このように、集団塾にするか個別指導塾にするかは子どもの性格もしっかり考慮して決めるべきですし、大手進学塾だから必ず良いとは言えません。
お子さんの性格に合わない塾に通わせ続けても、お子さんの勉強のモチベーションは長続きしないでしょう。
このように、塾を決める際には、お子さんの性格等も十分に考慮されるべきです。
入塾テストのある大手進学塾が絶対に良い、という話ではありません。
これから、入塾テストの対策等についてお話ししていきますが、入塾テストがない塾で対策を進めることも十分可能です。
そもそも塾はお子さんの性格等も踏まえて決めるべきであることなど、まずは意識していただければと思います。
入塾テストの具体的な対策
ここまでの話を前提に、入塾テストの対策等について整理していきます。
基本的に広い範囲から出題される
入塾テストは、その時点での学力を調べるテストなので、その時までに学習した範囲が全て出題範囲となります。
特定の分野のみ出題されるわけではなく、それまで習った全範囲から複数の単元がピックアップされ、出題される形になります。
そのため、難易度がそこまで高くなくても、ある程度広い範囲に対応できる総合力が重要になります。
苦手な分野や単元はなるべく減らしておき、広範囲である程度の実力を発揮できるよう、準備しておくことが大事です。
入塾テストの科目は?
新4年生は算数・国語が中心
現在、小学校4年生から中学受験の勉強を開始するケースも少なくありません。
新4年生として学習塾に入塾し、そこから勉強をスタートするケースも多いです。
この場合、入塾テストは3年生の範囲までとなり、算数・国語の2科目になることが基本です。
ただし、3年生の範囲までといっても勉強することはたくさんあります。
各単元の基本をしっかりおさえ、計算力、読解力、漢字の読み書きなど、基礎力をきちんと磨いておく必要があります。
新5年生は4科目になることも
新5年生として入塾テストを受ける場合、算数・国語に加えて社会・理科が加わることもあります。
また、新4年生でも夏以降に入塾する場合、4科目で入塾テストが実施されることもあります。
入塾テストの科目は事前にしっかり確認し、間違えのないように準備しなくてはなりません。
社会・理科は暗記項目もあるので、各単元の基本を正確にしたうえで、各用語などを正確に覚え、ケアレスミスは絶対に避けるようにしましょう。
場合によっては予習が必要になることも念頭に入れておきましょう
入塾テストは12月から2月あたりにかけて行われる場合が多いですが、テストによっては予習が必要になることもあります。
例えば3年生の12月に入塾テストを受ける場合、その時点で3年生の範囲までの知識が必要になるでしょう。
しかし12月なら、学校で3年生の範囲を全て学習し終えているとは限りません。
この場合、3年生で学習する範囲の残りを予習し、テストに臨まなくてはならないでしょう。
これはシンプルな例ですが、入塾テストに未習範囲が出題される可能性はあるわけです。
そのため、市販の問題集・参考書などで各学年の範囲をあらかじめ確認し、場合によっては予習も進め、準備しておく必要があります。
学校の勉強より少し難しめの問題に対処できるように
問題演習を通じて実戦力・応用力を鍛える
入塾テストは、小学校で行われるテストよりは難しくなります。
例えば、国語では長い読解問題が出題されることがあり、長めの文章に慣れていないと戸惑ってしまうでしょう。
また、算数は応用問題も含めて出題されることが多く、こちらも慣れが必要です。
このように、普段学校で勉強する算数・国語よりは難易度が上がり、時間や手間もかかるので、問題集できちんと問題演習を重ね、実戦的な力を磨いておく必要があります。
もちろん教科書等で基本知識を復習することも必要ですが、それに加えて実戦力・応用力を鍛えることを意識しましょう。
まずは算数と国語を中心に
入塾テストは4科目で実施されることもありますが、まずは算数・国語を中心に実力を磨くと良いでしょう。
範囲が広いため、算数は各単元の基本を正確にするほか、とにかく計算力を鍛えておく必要があります。
また、国語は漢字の読み書き等の基本をしっかりおさえることはもちろん、正確な読解力を磨いておかなければなりません。
小説文、説明文など、単元ごとにきちんと慣れを作り、本番で焦らないようにトレーニングすることが大事です。
全問正解する必要はなし!出来る問題から取り掛かろう
当然と言えば当然ですが、入塾テストは何も全問正解する必要はありません。
出題範囲は確かに広いですが、だからこそ「できる問題から解く」という心構えが大事です。
自分が得意な分野、自分ができそうな分野の問題から進め、着実に得点を重ねていくという意識が重要になります。
難しい問題で時間をかけすぎず、時間配分には十分注意し、自分が解ける問題にしっかり時間を確保するようにしましょう。
一問に時間をかけすぎた結果、解けるはずの問題が解けなかった、などの事態にならないよう、しっかり注意する必要があります。
こうした時間配分の感覚は、問題演習などで鍛えることができるので、日頃の勉強の中で特に意識してみてください。
気になる塾の情報は事前に把握しておきましょう
今回は、一部の中学受験塾で行われる入塾テストについて、内容や対策などをご紹介しました。
大手の進学塾などは入塾テストが行われるケースが多いですが、個別指導塾などは基本的に入塾テストはなく、誰でも入塾することが可能です。
中学受験塾は大手進学塾だけではなく、入塾テストがない塾を活用して受験を乗り切ることもできるのです。
そのため、大手進学塾などの入塾テストに落ちたからといって、過度に落ち込む必要はなく、そこで受験を諦める必要もありません。
あくまで目的は志望校の合格であり、塾に入ることが目的ではないからです。
一方、入塾テストがある大手進学塾などに入りたい場合は、もちろんテスト対策が必須になります。
入塾テストの科目は、新4年生は基本的に算数・国語になりますが、新5年生などは社会・理科も加えて4科目になることがあります。
いずれの科目も学校の勉強よりは難しいので、応用力や実戦的な力も鍛え、準備を進めていきましょう。
出題範囲も広いので、苦手な分野・単元はなるべく減らしておき、本番では解ける問題から正確に解いていくことが大事です。
もちろん、塾によって入塾テストの内容や難易度は変わりますので、それぞれの塾の情報は事前にしっかり把握しなければなりません。
こうした点に注意し、傾向に沿った対策を行い、テストに備えておきましょう。