学校からの宿題で必ず出される音読。普段の宿題の音読を適当に済ませてはいませんか?
音読は、学習していく上で実はとても重要なものなのです。
音読を適当に済ませていればいるほど、授業についていけなくなる可能性も高くなります。
音読は子どもにとって様々な良い効果がありますので、甘く見てはいけません。
「今まであまり重要視していなかった」と少しでも思った親御さんは、是非目を通されてみてください。
目次
家庭で音読の宿題をする必要性
学校で習っている勉強が、充分に頭に入っていない子どもは意外とたくさんいます。
「この漢字の読み方は何だろう?」「間違って読んではいけない」「大きな声で読まないといけない」など、学校での音読は他のことに気をとられがちです。
確実に内容を捉えながら音読をすることは、子どもにとっては少し難しいことです。
だからこそ、子どもが一番落ち着いて過ごすことのできる家での音読は、子どもにとても良い影響を与えます。
宿題で必ず出る音読!音読で得られる効果とは?
スラスラと読めるようになると自信が持てる
何度も音読の練習をしていると、その文章をスラスラと読めるようになってきます。
大人からみたら当たり前のことと思うかもしれませんが、これは子どもにとって重大なことです。
内容がよく分からなくても、スラスラと読めるだけで子どもは自信が付きます。
逆に自信がないまま学校で音読をしていると、授業中にどうしても「恥ずかしい」「また失敗した」など考えてしまい、その後の授業が頭に入ってきにくくなります。
逆に、自信を持って授業で音読をしていれば、「自分が読んだところの質問だ!」「そういう意味だったのか、今度はイメージしながら読んでみよう」など、次の段階に進み勉強をしていくことができます。
学習内容が頭に入ってくる
学習をするとき、人間は主に「視覚的」「聴覚的」「体感的」の三つの感覚から物事を習得します。
もちろんバランスよく感覚を使って学習できる人もいますが、三つのうちのどれかの感覚が優れていたり、反対にどれかの感覚、または複数の感覚が劣っていたりすることも少なくありません。
視覚的な感覚があまり良くない場合は、文章をいくら目で読んでも頭に入ってきづらいのです。
その場合、音読をすると「視覚」「聴覚」の二つに刺激が与えられます。
目だけでは分かりづらかった内容が、耳から入ってくることで、理解しやすくなるのです。
区切り方や発音の仕方がわかるようになる
音読をするときに「どこで区切って読めば良いのか分からない」と悩みながら読む子や、変な発音で読んでいる子をたくさん見かけます。
初めて見る言葉ならば尚更のことです。
変な発音でその言葉を覚えてしまえば、変な発音のままその言葉を使ってしまいます。
それだけで済むならばまだ良いのですが、日本語は難しく、発音が違えば意味が変わってくる言葉もあるので、充分に気を付けながら読ませることが大切です。(例:「雨」と「飴」、「橋」と「箸」など)
家庭で音読を上達させよう!上手になるための3つのポイント
ただ単に、音読に慣れていないだけであれば、たくさん練習をすれば読めるようになります。
しかし、文字を読むのが困難な子はそうはいきません。文字が苦手な子どもにとっては、文章はまるで何かの暗号かのように見えるのです。
文字が苦手な子や、音読が上手になりたいと思っているお子さんに向けて、音読が上達するポイントをご紹介していきます。
文字を読むのが苦手!最初は指なぞりをしてみよう
では、そんな子どもたちが音読をできるようにするにはどうしたら良いのかということですが、まずは指でたどりながら文章を読むことから始めさせましょう。
「そんな幼稚な」と思うかもしれませんが、実はとても大切なことです。
自分にとって暗号のようなものを読んでいるとき、指でたどらずそのままの読んでいると、自分が今どこを読んでいるのか分からなくなって、行を飛ばしたり、止まってしまったりするのです。
そうなれば、内容が頭に入ってこないことは当然のことですし、スラスラ読むということ以前の問題になってきます。
ゆっくりでもいいので、指でたどりながら言葉のまとまりや響きを感じさせていきましょう。
読みにくかった言葉は、ゆっくり読んだ後にその言葉をもう一度リズムよく言ってみるという方法も効果的です。(例:「お、か、あ、さ、ん」→「おかあさん」など)
少しずつ読むことに慣れてきたら、指なぞりをするのを分からない箇所だけにしたり、指なぞりをせずに音読することに挑戦させたりしてみましょう。
親が範読をしてあげる
音読をするときに、いきなり「これを読んで」と言われてもうまく読めない子はたくさんいます。
子どもがスムーズに音読をしていくために、もう一つ有効な方法がこの「範読」です。
範読とは、お手本の音読のことを言います。
学校の授業の中でもよく使われる方法の一つです。子どもが自分で音読する前に、耳から情報を与えてあげましょう。
耳から音が入ってくれば、その音を真似しながら文章を読んでいくことができるので、スムーズに音読をしていくことができます。
範読をするときは、一気に全てを読むのではなく、一文ずつなどに短く区切るとより効果的です。
最初は全部の範読が必要な子もいるかもしれませんが、慣れてくれば徐々に範読する箇所を減らしたり、読みにくそうにしている部分だけ範読したりするなどして、少しずつ音読に慣らしていきましょう。
読みづらい言葉は逆さ読みをさせてみる
スムーズに読めない言葉や、分からない言葉がある場合には、その言葉を逆さ読みさせてみましょう。
子どもは不思議なほどこの逆さ読みを面白がります。
一度やりだすと楽しくて、色んな言葉を逆さ読みしだす子もいます。
逆さ読みをすることで、「変なの」「おもしろい」とその言葉について興味が湧くのとともに、「逆さから読んだらおかしいからちゃんと正しく読まないと」という気持ちも生まれてきます。
また、大人がわざと間違えて読んだり、逆さ読みをしたりしてあげると、子どもは大喜びします。
「違う!」と訂正をしたがったり「この言葉はこう!」と教えたがったりします。
子どものその好奇心と教えてあげたい精神を利用して、どんどん言葉を覚えさせていきましょう。
音読をする力がつくと様々な学習に役立つ!
いかがでしたでしょうか。
音読は、勉強をする上で求められる最低限の条件です。
初めは大変かもしれませんが、焦らずに、そして充分に音読の練習をしていきましょう。
音読という基礎をしっかりと固め、文章の理解力を高めておけば、様々な学習に役立てていくことができるのです。