私たちの周りには文学、語学、経済学、医学、工学、農学、水産学、芸術学などたくさんの“学問”があります。
どの学問も私たちの生きていく中や生活していく中で、必要な学問です。
子どもたちは一般的な学校での勉強をしながら、自分の興味や特性を生かした知識や技術を修得するために、大学や専門学校に進学することが多くなりました。
しかしどの学問でも大切になってくるのは『国語力』だと言われています。
すべての学問に共通して大切な“国語力”について、今回は考えてみましょう。
お子さんに国語力が足りないと心配されている親御さんも参考にしてみてください。
目次
そもそも『国語力』とは?
いきなり『国語力』といわれても何を指すのか、いまいちピンとこない方も少なくはないのでしょうか。
『国語』と言われれば、小学校で勉強した『国語の授業』を思い浮かべる人も多いかもしれません。
そのイメージで間違いではありません。
国語では、教科書を使い、読んで、登場人物や作者の気持ちを考えて、自分の考えや思ったことをまとめる、という一連の流れがあったのではないでしょうか。
ここではそんな国語の授業で身に付けた”読む“、”考える“、”伝える“力を『国語力』と定義し、お話していきたいと思います。
国語力を身につける5つの方法
では、そんな『国語力』ですが、どのようにして身に付けていけばいいのでしょう。国語力を身につける方法をご紹介していきます。
読書から国語力を身につける
国語力は今、文部科学省でも非常に注目しており、「これからの時代に求められる国語力」として、読書の大切さを謳っています。
全国学校図書館協議会と毎日新聞社が毎年行っている全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況の調査では、歳を重ねるにつれ、平均読書冊数が減っているとの調査結果が発表されています。
小学校では、授業などでも積極的に図書室を利用する機会があったり、保護者と休日に図書館へ行く機会があっても、中学校に進学すると、部活や塾で忙しく、本を読む機会が減っていきます。
さらに高校に進学すると世界は広がり、様々な魅力的なものに出会い、読書をする時間は益々減っていくのが容易に想像できます。
読書をすることで、新しい言葉を知ったり、登場人物の考えに触れたり、世界観を想像したり、著者が伝えたかったことを考えたりと、様々な国語力を鍛えることができます。
もし、お子さんが1人で読書をすることが難しい場合は「読み聞かせ」をしてあげると、語彙力や想像力を高めることができるでしょう。
新聞を読んで国語力を身につける
最近では紙ベースの新聞ではなく、携帯で新聞を読むという人も増えたといいます。
そのような場合自宅に新聞がなく、子どもがいつでも見られる環境にないことも考えられます。
もしそうならば、ぜひ新聞を読める環境を整えてあげて欲しいものです。
たしかに、子どもが新聞の内容をすべて理解することは難しいです。興味を持たないことも考えられます。
最初は、子ども向けの小さな記事を読ませてみたり、四コマ漫画を見せるところからでも構わないと思います。
まずは新聞に興味を持ってもらい、少しずつニュースの部分にも関心が持てる様になるとよいのではないでしょうか。
新聞は難しい言葉や漢字、表現など普段の生活ではなかなか関わらない国語力に触れることができるでしょう。
最近では「子ども新聞」という小学生向けに作られた新聞もありますので、そのような新聞を活用するのもよいかもしれません。
たくさん話すことで国語力を養う
小さな子どもは基本的に思ったことをすぐ口にします。
そして語彙力も乏しいので、自分の思いを上手く伝えられないことも多いです。
それは当たり前のことなので、なかなか上手く伝えられなくても、じっくりコミュニケーションに付き合ってあげましょう。
幼少期はコミュニケーションによって語彙力を身に付けます。
なかなか心に余裕がないと、子どもと向き合う時間にイライラしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、子どももまた上手く伝えられないことに、心がもやもやしています。
親が誘導してあげる形で会話を進めていくと、会話が上手になってくることを一緒に実感できるようになるはずです。
音読と暗唱で国語力を高める
小学生だと「○○を3回音読する」というような国語の宿題が出されることがあります。
読んでいけばいい、と軽い気持ちで宿題に取り組んでいる家庭も多いのではないでしょうか。
人は自分が話した言葉を自分の耳で聞くことによって、文字を初めて理解できると言われています。
つまり、書かれていることを理解するためには「音読」は最も効果的な方法と言えます。
また、読む回数が増えることによって理解が深まると、新たな気づきを得ることもできます。
暗唱することも国語力を高めるのに重要です。
文章を覚えていると、その文章を応用した文を使うこともできるようになってくるはずです。
また、よく学校の授業で古典文学を暗唱することを課すこともあるかと思いますが、日本語の美しい表現やリズムを身に付けることができ、豊かな人間性を形成するためにも重要とされています。
作文や日記を書くことで国語力を身につける
自分の思ったことや感じたことを文にすることは、自分の言語能力がどの程度身に付いたかが一目瞭然です。
さらには、どのように文章を構成し、論理を展開していくか、どう伝えていくか、といったことを考えていくことは「論理的思考力」も高めていくことに繋がります。
国語力が身につくことで得られるメリット
円滑なコミュニケーションを取れる
生きていく中で人間は様々な人と関わって生きていきます。
年齢が違う人、考え方が違う人、様々な人と出会い、どんな人とも“よい関係”を築いていくことが必要になります。
そこで大切になるのが「言葉」です。
どんな「言葉」を使うか、その場面にふさわしい「言葉」かどうかというのは、よい人間関係を構築するために非常に重要になってきます。
もし不適切、不適当な言葉を選んでしまったら、相手に不快や不信を与えてしまうこともあるでしょう。
「言葉」のちょっとした行き違いは、学校生活の中でも最近では問題になり、仲間外れやいじめに繋がってしまうこともあるので、『国語力』は小さな頃から大切になってきます。
相手のことを思いやる心を育む
きれいなものを見て「きれいだね」と言えたり、困っている人に「どうしたの」と声をかけることができたりすることは、簡単なようで、意外に難しいと感じる人もいるかもしれません。
実はこうした感性を素直に表現したり、相手の気持ちに寄り添い、理解できる力が欠如してきていると言われています。
相手のことを思いやれるといことは、成長していく中で、大きな財産となるはずです。
ほんの少しの意識で国語力は高められる!
私たちの周りには様々な問題や社会の変化が山積しています。
これから先の時代もその状態が続いていくことは間違いないでしょう。
そうした時代を生きていく中で、「国語力」はとても大切なものとなっていくはずです。
その「国語力」を伸ばすための方法は、上記に述べたように決して難しいものではありません。
ほんのちょっと意識を変えるだけでも、「国語力」を高めていくことはできます。
そして、家庭の中の環境もぜひ見直してみてください。
親が新聞や読書をしないのに、子どもに新聞や読書をさせるのは難しいでしょう。
正しい日本語が飛び交っていない家庭で、正しい日本語を使いなさいというのは、ナンセンスです。
親は子の鑑です。ぜひ、家族一丸となって「国語力」を高めてみてください。