小学生の国語の勉強法と効果的な教え方!国語は何をどうやって勉強すればいい?

国語の勉強をする子供

小学生で国語の成績が伸び悩むケースは、比較的多いです。

算数・理科・社会と比べると、国語は「何を勉強すればいいのか」という点が曖昧で、勉強方法がよくわからないというお子さんもいるのではないでしょうか。

今回は、小学生の国語の勉強方法や、効果的な教え方についてご紹介します。

そもそも国語とはどのような勉強が必要?

国語は日本語に関する理解や表現を学習する科目

言語の学習では、一般的には「聞く」「話す」「読む」「書く」を勉強します。

このうち日本語の「聞く」「話す」は日常的に行われるため、国語では主に「読む」「書く」の勉強が行われます。

科目としての国語(国語科)は、日本語に関する理解や表現を学習するものです。

「読む」ことにより、日本語の理解を深めてさまざまな表現を知ることができます。

また、「書く」ことにより、日本語の理解と表現をアウトプットできます。

国語は「読む」、「書く」に注目した勉強が必要

国語が苦手な子供でも、日常的には問題なく日本語を使用しています。

普段から日本語を使用して育っているため、「聞く」「話す」という点は問題がないからです。

このような日常的な日本語の使用と、科目としての国語には違いがあります。

国語の場合、「聞く」「話す」というより「読む」「書く」の方に焦点が置かれるからです。

国語は科目の一つとして考え、「読む」「書く」に注目した勉強が必要なのです。

国語が苦手だからといって、その子供の日本語に何か問題があるわけではありません。「読む」「書く」という点に着目して学習すれば、成績を伸ばすことができます。

国語を勉強科目の一つとして考えよう

日常的に使用する日本語も国語も、もちろん日本語という点では同じです。

ただし、普段使用する日本語と同じように考えすぎると、「それでは国語はどうやって勉強すればよいのか?」という話になります。

日常的に使用しているものは、改まって勉強方法を考えることが難しいからです。国語を勉強科目の一つとして考える必要があるのです。

国語は、算数・理科・社会と同様にきちんとした勉強方法があります。科目の一つとして考えることは、勉強方法を知るためには重要なことです。

小学生の国語のおすすめ勉強方法

小学生の国語は、簡単な読み書きから読解問題まで、範囲は広いです。それぞれの勉強方法を整理してみましょう。

漢字の読み書きは複数の熟語に共通する漢字を見つける

国語の勉強として一番イメージしやすい勉強は、漢字の読み書きです。

漢字は国語の最も基本的な勉強で、暗記モノとして勉強することもできます。「何を覚えればいいのか」という点が明確なので、子供にとっても勉強しやすいでしょう。

漢字の読み書きは、複数の熟語に共通する漢字を見つけることがポイントです。

例えば「加える」「加速」「加熱」であれば、「加」という漢字が共通しています。

ここで、「加」の読み方と書き方だけでなく、「加」を使用する熟語をまとめて整理しておくと、効率的な読み書きの勉強ができます。

「加速」「加熱」であれば、「加」という漢字、さらに「か」という読み方まで同じです。

もし「加速」を先に覚え、次に「加熱」という言葉を見たときに、「どこかで「加」という漢字を見たことがある」と意識できれば、自然に「か」という読み方が頭に浮かぶでしょう。

さらに「加える」という言葉も知っていれば、「か」「くわ(える)」の2つの読み方をまとめて整理できます。

普段から共通する漢字を意識付けよう

国語が苦手な子供は、複数の熟語に共通する漢字をあまり意識していない可能性があります。

「加速」「加熱」であれば、共通する「加」を意識していないために、一つ一つ読み方を最初から覚えようとします。これは効率的ではありません。

「覚えなければいけない」という感覚が強すぎると、苦手意識が芽生える原因にもなります。

一方で、国語が得意な子供は、複数の熟語について「この漢字、他の言葉で見たことがある」という感覚が強いです。

共通する漢字や読み方を整理しようとする気持ちが強く、効率的です。

この感覚は、普段から共通する漢字を意識することで自然と身につきます。

そして、「読む」「書く」を繰り返すことで、漢字の読み書きに対する理解はさらに深まるのです。

特に中学受験の場合、漢字の読み書きのレベルが高いです。そのため、いかに効率よく覚えるかがカギとなります。

漢字の読み書きを単なる暗記と考えず、効率よく整理し、「読む」「書く」を繰り返すという意識が必要です。

言葉の意味を理解させて語彙力の養成に繋げる

漢字は、一語一語の意味をおさえることも重要です。どうしても読み書きの暗記ばかりになりがちですが、言葉の意味をきちんと理解すれば、語彙力の養成につながります。

例えば「加速」「加熱」であれば、共通する「加」の読み書きだけでなく、「加」の意味を考えることで自然に語彙力がつきます。

「加速」は「速度を加えること」、「加熱」は「熱を加えること」を意味しますが、「加」の部分に「加えること」という意味があります。

このことを意識すれば、「加速」「加熱」だけでなく「追加」「加工」といった言葉も覚えやすいです。

また、「加えること」だけでなく「加わること」という意味も知っておけば、「参加」「加入」といった言葉も覚えやすいでしょう。

漢字の一語一語の意味を意識することは、多くの熟語を知ることにつながります。

「読む」「書く」を繰り返すことで、一語一語の意味を強く意識する必要があります。

このような積み重ねが語彙力となり、読解問題でも大きく役立ちます。

読解問題は「これはどういう事か」を意識させる

読解問題は、大きく分けると2つのポイントがあります。

1つは「設問の指示を把握すること」、もう1つは「文章の内容を把握すること」です。

読解問題というと文章内容を意識しやすいですが、設問の指示も重要なポイントなのです。

①設問の指示を把握する

読解問題は、文章内容を把握したうえで、設問ごとに解き進めます。

設問は「本文中から探しなさい」「○○文字で抜き出しなさい」「○○文字以内で説明しなさい」など、様々な指示があります。

文章内容をいくら理解しても、設問の指示を守らなければ得点につながりません。

子供の国語の成績が伸び悩んでいる場合、読解問題の答え方を一度チェックする必要があります。

なんとなく解き進めてしまうタイプの子供は、指示を守らないために得点につながらない可能性があります。

逆に考えると、指示さえ守れば得点できます。そして、指示を守ることは、普段の意識が大きなカギとなります。

普段から「この問題の指定は何か?」を意識するだけで、注意深さが養われるからです。

なんとなく解き進めるという姿勢も変わるでしょう。

②文章の内容を把握する

これが、いわゆる「読解力」と呼ばれるものです。

読解力を問う設問には、「傍線部1.「~」とはどういう意味か。次の中から選び、記号で答えなさい」「○○文字以内で説明しなさい」といった形式が見られます。

いずれも、文章の内容を正確に把握していないと解答できません。

文章の内容の把握とは、「これはどういうことか?」を理解することです。「この傍線部の文章は、何が言いたいのか?」「この心情表現は、どのような気持ちを示しているのか?」といった考え方が、読解力の第一歩です。

問われている部分の意味をきちんと把握させよう

「これはどういうことか?」という点を把握しつつ、読み進めることになります。

「これはどういうことか?」は、設問で問われている部分(傍線部など)を優先的に考えます。その部分の意味を考えることで、最終的には文章全体の内容把握につながります。

読解問題の「これはどういうことか?」という部分には、「~ということだ」という答えがあります。「~ということだ」と答えられないものは、出題されません。

読解問題は「~ということだ」という答えをもとに、文章内容をつなぎあわせ、全体の把握につなげます。

読解問題が苦手な子供は、「これはどういうことか?」という意識が弱い傾向があります。

文章を流し読みしてしまう子供もいます。そのため、文章内容をうまくつなげられず、文章が言いたいことがわからなくなるのです。

決して文章を流し読みせず、「これはどういうことか?」を意識することが何より重要です。

中学受験のおける国語

国語の効果的な教え方

勉強をする子供

先ほど述べたように、国語は「読む」「書く」を意識した勉強が大切です。教えるときも、「読む」「書く」を積極的に意識させなくてはなりません。

漢字の読み書き/語彙/知識

漢字の読み書きは、とにかく書かせることが大切です。見るだけで覚える子供は少ないです。

読み書きを何回か書かせ、子供の記憶に残るようにしましょう。声に出して読むことも効果的な方法です。

同時に、複数の熟語に共通する漢字や、一つ一つの漢字の意味を意識させる必要があります。先ほども例に挙げた「加速」「加熱」を、もう一度例に挙げます。

「加速」を勉強した後で、「加熱」という漢字が登場した場合であれば、「この「加」という漢字、どこかで見たことない?」といった声かけが大切です。

子供一人では意識しづらくでも、親が声をかけてあげることで、「そういえば、この漢字はどこかで見たことがある」「同じ漢字って意外に多いんだな」といった点に気づくことができます。

また、「「加」ってどういう意味だと思う?」など、漢字一語の意味も確認してあげましょう。

「加えること」「加わること」という意味が分かれば、「追加」「加工」「参加」「加入」などの言葉に結びつけることができます。これは、子供の語彙力を養う重要なポイントです。

ことわざや慣用句、四字熟語などの知識問題については、暗記モノという印象が強いかと思います。

もちろん言葉の意味から考えることもできますが、中には特殊な意味を持つ言葉もあります。

意味がわかりにくい表現は、暗記モノとして覚えさせた方が良いでしょう。もちろん、「読む」「書く」を意識させることは必要です。

音読をする子供

読解問題

読解問題を解かせる場合、最初は短い文章から始めることが鉄則です。

長すぎる文章の場合、子供が流し読みする可能性があります。一方で、短い文章であれば、「これはどういうことか?」を意識しやすくなります。

読解問題の「これはどういうことか?」という部分は、何よりも優先して意識させてください。

「この部分、どういうことだと思う?」という声かけをするだけで、ただ読むだけだった作業が大きく変わります。

特に「これはどういうことか?」という意識が弱い子供の場合、親の声かけが大きく影響します。

子供が納得できるよう、わかりやすく「~ということだよ」と教えてあげてください。

また、設問の指示をきちんと守っているかもチェックする必要があります。指示を守っていない場合、得点につなげるには指示を守ることが大前提であることを、きちんと教えてあげましょう。

短い文章から解かせる際には、問題集をうまく活用しましょう。

問題集には章ごとに複数の文章題がありますが、一般的には最初の文章題の方が短いです。

例えば、「1章 説明的文章」という章に大問1から大問3まである場合、大問1の文章が最も短いでしょう。一方、例外もあるので、あらかじめ文章量をきちんとチェックしておきましょう。

読解問題が苦手な子供の場合、各章で一番短い読解問題だけをピックアップし、先に解かせるという方法も効果的です。順番に解かせるだけが活用法ではないので、工夫が大切です。

小学生の国語は、漢字・語彙、読解問題に分けて勉強方法を考える

小学生の国語は、漢字の読み書き・語彙、読解問題に分けて勉強方法を考える必要があります。

漢字の読み書き・語彙は単なる暗記ではありません。一つ一つの漢字の意味や、複数の熟語に共通する漢字など、意識すべきポイントがあります。

読解問題については、「これはどういうことか?」を重点的に意識させてください。同時に、問題指定を守っているかのチェックも必要です。

国語は算数・理科・社会と同じく、きちんとした勉強方法があります。ポイントを踏まえ、お子さんに効果的な国語の勉強をさせてあげてください。