「ヤバい」「スゴイ」「可愛い」「神」「~みたいな」という言葉を多用している人、大人にも多いですよね。
何を食べても「おいしい」か「あんまりおいしくない」でしか表現できなかったり、擬態語・擬音語ばかりを使っていたり、心当たりのある人もいるのではないでしょうか。
表現に使える言葉が少ない、つまり「語彙力がない」と当然あらゆる勉強に影響が出ます。
特に影響が出るのが国語。
どんなに問題を解く練習をしても、語彙力がなければ本文の内容はイマイチ理解できません。
語彙力をつけるために問題を解いたり単語帳で覚えたりするという方法もありますが、単調でなかなか頭に残りづらいもの。
特に小学生にはつまらない作業で、うまく身につかないことも多いですよね。
今回は現役国語教師である筆者が子供に語彙力をつけるために出来る9の事を紹介します。
目次
語彙力アップのためにできる9のこと
子どもの語彙力をアップさせるには机に向かわせて、勉強をさせるだけではありません。
語彙力は普段の生活、勉強法を意識することで知らず知らず身につけることができます。
言い換えれば、気づかないうちに差をつけられることもあるということです。
1.親は擬態語・擬音語を使わない
「キラキラ」ではなく「光る・輝く・きらめく」などの言葉に置き換えて使うことで、子どもの語彙力を広げます。
子どもは聞いた言葉を吸収します。
面倒かもしれませんが、たくさんの語彙を投げかけることで成長を促すことができます。
親も語彙力の低下を防げるので一石二鳥とも言えますね。
2.子どもに「ヤバい」「すごい」「神」は使わせない
言葉に気をつけるのは親だけではありません。
お子さんには「ヤバい」「すごい」「神」といった、何でも表せる便利な言葉を使わず表現させてみてください。
「テストどうだった?」という問いかけに、「やばかった」ではなく「国語の点数が低かった」「社会がクラスでトップだった」と具体的に表現させるということです。
こちらは語彙力を上げるためというよりは、言葉を意識させるためですね。
3.分からない言葉を調べるクセをつけさせる
分からない言葉は調べて自分のものにする。
これは基本です。そのために必要なものは国語辞典です。
一家に一冊は置いておきたいですね。電子辞書でもOKです。
塾で講師をしていると「紙の辞書と電子辞書のどちらが良いですか」「オススメの辞書はありますか」という質問を受けることがあります。
紙の辞書の方がと思う方も多いようですが、どちらでも構わないと思います。
どちらにも良いところがあるので、使いやすいものを選べば良いでしょう。
ただしパソコンや携帯電話など、別の機能の多いものは避けてください。
調べるついでに別のことを始めてしまうと集中できませんし、他の人が使っていて気軽に自分で使えないのは困ります。
4.推測する力をつけてさらに語彙力アップ
まずは調べるクセをつけることが大切ですが、受験を意識するのであれば同時に推測力も身につけたいですね。
どれだけ語彙力を上げても、分からない言葉は出てくるものです。そんなとき推測力が役に立ちます。
普段の勉強で分からない言葉は、調べる前に推測します。
漢字や前後の文脈をヒントに、だいたいどんな意味かを考えるのです。
考えた後で答え合わせとして辞書を引きます。ひと手間加えることで知識の定着も深まります。
5.読書は語彙力をつける習慣
やはり読書は語彙力を上げるために良い習慣です。
たくさんの本を読むことで、知らない間にたくさんの語彙が体にしみこんでいきます。
分からない言葉を調べるクセがついていれば、さらに効果は上がります。
読書が好きならどんどん読ませればよいのですが、読書が好きではないという子も少なくありません。
そんな子には無理して読ませないほうが良いでしょう。無理強いすると文字が嫌いになってしまう恐れがあります。
6.漫画でも語彙は鍛える
漫画は好きだけど本は苦手……というなら、漫画をどんどん読ませましょう。
漫画は良くないと考える人もいますが、絵があることで言葉の意味も想像しやすいため、読書の習慣がない子には良い教材と言えます。
自分で興味を持った本でなければなかなか集中して読むことができないため、読む本はお子さんに選ばせましょう。
本でも漫画でも、勉強に役立つとはいえ勉強とは別物。勉強時間は別に確保することを忘れずに。
7.漢字練習も語彙力を上げるチャンス!意味も考えて行うように
漢字はひたすら書くだけでなく、文字そのものの意味や熟語の意味を考えながら書きましょう。
たとえば「空席」という熟語。空いている席という意味を意識して練習しておけば、「空く」という漢字や言葉も一緒に頭に入ります。
漢字も言葉もひとつずつ覚えるのではなく、関連付けてまとめて頭に入れた方が試験でも役に立ちます。
「意識する」というのは目に見えないことなので難しく感じるかもしれませんが、少しずつ「意識する」ことのメリットを子供に伝えて分かってもらいましょう。
8.読み書きだけだけじゃない!語彙力アップのためにはテレビも活用
語彙力は読み書きだけで覚える必要はありません。テレビからでも吸収できます。
どんなテレビ番組でも構いませんが、やはり勉強になるのはニュースやドキュメンタリー。
普段聞きなれない言葉がたくさん使われているので、親が一緒にいて必要に応じて解説を挟んであげると理想的ですね。
ここで得た知識は中学受験の時事問題にも繋がります。
9.様々な言葉を使おう!会話の中で語彙を吸収させる
子どもは大人の言葉を映す鏡でもあります。
親や周りの大人の言葉が乱れていると、子どもの言葉も乱れてしまいます。語彙が少ないと子どもの語彙も増えません。
親や周りの大人の意識も重要です。
様々な言葉を使って会話するようにしてみてください。難しい言葉を遣使えということではありません。
子どもと長く意味のある会話を増やしてみましょう、ということです。
「へー」「よかったね」と相槌だけで済ませるのではなく、親の考えを話したり、ときには意見を交換しあったりできると良いですね。
読書が苦手でも話すのは好きだという子には、この方法がオススメです。
生活の中で語彙力を高める工夫を
語彙力をつけるためには、あの手この手で言葉に触れさせることが重要です。
子どものタイプによって有効な方法は異なります。
好きなこと、得意なことから始めていくと、自然に良い習慣が身につきます。
語彙力は一朝一夕でどうにかなるものではありません。
まずは意識を変えて、語彙力を高める工夫を生活に取り入れてみましょう!
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