国語という科目の中で、苦手意識を持つ子どもが多いのが漢字。
子どもたちが壁だと感じるのは書き取りだけではありません。
漢字の送り仮名も子どもたちを悩ませます。
「これじゃダメなの?」「こんなに覚えるの?」
学年が上がるにつれて、子どもたちの悲鳴も大きくなります。
ここでは子どもが間違えやすい送り仮名と、その間違いを避けるコツをご紹介していきます。
目次
間違えやすい送り仮名
潔い
漢字の読み仮名が「いさぎよ(い)」と四文字。他の字と比べて長いという理由から、違和感を覚えてしまうようです。
同じ理由で「承る」「著しい」も間違えやすいと言えますね。
恥ずかしい
「ず」を入れるか入れないかで迷いやすいです。
「恥」は「はじ」と読むことを知っているから、余計に「恥かしい」と書きたくなってしまうという子もいます。
「恥じる」という言葉を知っていると、間違える確率もグンと下がります。
断る
「断わる」と書いてしまいがちなのは、大人も子供も同じ。
四文字の言葉なら二文字を送り仮名にしたくなる、という「文字のバランスで考えてしまう」というお子さんも多いです。
志す・志
どちらも読み仮名が非常に長いのが理由ですね。
普段の生活で見聞きする機会が少ない言葉のため、尚更正しいか判別が難しいようです。
幼い
「食べ-ない」「押さ-ない」と同様に、助動詞の「ない」として考えてしまい、「幼ない」と間違えてしまいます。
このように、子どもたちの間違え方にはある程度共通する理由があります。
ポイントを押さえるだけで、一気に正しく書けるようになる可能性があるということです。
送り仮名の覚え方
活用してみる
送り仮名は「活用する部分を送る」のが基本です。
つまり、「書く」「書かない」「書いて」という風に、形の変わるところを送り仮名にするということです。
「書」の読み方が「かく」だったら、「書かない」は「かくかない」になってしまいますからね。
言葉の形を変えて、不自然なら間違っていると考えられます。
例えば「開ける・開る」で迷ったら、「開く」という言葉があるから「開る」は不自然だと気づけますね。
形容詞は「~しい」が多い
「悔しい・嬉しい・悲しい・愛しい・難しい……」形容詞を並べてみると、「しい」を送るものが非常に多いことに気づきます。
「頼もしい・恥ずかしい」といったものもありますが、「頼む・恥じる」という言葉に置き換えてみると、「頼しい・恥しい」にならないことは一目瞭然です。
名詞と動詞で変わる送り仮名
間違えやすい送り仮名にもある「志・志す」のように、名詞と動詞で送り仮名が変わる漢字はいくつかあります。
大人がよく見るのは「話・話す」「頂・頂き」ですね。
使い方で送り仮名が変わるという話を一度でもしておけば、お子さんもすんなり理解してくれます。
読み仮名の字数が多いものもあると理解する
間違えやすい漢字で多く出たのがコレです。
「読み仮名が長いのは変」という思い込みです。三文字以上は違和感が出てくるようです。
「厳か」「謝る」「専ら」「尊い」など、「三文字の読み方+一文字の送り仮名」というパターンは多くあります。
そういうものなんだと理解し受け入れることができれば、それだけで間違いは減ります。
身体で覚える
理屈を頭に入れたら、あとは何度も見て書いて慣れていくことが重要です。
正しいものに目が慣れると、間違ったものを不自然だと感じられるようになります。
何も考えなくとも、手が自然に正しく書くようになります。
練習するときには、声に出して書くのもオススメです。
例えば送り仮名は大きく読むなど、覚えるために工夫をしてみましょう。
練習問題に挑戦してみよう
間違えやすい送り仮名の漢字をを中心に、10の問題を用意しました。ぜひ挑戦してみてください。
1.はぐくむ
2.たしかめる
3.あぶない
4.すこやか
5.おとずれる
6.すみやか
7.しりぞく
8.しあわせ
9.あずける
10.さからう
※答えは一番下に記載しました。
まとめ
送り仮名はコツを知っているのと知らないのとでは、大きく差が付きます。
まずはコツを理解し、何度も練習!
正しく覚えるためには慣れることが大切です。
練習だけでなく、丸付けの際も正しく書けているかをセルフチェックしましょう。
一度正しく覚えられれば、そのあとは間違えなくなります。小学校のうちに、正しい漢字の感覚を身につけたいですね。
練習問題の答え
育む 確かめる 危ない 健やか 訪れる
速やか 退く 幸せ 預ける 逆らう