語彙力を養う漢字学習のすすめ!漢字力の必要性について

机にむかって勉強をする子供現代は非常に不安定な世の中です。

どんな大学のどの学部を出ていれば将来の安定が約束されるとか、これを学んでおけば将来生活に困らないという類のことは誰にも言い切れません。

そんな時代だからこそ、子どもたちには基礎学力、つまりその人オリジナルの深い思考力、的確な表現力を身につけてほしいなと思います。

そんな基礎学力を養う観点から、漢字の学習は非常に重要です。なぜなら、基礎学力を養うための訓練はおもに文章を読むことで(文字を媒介にして)行われるからです。

文章を的確にそして素早く把握するための漢字力(語彙力)はどのようにして身につけたらよいのでしょうか。

漢字の宿題に取り組むだけでは語彙力は身につかない?

小学校で学ぶ漢字は1006字。

子どもたちは毎日たくさんの漢字の宿題を出されて、6年間(1年生の前半以外は)毎日数ページ分の漢字の練習に取り組みます。

それなのに、いざ教科書を読むとき、問題を解くとき、新聞を読むとき、習ったはずの漢字が読めない、読めないだけでなく意味もわからないという子が少なくありません。

なぜ習ったはずの漢字が身につかないのか?

つまり学校から出される漢字の宿題は、漢字のドリルを使って漢字の読みと書き順を確認、その漢字を使った語句と文章を確認、あとは指定されたページ数だけノートを書き取りで埋めるというパターンが多いようです。

それぞれの漢字の意味、訓読み、熟語の成り立ちなどはほとんど意識せずただ機械的に漢字を覚えている子が多いのです。

せっかく漢字の学習に多くの時間を割いているのに、これはもったいないことです。

漢字の学習は書き方を覚えれば終わりではありません!

勉強をする小学生漢字の読みは一通りではありませんし、熟語の組み合わせも一度の学習では覚えきれないほどあります。

たとえば、小学校一年生で習う漢字「下」、で熟語をあげてみましょう。

下を使う熟語

  • 下流(かりゅう)
  • 下水(げすい)
  • 下見(したみ)
  • 川下(かわしも)
  • 足下(あしもと)
  • 下り坂(くだりざか)
  • 下車(げしゃ)
  • 下着(したぎ)
  • 地下(ちか)
  • 下手(しもて、へた)

このように読み方もことばの意味も様々です。

学校教育だけでは足りない

その漢字を本当に使いこなせるようにするためには、学校で教えられるだけでは十分ではありません。

いろいろな文章の中でその漢字(またはその漢字を使ってつくられた熟語)の意味を読み解く経験を重ねていく必要があります。

しかし、どの子も漢字を本当の意味で使いこなせるだけの読書量をこなせるわけではありません。

むしろ、漢字が得意な子は読書を苦にせず楽しむことができるのでますます語彙力を増やしていくのに対して、漢字が苦手な子は読書も思うようには捗らず、漢字が得意な子との語彙力の差は学年が上がるにつれて大きくなっていきます。

そして、語彙力の差はほぼそのまま基礎学力の差として現れます。

参考リンク:読書スピードの差が学力差!頭の良い子の読書が早い理由

漢検を受けてみませんか?

学校の宿題はきちんとこなしているのに、子どもの語彙力が学年相応より低いかもしれないと感じたら、漢検の受験に向けた学習にチャレンジしてみるといいかもしれません。

漢検、日本漢字能力検定の出題形式は

  1. 誤字訂正
  2. 部首
  3. 四字熟語
  4. 熟語の構成

など多岐にわたります。

そのため、漢検の受験のための学習をすることで漢字を総合的に捉えられるようになっていきます。

漢検は10級(小学1年生の学習漢字)~1級(常用漢字を含む約6000字)までの12段階(1級と2級には準級)があります。

無理ない段階から学習をはじめてどんどん級を上げていけば、漢字の苦手意識を自信に変えることも可能です。

読書をする子ども

まとめ

基礎学力を向上させるための語彙力とは、ただ漢字が読み書きできる能力のことではありません。

文脈を理解するための、そして文脈の中で活用できる漢字能力のことです。

そして基礎学力を身につけることは、好き嫌いの問題ではありません。

基礎学力は人生を築いていくための土台です。

お子さんの将来のためにもぜひ、「うちの子は漢字がちょっと苦手みたい」で片づけてしまわずに、子どもの語彙力を伸ばすための努力を一緒にしてみてあげてください。