子どもの成績が上がらないとき、親としてどうアプローチすべきか、悩んでしまう親御さんも多いでしょう。
そんなとき、成績が優秀な子どもの親は日々どんな工夫をしているのか、気になる点も多いのではないでしょうか。
この記事では、塾講師の経験から成績が良い子どもの親に共通していることについてお話ししていきます。
親のほうで改善すべき点はあるか、子どもにどうやって声かけをしていくかなど、ぜひ参考にしてもらいながら、お子さんの成績アップに繋げていきましょう。
目次
子どもの成績と親の行動は関係する
親の日頃の行動は、子どもの成績にも大きく影響します。
例えば、ただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言っても、子どもはなかなか勉強に集中できません。
むしろ勉強嫌いを加速させるおそれもあります。
逆に、親が子どもをほったらかしにしていても、子どもが自発的に勉強するケースは稀でしょう。
親が何も言わなければ、子どもは楽な方向に流されやすく、勉強も怠けてしまいがちです。
このように、親の行動・関わり方は、子どもの成績に大きく影響します。
親があまりにも勉強を強要すれば、かえって逆効果ですし、かと言って何もしないわけにはいきません。
このあたりのバランスが難しいところですが、子どもの成績アップのために親ができることは何か、日々の生活でどんなことに注意すれば良いか、常に考えていきたいところです。
成績優秀な子どもの親に共通している4つのこと
勉強方針は各ご家庭によって様々であり、一概には言えませんが、成績が良い子どもの親には様々な共通点があります。
1.集中して勉強できる環境を整えている
そもそも勉強というのは、集中して行ってこそ意味があるものです。
ただ漠然と長時間机に向かえば良いわけではなく、集中して取り組んでこそ成果が現れます。
成績が良い子どもの親は、この集中できる環境をきちんと整えています。
メリハリを持たせている
勉強に集中するには、やはりメリハリが大切です。
「この時間は勉強する時間」「この時間は遊ぶ時間」といったように、きちんとメリハリを持たせることで、少しずつ勉強習慣ができあがります。
このメリハリを作るには、やはり規則正しい生活が必要不可欠でしょう。
就寝時間や食事の時間などはなるべく統一し、「食事の時間までに勉強する」「就寝前に少し勉強しておく」といった形で勉強時間を組み込んでいくと、メリハリのある時間割になります。
成績が良い子どもの親は、こうした規則正しい生活リズムを作っている傾向が強いです。
勉強時に集中の妨げになるものを排除する
勉強中にマンガやテレビ、スマホなどが目に入ると、どうしても勉強に集中しにくくなります。
そのため、勉強はテレビなどが目に入らない環境で取り組ませ、しっかり集中させることが大事です。
特に子どもであれば尚更、テレビなどの誘惑は強いでしょう。
このような集中の妨げになるものは、勉強時はなるべく排除し、メリハリを持たせる必要があります。
こうした環境づくりも、親ができることの一つです。
もちろん遊ぶ時間はしっかり確保する
いくら勉強が大切とはいえ、子どもに勉強ばかりさせる生活が良いとは言えません。
中学受験生でさえ、受験勉強を最優先する生活は6年生から、早くても5年生からとなります。
あまりに勉強ばかりさせる生活を送っても、逆に子どもが勉強嫌いになるおそれもあるのです。
成績が良い子どもの親は、遊ぶ時間もしっかり確保し、遊ぶ時間と勉強する時間でしっかりメリハリを作っている傾向が強いです。
「勉強が終わったらテレビを見てもいいよ」といった声かけも行い、遊びも勉強もしっかりやらせてこそ、自然な形での勉強習慣ができあがります。
2.声かけを工夫している
先ほども少し触れましたが、ただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言っても、それで子どもが勉強に集中するわけではありません。
理由もわからず「勉強して」とだけ言われても、まず子どもは納得しないでしょう。
たとえ言われるがまま勉強しても、心の底から集中して勉強できる可能性は低いです。
そうではなく、「そもそもなぜ勉強する必要があるのか?」という話をしっかりしてあげる必要があります。
成績が優秀な子どもの親は、こうした声かけも工夫しています。
勉強は目的意識が大事という声かけ
例えば中学受験の勉強は、「この中学校に行きたい」という思いがあってこそ集中できるものです。
受験勉強は勉強そのものが目的ではありません。
その学校に入るには試験に合格する必要があり、そのために勉強をするわけです。
「その学校に行くために今勉強をするんだ」という目的意識を子どもにしっかり持たせ、子どもが自発的に勉強に取り組んでいくことが大事なのです。
ただ漠然と「勉強しろ」「勉強して」と言うのではなく、「この学校に行くために今勉強をしなければならない」という声かけを行い、常に目的意識を強調する必要があります。
志望校の魅力を再確認する
志望校に合格することが受験勉強の目的ですので、その志望校の魅力を再確認させることも大事です。
特に子どものモチベーションが下がったとき、志望校の魅力を改めて再確認し、「やっぱりこの学校に行きたい、だからまた頑張ろう」といった気持ちになってくれれば、子どもは自然にモチベーションを取り戻すはずです。
単純な話のように聞こえるかもしれませんが、こうした工夫も親ができることの一つです。
勉強の話だけでなく、志望校に合格してからの話、さらにはもっと先の将来の話など、子どものモチベーションにつながるような話もしてみると良いでしょう。
受験をしない場合でも目的意識が大事
中学受験をしない場合でも、勉強は目的意識を持って行うことが大事です。
例えば算数の計算力や国語の読解力は、社会人になっても非常に重要なスキルになります。
また、理科は日常生活のあらゆる事象にも関係しますし、社会は一般常識として知っておくべきことも多いです。
このような視点から子どもに勉強の大切さを教え、子どもが自然な形で「勉強してみようかな」と思えることが理想でしょう。
成績が良い子どもの親は、受験をしない場合でもこのような目的意識を持たせているケースが多いです。
3.日頃の頑張りを褒めるべきときにしっかり褒める
先ほども少し触れましたが、親が子どもをほったらかしにするのも良くありません。
子どもの成績事情に親が何も関心を示さなければ、子どもはモチベーションを失ってしまうでしょう。
成績が上がったときや、子どもが難しい宿題を一生懸命終わらせたときなど、しっかり褒めてあげ、子どもの勉強に関心を示すことが大事です。
成績が優秀な子どもの親は、褒めるところはきちんと褒めるということを日常的に行っています。
褒め方一つで子どものモチベーションは大きく変わる
子どもの成績が伸びたときは、たとえその伸びがわずかなものであっても、きちんと褒めてあげましょう。
「もっと頑張ればもっと成績が伸びたはずだ」といった声かけではなく、まずは「よく頑張ったね」と褒めてあげることが大事です。
たとえ「もっと頑張ればもっと成績が伸びたはずだ」と思っても、まずはしっかり褒めたうえで、「ここを改善するともっと良くなるかもよ」「この調子で次も頑張ってみようね」といった声かけをしたほうが効果があります。
このように、褒め方一つで子どものモチベーションも変わるので、日常生活の中でしっかり意識していくことが大切です。
成績だけでなく、途中の頑張りも褒めてあげる
そもそも勉強の成績というのは、そう簡単に上がるものではありません。
少しずつコツコツと積み重ねていくのが勉強であり、すぐに成績に反映されるわけではないのです。
親としてもある程度長い目で見て考える必要があり、すぐに子どもに結果を求めるべきではありません。
そのため、成績が伸び悩んでいるときも、決して子どもを責めるのではなく、まずは日頃の頑張りも褒めてあげましょう。
もちろん、子どもが最低限の勉強をやらずに怠けてしまい、それが原因で成績が伸び悩んでいるのであれば、そこは厳しめに注意しても良いでしょう。
そうではなく、子どもが一生懸命勉強をして、それがすぐに成績に反映されないとき、まずは一生懸命勉強したという事実を褒めてあげることが大事です。
そのうえで、改善点があれば改善点を伝え、次につなげていく必要があります。
4.宿題や復習をしっかりやらせている
宿題をきちんとやることは、成績アップに大きく関係します。
宿題というと当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、宿題をサボってしまう癖のある子どもはなかなか成績が伸びません。
また、勉強は復習が必要不可欠であり、復習をおろそかにすることも成績の伸び悩みにつながります。
成績が優秀な子どもの親は、こうした宿題や復習の重要性を子どもとしっかり共有しています。
宿題は家庭学習の基本でもあります!
当然ですが、勉強は学校や塾で進めるだけではありません。
家に帰ったら、今度は自分で勉強をしなければならないのです。
その家庭学習の基本となるものが宿題です。
宿題は、学校や塾で習った内容の復習でもあります。
授業を一回聞いただけで全ての内容を完璧に記憶できる子どもはいません。
授業で学習した内容は、宿題という形でしっかり復習し、知識や実力を盤石なものにしていく必要があります。
宿題の大切さをきちんと理解し、コツコツ進めてこそ、学力アップにつながるわけです。
復習の習慣をしっかり身につける
宿題を含め、日頃から復習する習慣を身につけておくと、成績は徐々に伸びていきます。
繰り返しますが、一度に全てを記憶できる子どもはいません。
一度学習した内容を何度も何度も復習することで、知識も実力も磨かれていくのです。
特に中学受験は学習内容が幅広いので、日常的に復習を取り入れ、様々な知識を整理していく必要があります。
成績が良い子どもは、日常的な復習によって知識の精度を高めており、その積み重ねが高い実力につながっています。
親のほうでも復習の重要性を理解しており、宿題はもちろんのこと、日頃から復習時間を勉強スケジュールに取り入れていることが多いです。
こうした復習の習慣は勉強の基本でもあるので、特に意識しておいてください。
まとめ
今回は、成績が優秀な子どもの親に共通していることについてお話ししていきました。
成績が良い子どもの親は、家庭内の環境や声かけなどを工夫していることが多いです。
もちろん各ご家庭によって違いはあるのですが、メリハリを持って勉強させたり、勉強の目的意識を持たせたりなど、いくつか共通点も見られます。
特に勉強は集中してこそ効果が発揮されるのであり、子どもがメリハリを持って集中できるよう、親のほうで家庭内の環境を整えておく必要があります。
もちろん、親が率先して規則正しい生活リズムを心がけることも大切です。
また、ただ「勉強しろ」「勉強して」と言うのではなく、なぜ勉強する必要があるのか?という目的意識を持たせることも重要なことです。
そのほか、褒めるべきところはしっかり褒める、宿題や復習の重要性を教えるといった点も、成績が優秀な子どもの親に共通しています。
成績が伸びたときはもちろん、一生懸命宿題をやったときなども含め、しっかり褒めてあげることが大事です。
また、宿題や復習は勉強の基本でもあり、親が率先して宿題・復習が持つ意味を教えてあげる必要があります。
このような点を意識していただき、親としてできることは何か、親のほうで変えていくべき点はどこかなど、検討するきっかけになれば幸いです。