一人っ子を育てている方はよくおわかりだと思います。一人っ子の子育ての悩みを。
兄弟がいるご家庭にはわからない悩みがたくさんあるのです。
「一人っ子だと子育てが楽でいいわね~」とストレートには言わなくても、そういったニュアンスの言葉をかけられたりしませんか?
「子育てが楽なワケないじゃん!」と腹が立つことがありませんか?
逆に、あなたは「一人っ子の苦労」を理解してあげていますか?
子どもの方にだって一人っ子であるためにする苦労や悩みがあるのです。
筆者自身は「一人っ子」で育ち、自分の子どもは2人います。
そんな私が子どもの頃から感じていた「一人っ子の苦労」と親になってわかった「一人っ子の親の苦労」についてお話ししたいと思います。
一人っ子の苦労
兄弟がいない
一人っ子の苦労は・・・たくさんありました!例えば、近所の友だちと遊んでいた時のことです。
年の近い兄弟がいる友だちと遊んでいると、ちょっとしたときに兄弟間を感じてしまうのです。
兄弟仲が良いわけではないのに、何かもめたりすると決まって兄弟味方になるんですよね。
どちらが悪い悪くないにかかわらず、必ず味方になってくれる兄弟がとてもうらやましく思い、さみしい気持ちになったことを今でも覚えています。
父の転勤で小学校のときに他県に転校したときにも、「こんなときに兄弟が一緒に転校していたらどんなに心強かっただろう」と思いました。
その後、大人になってからママ友から「海外に行っていたときは言葉もわからないし、もっと辛かったよ」という話を聞き、本当に兄弟って心強い存在なんだと思いました。
どんなにケンカしている兄弟でも、いざという時には団結できるのが兄弟なのです。
子ども扱い
一人っ子の苦労はまだまだあります。
家族の中で子どもがひとりというのは、ちやほや甘やかされていそうで羨ましがられるのですが、実はそんなことはありません。
家族でゲームをしても負けてしまいますし、手加減されるのもイヤです。
兄弟がいる友だちに比べて、いつまでも子ども扱いされているような気がしてイヤだった記憶があります。
確かに、洋服は兄弟のお下がりではありませんし、本やおもちゃなど新しいものを買ってはもらえます。
その点では、感謝しないといけないと親になった今では思います。
親の干渉
一人っ子で何よりも嫌だったことは中学生以降ぐらいにありました。それは、親の干渉です。
そのぐらいの年齢のときには、親の関心が全て自分だけに来ることがうとましく感じられ、「放っておいてほしい!」といつも思っていました。
兄弟が多ければ、おそらくあまり干渉されないだろうにと。
でも、こうして親の立場になってみると、子どもが一人だろうが二人だろうが関心が薄くなることはないのですが、当時は「一人っ子は面倒だな」と思ってしまっていました。
今思えば、ありがたいことなんですけどね。
一人っ子の親の苦労
一人っ子の親の苦労としては、やはり先にお話ししたように「一人っ子の子育ては楽だ」と思われてしまうことでしょう。
子ども一人あたりへの労力?と考えれば、たしかにお弁当も一人分で済みますし、塾の送り迎えも一人分、手作りしなくてはならないものも一人分作ればよいので、そういう点では「楽」なのかもしれません。
常に子供の相手
でも、一人っ子なので遊ぶ相手が家の中におらず、常に相手をしなければならないことも一人っ子の親の苦労だと思います。
兄弟がいたら一緒に遊んでいる間に家事ができたりするのに・・・と思うことも多いのではないでしょうか?
この点では、先に「一人っ子の苦労」でお話ししたように、いずれ子どもにとっては親の関心が集中することで疎ましく思われてしまうので、本当に皮肉なものです。
比べることができない
もうひとつ「一人っ子の親の苦労」としては、兄弟がいないので他の子どもと比べることができないことです。
はじめての子どもの子育てが大変なことは、誰でも同じなのですが、一人二人と子どもが増えるにつれ、親も子育てに慣れてくることもあり、多少のことではあたふたしなくなります。
この子の場合はこう、この子の場合はちがうとその子どもの個性をみる余裕さえ出てきます。
そういった子育てに慣れた?複数の子どもをもつママのお話を聞くと、未熟なような気がしてしまうのです。本当はそんなことはないんですよ!
ないものねだり、でも本当はそこにある幸せ
「一人っ子の親」は一生懸命頑張って、子どもと1対1で向き合っているのに、そのうち子どもが成長して来たら疎ましく思われてしまう・・・なんて、報われませんよね?
しかも、周りからは「楽をしている」と思われているなんて。
でも、私も親になった今さらですが「一人っ子の親」であった母親には、本当に感謝しています。
孫の世話も「お母さん一人っ子しか育ててないからわからないわ~」と言いつつも、孫2人をお風呂に入れていっしょにあたふたしてくれたりしました。
「一人の親と一人の子ども」は濃密な親子の時間を過ごせるし、そのおかげでとても良い関係が築けると思いますよ。