小学生の頃と言えばもうかなり前の話ですので、現在の受験事情とは些か異なる部分があるかと思いますが、筆者個人として経験した「中学受験で大変だったこと」の思い出を紹介します。
必死に勉強したおかげで、灘や東大寺学園など難関中学と呼ばれる学校に合格することができました。
当時の受験期に感じていたことを素直に述べていきますので、これから受験を控えている親御さんの参考にあれば幸いです。
目次
学校の友達と遊べない
受験期を振り返ったときに、まず出てくる思い出は「友達と遊べなかったこと」です。
これはどうしても避けることができません。
小学校が終わればすぐに塾に直行していましたし、学校がない日曜であったとしても、基本的に当然のように朝から晩まで勉強に時間を費やしていました。
学校の友達と「学校外」で遊ぶという機会は、小学校五年生以降は、中学受験が全て終了する二月初旬までは「ゼロ」です。
普段の日曜日も、夏休みのような長期休みも、この期間友達の家に遊びに行ったことはありません。
ただ、私としてはこれに特に不満を覚えていたわけではなく、その分学校にいる間に満足してしまおうという意識が非常に強くありましたので、休み時間はかなり意欲的に遊んでいました。
他の習い事を辞めなければならない
いくつもの習い事をさせてくれていた親には本当に感謝でしかないのですが、小学校五年生の頃からは、それまで習っていたピアノやら絵やらサッカーは全て辞めざるをえませんでした。
本格的に受験勉強をしようということになったので、中途半端に他の習い事を継続することはしませんでしたし、現実的な問題から、これらを継続することは時間的にも不可能でした。
ピアノは特に大好きでしたので、これを辞めるのはとても悲しかったことを記憶しています。
中学に入ってからは趣味でピアノを弾くようにはなりましたが、やはり本格的な環境から離れてしまったこともあって、残念ながら今でも趣味の範囲で楽しむ程度に終わってしまっています。
ストレスで十円ハゲが出来てしまった
今となっては笑い話ですが、当時は親にも言えず、非常に困惑した記憶があります。
しかも、私自身勉強は好きでしたし、自分の置かれている現状に対して意識的に困惑している訳ではなかったのに十円ハゲができてしまったことに戸惑いました。
どれだけ勉強が楽しいとは言っても、勉強ばかりの毎日は小学生にとってかなり負担を強いるものであるのは間違いないのでしょう。
ただ、受験期が近付いたり、塾の中での順位が下がったりしたときには、やはり厳しい感情に苛まれることも多くありました。
その悔しさなどを素直に勉強に充てることができていたのか疑問は残りますが、この種の事柄は確実にストレス要因となっていたでしょうし、十歳~十二歳の心身には負担であったはずです。
テレビや漫画を観ることができない
年齢がばれてしまいそうですが、私に許された唯一のテレビ視聴は水曜日(?)に放送していたドラゴンボールの30分だけでした。
我が家はそれ以外、(私の知る限りでは)テレビがついていることはありませんでした。
結果、他にどれだけ魅力的な番組が放送されているかをそもそも知らなかったのはある意味では幸福なことだったのでしょう。
あるいは、友だちが話すテレビの話は意識的に耳を塞いでいたようにも思います。
関連してですが、この年代であれば当然に興味関心が向くであろう漫画やらゲームも一切触れることはありませんでした。
家族とコミュニケーションをとる機会が激減した
今でもネガティブな印象が残っているのはこの点です。
父親の休日は日曜日だったのですが、父が家にいたとしても、一緒に遊びに行くことはありませんでした。
勉強に関しては基本的には母親が担当してくれていましたし、その他は完全に塾に頼ることになっているという現状の中、結果として、父親とコミュニケーションをとる機会が激減してしまったので、父には淋しい想いをさせてしまったのではないかと思います。
また、自分が受験を終えて気付いたのですが、受験期は完全に私の家は受験を中心に回っていました。
勉強している本人はそれで良いのですが、三つ下にいた妹は、まだまだ小学低学年~中学年の時期に、家庭内は完全に勉強一色で、雰囲気は決して明るいものではありませんでした。
そのような環境の中に妹を置いてしまったことは、非常に申し訳なく思っています。
体力の低下が他の子よりも目立ってしまう
身体を動かす機会が激減しますので、かなり体力が落ちました。
同級生がどんどん逞しく成長していく中で、私は体育の授業を休みがちになりました。
運動はかなり好きだったのですが、どうしても身体を動かすだけの体力が残されていませんでした。
大変な事も多い!けれど中学受験には価値はある!
中学受験についてかなりネガティブなことばかりを述べて参りましたが、結果として難関校と言われる志望校には合格することができましたし、その結果獲得したものは本当に大きかったと考えています。
総合的に中学受験を振り返ってくださいと言われたら、「中学受験は大変だったけど経験してよかった、親には感謝している」と素直に述べることができます。
中学受験を経て得る未来は、かなり輝かしものでもあります。
ここまでを読んで、「子どもにこんな経験をさせたくない、中学受験なんて断固反対!」と一蹴されることだけはしないで下さいね。
私としても、難関中学というところに通う中で、周りの優秀な友人たちの様子から多くのことを学ぶことができましたし、多くの研鑽を積むことが出来たのではないかと考えています。
有難いことに、その後いくつもの壁が押し寄せてきましたが、それらの壁を不必要に厳しく感じることなくクリアすることができました。
それはハードな中学受験という壁を乗り越えたからにほかならないと感じています。