中学受験が終わると受験勉強から解放され、余裕のある生活が戻ってきます。
一方で、受験が終わったら勉強をやめてもいいのか、子どもが燃え尽きてしまうのではないか、せっかくついた勉強習慣がなくなってしまうのでははないかと、親として気になる点も多いのではないでしょうか。
塾講師の経験から、ここでは合格後に燃え尽きないようにするにはどうすれば良いか、注意点は何か、ポイントをご紹介していきます。
目次
受験後に燃え尽きてしまうことがある?
中学受験が終われば、受験勉強そのものは終了します。
いわば受験勉強から解放されることになり、勉強一筋の生活がガラッと変わります。
一方で、受験勉強をしなくても良い生活になったことで、そこで燃え尽きてしまうお子さんも見られます。
もちろん、受験勉強が終われば、多少の燃え尽きがあるのは無理もないことです。
ただ、燃え尽きの度合いが強いと、子どもが無気力になってしまう場合もあります。
また、あまりに無気力な状態が続けば、中学校生活に対する興味を失ってしまうおそれもあるのです。
このような燃え尽きは避けなくてはなりません。
「受験が終わったらそこで終わり」ではない!
子どもの中で「受験が終わったらそこで終わり」という感情が強まると、受験後に燃え尽き、無気力になるおそれがあります。
このような燃え尽きを防ぐには、親の方から「受験が終わったらそこで終わりではない」という点をしっかり伝えなくてはなりません。
そもそも中学受験というのは、「受験が終わったらそこで終わり」というものではありません。
中学受験の目的は志望校に合格することですが、そもそもなぜ志望校に合格したいのかといえば、「この中学校に入ってこういうことがしたい」「この中学校でこういう勉強がしたい」といった目的があるからです。
その目的を忘れることなく、中学校に入ってからの生活を見据え、必要な準備をしておくことが大切になるのです。
例えば、入学までに中学校の予習をしておくなど、やれることはきちんとやっておかなければなりません。
こうした準備を行い、子どもが無気力になってしまうような状態は避ける必要があります。
受験後に燃え尽きてしまわないように!親が気をつけておくべきポイント
それでは、受験後に燃え尽きないように何をすべきか、どのような点に注意すべきなのか、ポイントをご紹介していきます。
「ひとまず勉強はやめて休みたい」という感情は自然なこと
受験勉強は子どもにとって負担が大きいため、受験勉強から解放されると、多くの子どもは「少しの間は勉強をやめたい」と思うでしょう。
このような感情は無理もないことで、「ひとまず勉強はやめて休みたい」くらいの気持ちであれば問題はありません。
ただし、「もう勉強をしなくてもいい」という感情があまりに強くなると、そこで燃え尽きてしまい、モチベーションそのものが下がるおそれがあります。
そうなると、中学校入学まで無気力のまま過ごす可能性があるほか、入学後の勉強にも支障をきたしてしまいます。
このような事態を防ぐには、「ひとまず勉強はやめて休みたい」という感情は尊重しつつ、「もう勉強をしなくてもいい」という感情までは持たせない、ということが重要です。
受験が終わったら「もう勉強をしなくてもいい」は間違い
中学校に入れば、今後は中学生としての勉強が始まります。
特に私立中学校は公立中学校より進度が早く、最初からハードスケジュールで勉強が始まることも珍しくありません。
このような授業進度に対応するためには、中学校入学までにある程度予習をしておくことが大切です。
つまり、受験が終わったからといって「もう勉強をしなくてもいい」ということにはなりません。
この点は親の方からしっかり伝えておきましょう。
そもそも勉強というのは、勉強習慣を維持してこそ効果が発揮されます。
長期間勉強から離れると、勉強習慣を戻すのはかなり難しいです。
中学受験が終わってから中学校に入学するまで約2ヶ月近くありますが、その2ヶ月で全く勉強しないという状態になれば、中学校に入ってから勉強習慣を取り戻すのは難しくなるわけです。
多少の燃え尽きは無理もないことですが、「もう勉強をしなくてもいい」という感情は持たせないように、ある程度の緊張感は維持しなくてはなりません。
ある程度休ませたら中学校の予習を取り入れる
受験後の燃え尽きを避けるには、まずしっかり休養を取らせたうえで、モチベーションが低下しないように勉強習慣を維持し、「もう勉強をしなくてもいい」という感情を持たせない、という流れが重要になります。
そこで、中学校の予習を取り入れ、勉強習慣を維持するという方法が考えられます。
中学校の予習は、受験が終わった子どもにとって興味を持ちやすい分野です。
受験を乗り切った子どもは、もともと勉強に対する意欲が高いので、中学校の予習を進めることで勉強意欲に再び火がついた、というケースは多いです。
「もう勉強をしなくてもいい」という感情を持たせず、勉強習慣を維持させることができるという点で、中学校の予習は最適な方法と言えるでしょう。
塾によっては、中学受験が終わってから、中学校の予習講座・準備講座が行われることがあります。
このような講座も利用できれば利用し、勉強習慣やモチベーションの維持につなげることも、燃え尽きを防ぐ効果的な方法です。
あくまで休みはしっかり取らせること
このように、中学校の予習は燃え尽きを防ぐ方法として効果的ですが、あくまで受験後に十分な休養を取らせることが大前提となります。
受験後、休みなしで中学校の予習をスタートすることは、子どもにとって負担が大きくなり、好ましくありません。
受験後の休養がきちんと取れていないと、「なんで受験が終わったのにすぐ勉強しなくてはならないのか」という感情が子どもの中で強くなります。
そうなると、「もう勉強はしたくない」という気持ちが強まり、燃え尽きが悪化する場合もあるのです。
中学校の予習も確かに大事ですが、まずは十分な休養を取らせてあげましょう。
そのうえで、モチベーションが低下しないように中学校の予習を取り入れていく、という流れが重要です。
このあたりの調整は難しいですが、簡単に言うと、「受験後に休みなしで勉強を再開するのは好ましくない、中学校入学まで全く勉強をしないのも好ましくない」ということになります。
中学校の部活動や授業などの情報もチェックしてモチベーションを高める
先ほども触れたように、そもそも中学受験というのは「この中学校に入ってこういうことがしたい」「この中学校でこういう勉強がしたい」といった目的があるはずです。
その目的を再確認し、中学校の部活動や授業などの情報をチェックすることも、モチベーションを高めて燃え尽きを防ぐ方法になります。
燃え尽きを防ぐというのは、とにかく「受験が終わったらそこで終わり」という感情をいかに持たせないかにかかっています。
中学校の部活動や授業など、入学後の生活をイメージし、常に先を見据える姿勢を子どもに持たせることが大切です。
受験後はしっかり休んでから勉強習慣を維持することが大切!
今回は、中学受験が終わって燃え尽きてしまわないように、何をすべきか、どのような点に注意するべきか、ポイントをご紹介していきました。
中学受験というのは、合格したらそこで終わり、というものではありません。
受験が終わると確かに受験勉強は終了しますが、しっかり休んだら中学校の予習なども行い、勉強習慣をある程度維持することが大切です。
長期間勉強から離れてしまうと、勉強習慣を取り戻すことが難しくなるほか、「もう勉強をしなくてもいい」という感情が強まると、燃え尽き・無気力になってしまうおそれもあります。
こうした燃え尽きを避けるためにも、「受験が終わったらそこで終わり」という感情を持たせず、中学校の予習など、入学までにやれることをしっかりやっておきましょう。
もちろん、中学受験が終わってすぐに中学校の予習を開始することは好ましくありません。
受験が終わったら、まずは子どもにしっかり休養を取らせ、リラックスさせてあげましょう。
そのうえで、中学校の予習や、中学校の部活動・授業内容のチェックなどを行い、モチベーションを維持させて燃え尽きを防ぐ、という流れが重要になります。
合格後に子どもが燃え尽きてしまわないように、親としてできることを意識し、中学校入学に臨んでみてください。