中学受験。その言葉を聞くと、うちにはお金がないから…。受験勉強をさせるなんてかわいそう。という言葉が出てくると思います。
確かに私立中学は学費がかかりますし、中学受験を希望している御家庭のお子さんの場合、小学校1年生から塾に通わせている御家庭もあります。
しかしこれは珍しいことでもありません。
東京都内の中には公立小学校卒業生の半数近い子ども達が私立中や公立中高一貫校を受験(公立中は受験)させている現実もあるのです。
うちには受験なんて縁のない話ではなく、受験のない公立中学へ進学させたことで、三年後の子ども達の進路にどういうメリットがあるのか、中学受験をしないという選択のメリットをお伝えしていきます。
目次
1.家計にやさしい教育費用
中学受験をしないということは、中学生時代にかかる教育費を抑えられるということが最大のメリットではないでしょうか。
公立中学校の三年間の学費は約145万円。私立中学校の三年間の学費は約370万円といわれています。
高校まで進学すると公立中学校と私立中学校の学費の合計の差は約2倍以上あるということが文部科学省の調査でもわかっています。
公立中学校に進学しても高校受験前の一年間は塾に通う子どもが増え、また私立中学に入学しても授業についていくために塾に通う子どももいます。
塾や通信教材の費用をプラスするとその差はさらに開きます。
2.子どもが好きな習い事を辞めなくてもすむ
小さい頃から打ち込んできた習い事。ようやく開花するのも小学校高学年頃だったりします。
しかし、中学受験をする子ども達は「中学受験をしたいならば、小学校6年生の1学期くらいまでに習い事を辞めるように」と塾側から言われることが多いです。
中学受験をするためには学習時間を確保しないとならないために、どうしても生じてしまうことです。
公立を選択するということは、習い事の時間を確保ができるということでもあります。
3.わずかな通学時間ですむ
私立中学校に通学する子ども達の多くが電車通学です。
満員電車のサラリーマンに混じり、通学している中学生も少なくありません。
公立校の多くが自宅に近い場所にあるため、通学時間は比較的に少ないことが多いです。
4.学習の基礎力を身に着けさせる時間を得られる
小学校の勉強は、高校進学の基礎になる大事な部分。
「脱ゆとり教育」になったことで、この基礎力がしっかりと身についているのと、いないのとで高校受験や大学受験の時に全然違います。
また、学校の授業のスピードもゆっくりのため、公立を選択したということはしっかりと基礎力を身に着けさせる時間を得たということでもあります。
5.公立校は学力の個人差があるため、周りから刺激を受ける
偏差値の基準がある私立校と違い、公立校に進学した子ども達の学力の差はバラバラです。
すごく勉強のできるお子さんもいれば、そうでないお子さんもいます。
このことで、子ども達は周りから刺激を受け、中学で成績が伸びるお子さんもいます。
6.子どもにあった成長ペースに付き合えること
公立校進学で時間が確保されたことで、子どもにあった成長ペースを温かくみまもることができます。
成長のんびり型のお子さんにとって、自分のペースで呑み込み、理解することで、様々な力を身に着けることができます。
7.生活習慣を乱れさせず、公立校で基礎をつける
どうしても私立中学校へ進学するとなると受験勉強をしなくてはなりません。
難しい問題を勉強するには時間もかかります。
睡眠時間を削ることもあります。
このことで早寝・早起きという生活のリズムが乱れてしまうこともあります。
中学受験をしない7つの理由まとめ
大手塾は私立中進学のメリットをあげています。
しかし実際は、特に男の子には私立ではなく、公立でたくましく過ごして来た方が良いと考えている教育関係者や会社の人事採用担当の方も少なくありません。
社会に出てから這い上がる力を公立出身者の方の方が身についているということがその理由です。
もちろん、小学校から受験勉強をして得られることもあると思いますが、公立校を選んだことで時間を確保し、子どもの時にしかできないことをたくさんするというメリットもあります。
公立進学だからただ単にのんびりするのではなく、様々なメリットを最大限に生かし、三年後の高校受験に臨みたいものです。
公立校だから公立校に進学ではなく、本当にその子にとって公立校でよいのか。中学受験は必要ではないのか。
それを保護者が考えることは、子どもの将来の可能性を考える、伸ばすためには大切なことです。