SAPIXのSS特訓とは?SS特訓を受講するメリットと6年生秋からの学習スケジュール

受験勉強をする小学生

中学受験で最難関と言われる中学校の合格実績は、昨今ではSAPIXが群を抜いています。

テキストや授業のレベルの高さ、復習中心の勉強が功を奏していると言われていますが、そんなSAPIXでは、6年生の9月になると「SS特訓」が開催されます。

SS特訓とは、サンデーサピックスの略で、日曜日に開催される授業のことです。時間は9時から18時45分まで、お弁当持参で実施されます。

6年生の9月というと、受験本番まで5か月ほど。つまり折り返し地点です。

お子さんの成績はまだまだ伸びます。過去問をやってみるとわかりますが、この時期では学習の内容は完成していません。

過去問で合格平均点どころか受験者平均点に届かないなんてことはザラにあります。

ここからしっかりと成績を伸ばすためには、普段の授業はもちろんのこと、このSS特訓の内容をしっかり復習することが重要です。

塾側からも口を酸っぱくして言われますが、SS特訓の復習は秋以降の最優先事項。

この特訓で受験準備の勉強が完成されるといっても過言ではない、中学受験に必要な知識の集大成と言われています。

今回はこのSAPIXのSS特訓の内容や心構えについてご紹介します。

SS特訓は「志望校別」「単科」「合格力判定サピックスオープン」からなる

まず、SS特訓の仕組みについてご紹介します。

SS特訓はSAPIX生であれば基本的に必ず受けなければならない授業で、「志望校別講座」「単科講座」「合格力判定サピックスオープン」の三つから構成されます。

「志望校別講座」「単科講座」が日曜に行われる授業で、「合格力判定サピックスオープン」は6年生の9月から12月まで4回に分けて毎月開催される模擬試験です。

志望校別講座について

生徒の志望校アンケートに基づいてクラス分けされます。

御三家をはじめとする超難関校コースから、たとえば「千葉難関」「女子難関」など、御三家に次いだ中堅難関校コースなどに分かれています。

基本は志望校のコースを受講できますが、塾生が多い校舎だと、成績に応じて「難関1」「難関2」のようにクラスが分かれることもあります。

通常授業でも成績別にクラス分けがありますが、志望校別講座、特にコースに学校名を冠しているような難関校の場合は、志望校の問題を研究した上で作成された問題がプラスされます。

コースに学校名がつかない中堅校でも、生徒が受験すると思われる学校で出題されるパターンに近しい問題を演習できます。

校舎やクラスによりますが、問題演習ですので、先生が「全部正解した人は?」などと聞いてくれる場合、自分がそのコースの中でどのくらいの位置にいるのかがわかります。

つまりそれは受験した時の自分の順位にも繋がることになります。

単科講座について

苦手科目を克服のため受講する授業です。生徒は必ず「2つ」単科を取らなければなりません。

「算数の解法力」「算数の思考力」「国語の記述」「理科の知識」「社会の知識」などがあります。

この単科は非常に評判が良く、たとえば筆者の息子は「算数の解法力」がきっかけで、それまでの算数偏差値が受講後は10以上のび安定しました。

定着を図るために授業を受けた数日後に復習するように心がけることで、子供自身が単科のおかげで成績が上がったと明言できるくらい弱点克服に効果的な講座になっています。

中学受験では国語と算数の点数比率が高い学校が多いため、算数と国語を取るお子さんが多いようです。

しかし理科や社会も、自分では気づかなかった「抜けていた知識」に気づくきっかけになりますので、苦手科目にフォーカスして受講するとよいでしょう。

合格力判定サピックスオープンについて

合格力判定サピックスオープンは模擬試験で、志望校別の合格パーセントを出してくれます。

また、成績発表後に学校別の志望者増減からの難度予測、志望校別の偏差値分散表など、細かに分析された冊子ももらえます。

受験直前の模擬試験は、同じく有名塾である日能研や四谷大塚なども実施していますが、それらの中ではSAPIXの模擬試験を受ける人数は残念ながら少なめです。

それゆえに、ほかの塾の模試も受講している塾生もいます。

しかしSAPIXの塾生は難関校を目指すお子さんが多いので、中堅校以上であれば合格パーセントの信頼性は高いと思われます。

なお、参考までに、我が子はサピックスオープンで平均合格率50%だった中学校に合格、60%の学校は不合格、80%だった学校に合格しました。サピックスオープンの結果はしっかり反映されています。

なお、サピックスオープンは一部の私立中学校で試験を受けることが可能です。

志望校がその中にあれば、初めての場所で初めての受験をするよりは、本番の緊張度を下げるためにもぜひ受けておきたいですね。

模試を受ける受験生

6年生の秋以降!SS特訓の復習が最優先

秋以降は、家庭学習でもSS特訓の復習が最優先だと言われます。

教科別にSS特訓の内容について簡単にご紹介します。

理科のSS特訓では、入試に必要な知識を網羅した問題、計算を中心とする応用問題、思考力を見るような問題の、三つに教材が分かれています。

家庭学習ではSS特訓の復習が最も最優先です。勉強の内容を再徹底し、完成させるチャンスです。

同じく社会でも家庭学習の優先順位は一番上で、入試で差がつく問題を集めたテキストになっているそうです。

国語は記述と知識に分かれますが、いずれも間違ったところを中心に優先度を上げて取り組んでくださいと塾側からアドバイスを受けました。

なお、算数だけは平常授業の方が優先順位が高いです。平常授業では、これまでの復習だけでなく、発展的な解法や知識を学習していく内容になっているからです。

もちろんSS特訓の優先順位も低い訳ではありません。授業では知識の吸収を意識して臨み、家庭学習で定着を意識していくことをオススメします。

中学受験期のスランプ

入試まであと少し!秋以降の家庭学習スケジュール

6年生の秋以降は多忙です。

学校と塾の両方に行きながらSS特訓を最優先に平常授業と土曜特訓の家庭学習をしていくには、一週間のスケジュールをきっちりと立てる必要があります。

そろそろ志望校の過去問も解いていかねばなりません。

そこで、SAPIXの6年生後期保護者会でアドバイスを受けた一週間のスケジュールをご紹介します。

一週間の学習例

日曜日 塾あり:SS特訓(授業)

月曜日 塾なし:SS特訓の復習(志望校別と単科の6科目)

火曜日 塾あり:平常授業(算数と理科)

水曜日 塾なし:平常授業の復習(算数と理科)・志望校の過去問(算数と理科)

木曜日 塾あり:平常授業(国語と社会)

金曜日 塾なし:平常授業の復習(国語と社会)・志望校の過去問(国語と社会)

土曜日 塾あり:土曜特訓、SS特訓の確認(苦手教科や算数)・志望校の過去問

これだけ多忙ですので、復習に充てられる時間は今までよりも必然的に少なくなります。

よって、授業でできなかったところや復習の指示が出されたところに注力して行う必要があります。

願書の準備をする親

SS特訓にしっかりと取り組むことが合格への近道!

もちろん、これまでの学習によって培われた基礎的学力は必要です。

秋以降はほかの受験生も本番が近づいて力が入って来る時期になります。その時期にほかの受験生と同じことをしていても成績は伸びません。

だからこそ勉強の集大成であるSS特訓にしっかりと取り組み、自分のものにしていくことが大切になります。