大妻中学校は東京都千代田区にある私立の女子中高一貫校です。
今回は大妻中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色、偏差値や倍率、学費などの受験情報、そして入試の傾向と対策についてご紹介します。
目次
大妻中学校の特色
大妻中学高等学校では「恥を知れ」という校訓のもと、自分を戒め自分を律する心を大切に、礼儀、知性や品性を重視した教育が行われています。
「大妻ビジョン50」を教育ビジョンに、女性として50年社会貢献し、働き、学び、年を重ねるごとに輝いていくことが理想とされ、そのための基盤が6年間で培われます。
「自律と自立の精神」「協働の心」「社会とつながる」「確かな学力」の4つの資質を身につけ、社会人としての基礎を作っていくという、学問に留まらない教育に特徴があります。
学校の沿革
1908年に塾生15名で開塾し、1917年に「私立大妻技芸学校」となりました。1919年には「私立大妻実科高等女学校」を併設しています。
1921年に「大妻技芸学校」へ改称、そして大妻実科高等女学校を「私立大妻高等女学校」としたのち、1943年には「大妻技芸学校」を「大妻高等女学校」に併合しています。
そして1947年に大妻中学校が、1948年に大妻高等学校が設立され、現在に至ります。
施設
主な施設は、各校舎・各教室をはじめ、CALL教室、理科室、音楽室、書道室、美術室、アリーナ、図書室、和室など、充実した施設環境が整っています。
進学先
2022年度(2023年3月卒業の現役生)の合格実績を見ると、国公立大学30名(京都大学1名、千葉大学6名など)のほか、早稲田大学32名、慶應義塾大学14名、上智大学33名など、難関大学を含む豊富な実績が見られます。
また、大妻女子大学の付属校として内部推薦枠もあり、2022年度の大妻女子大学の合格者数は35名となっています。
学校周辺の環境
アクセス
- 市ヶ谷駅(JR出口・ A3番出口)から徒歩10分
- 半蔵門駅(5番出口)から徒歩5分
- 九段下駅(2番出口)から徒歩12分
都心でありながら落ち着いた雰囲気の中に立地しているほか、JR線や地下鉄線など、様々な路線を使って多方面からスムーズに通学できます。
学校生活とカリキュラム
基礎力養成期(中学1年〜2年)、充実期(中学3年〜高校1年)、発展期(高校2年〜3年)と位置付けられ、6年間で基礎から幅広く学習します。
中学校では各科目をバランスよく学習できるほか、「中学研究論文」によって社会で役立つ思考力・判断力・表現力が養われます。
また、高校では習熟度別クラスや各進路に沿った科目の履修、長期休暇中の講習など、大学受験などの進路に向けたカリキュラムが本格化します。
行事と部活動
主な行事には、修学旅行(京都、奈良、九州)、芸術鑑賞会、体育祭、林間学校、文化祭、球技大会、合唱コンクールなどがあります。
また、クラブ・同好会は運動部、文化部、同好会に分かれ、それぞれ各方面での活躍が見られます。
大妻中学校の受験情報
試験日と募集人数
試験日 | 募集人数 |
第1回試験:2024年2月1日 | 約100名 |
第2回試験:2024年2月2日 | 約100名 |
第3回試験:2024年2月3日 | 約40名 |
第4回試験:2024年2月5日 | 約40名 |
試験科目と配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
社会 | 30分 | 60点 |
理科 | 30分 | 60点 |
偏差値
大妻中学校の偏差値(80偏差値)は次の通りです。
- 第1回試験:54
- 第2回試験:55
- 第3回試験:56
- 第4回試験:56
倍率
2023年度の実質倍率は次の通りです。
第1回試験 | 第2回試験 | 第3回試験 | 第4回試験 | |
募集人数 | 100名 | 100名 | 40名 | 40名 |
受験者 | 239名 | 497名 | 257名 | 237名 |
合格者 | 115名 | 247名 | 85名 | 59名 |
受験倍率 | 2.1倍 | 2.0倍 | 3.0倍 | 4.0倍 |
大妻中学校の学費
入学手続きおよび入学後の学費は次のようになっています。
入学金 | 250,000円 |
授業料 | 491,000円 |
教育充実費 | 300,000円 |
その他 | 290,780円 |
これらを合計すると、1,337,780円となります。また、上記のほかに制服等の費用が別途発生します。
大妻中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点です。大問は10問で、大問1が計算・小問集合、大問2以降が応用問題となっています。
大問数は多いですが、小問のない大問もあり、問題数が極端に多いわけではありません。ただし、大問が多い分だけ幅広い分野から出題されるので、いろいろな単元・分野の対策をまんべんなく進める必要があります。
頻出分野としては図形、特殊算、割合などがありますが、他の分野も幅広く学習し、苦手分野はなるべく減らしておきましょう。
難問・奇問は見られず、基本・標準レベルの問題が中心となるので、ケアレスミスは避け、正答できる問題は確実に得点源とすることが重要です。
また、解答は記述形式となり、途中式・考え方を書かなくてはなりません。自分の記述が採点者に伝わるよう、日頃から式・考え方を過不足なくまとめる習慣をつけましょう。
記述形式は慣れが必要ですので、問題演習を通じてしっかりトレーニングする必要があります。
このような問題形式のため、記述に時間がかかってしまうおそれもあります。
試験時間には比較的余裕がありますが、速く正確に進めるに越したことはありません。過去問演習を重ね、時間配分もきちんと意識するようにしましょう。
国語
算数同様、試験時間は50分、配点は100点満点となっています。大問は3問で、小説文・物語文、説明文・論説文、韻文・鑑賞文などから出題されます。
読解問題の文章量は比較的多く、時間的な余裕は少なくなります。それぞれの論理展開や場面・心情の変化など、スピーディーかつ正確に読解しなくてはなりません。
日頃の問題演習を通じ、長めの文章を素早く読解する習慣をつけましょう。
また、詩・短歌・俳句などの韻文が鑑賞文付きで出題されることもあり、こちらも対策が必要です。似た傾向の問題に多く触れ、慣れを作っておきましょう。
設問形式は選択肢問題、書き抜き問題、記述問題など幅広く、ややこしい問題も見られます。
本文を正確に読解したうえで、記述力や選択肢の正誤判断力など、実戦的な力を鍛える必要があります。
問題演習・過去問演習を通じ、時間配分の感覚もつかみながら、各形式の設問をテキパキ進める練習をしておきましょう。
さらに、漢字や知識問題の出題もあるので、こちらもしっかり対策しなくてはなりません。
きちんと得点源になるよう、知識の精度を高めておく必要があります。
社会
試験時間は30分、配点は60点満点となります。大問は3問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されています。
全体的に基本レベルの問題が中心ですが、幅広い単元・分野が出題されるため、基礎知識の精度をしっかり高めておくことが重要です。
ケアレスミスをなくし、正答すべき問題は必ず得点できるよう、実力を養いましょう。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題がありますが、特に適語記入問題が多く見られます。
そのため、漢字の用語はしっかり漢字で覚え、誤字脱字のないように注意しましょう。
また、試験時間は30分で短いため、リード文や資料などの情報を素早く読み取る情報処理能力も求められます。問題演習・過去問演習を重ね、時間を意識しながら速く正確に解く練習が大事です。
理科
社会と同じく、試験時間は30分、配点は60点満点となっています。大問は4問で構成され、4分野から幅広く出題されます。
基本レベルの問題が多いですが、各分野からまんべんなく出題されるため、基本知識をいかに正確におさえるかがカギです。
苦手分野はなるべく減らし、各分野の知識の精度を高め、ケアレスミスはしないようにしましょう。
設問形式としては、選択肢問題、適語記入問題、計算問題、記述問題などがあります。また、実験・観察問題など、思考力が要求される問題もあるので注意しなくてはなりません。
さらに、試験時間が30分のため、時間的な余裕は少ないです。
図やグラフなどの資料を素早く読み取る処理能力、各形式の設問をテキパキ進める力など、実戦的な力も必要になります。
過去問演習から時間配分の感覚をしっかりつかみ、基本知識を活かして速く正確に解き進めることを意識してください。
過去問
大妻中学校合格のために必要なこと
極端な難問はなく標準レベルの問題が多いので、全分野満遍なく基本事項の習得をし、過去問等で傾向に合わせた対策をしっかりとやっておきましょう。
国語においては、長文を素早く読み進める力をつけておくことが大切です。