成蹊中学校は、東京都武蔵野市にある私立の中高一貫校です。
今回は成蹊中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色、受験情報や偏差値、入試の傾向などをご紹介していきます。
目次
成蹊中学校の特色
成蹊学園は一つのキャンパス内に小学校、中学校、高等学校、大学、大学院を設置しています。このうち成蹊中学・高等学校で6年間の中高一貫教育が行われていますが、高校からの募集枠もあります。
成蹊中学・高等学校は「個性の尊重」、「品性の陶冶」、「勤労の実践」という成蹊学園の建学の精神のもと、「グローバルに認知される教養と個性」「協調性のある自立精神と自律的行動」「知的好奇心と科学的探究心」を教育ビジョンに掲げています。
「新たなものを創造する「0to1」の発想を持つ人材の育成」として、学力はもちろん、人間性、品格や教養などを重視した教育が特徴です。
また、中高一貫教育の中で、中学1年と中学2年が「導入期教育」、中学3年と高校1年が「充実期教育」、高校2年と高校3年が「発展期(進路期)教育」と位置づけられ、生活習慣・学習習慣の確立、幅広い分野での基礎学力の充実、そして進路別の指導体制に至るまで、中高一貫ならではの3ステップによる教育指導が充実しています。
学校の沿革
1906年に学生塾が開塾、翌年に成蹊園と命名され、1914年には成蹊中学校が開校されました。
1947年に新制の成蹊中学校が、1948年には新制の成蹊高等学校が開校され、現在に至ります。
進学先・合格実績
近年では卒業生の約30%が内部推薦で成蹊大学に進学し、約70%が外部大学への進学を希望しており、他大学への進路指導体制も充実しています。
2023年の大学入試合格状況を見ると、東京大学3名、早稲田大学21名、慶應義塾大学26名、上智大学26名など、難関大学の合格実績も豊富です。
施設
主な施設は、中学ホームルーム棟、高校ホームルーム棟、中高中央館、理科館、造形館、特別教室棟、中高グラウンド、中高テニスコート、中高第1体育館、中高第2体育館、野球場などがあり、多方面で充実した施設環境が見られます。
学校周辺の環境
成蹊中学・高等学校は、吉祥寺駅(JR線、京王井の頭線)、三鷹駅(JR線)、西武柳沢駅(西武新宿線)の3つの駅からバスでアクセスが可能です。
また、武蔵関駅(西武新宿線)からは徒歩20分でアクセスできます。
いずれの駅も都心からのアクセスに優れ、多方面からスムーズに通学できます。
バスで通学する場合は、「成蹊学園前」と「緑町住宅」の2つの停留所を利用します。
吉祥寺駅と西武柳沢駅からバスでアクセスする場合、成蹊学園前(吉祥寺駅から約5分、西武柳沢駅から約15分)で下車、徒歩約8分となります。
また、三鷹駅からバスでアクセスする場合は緑町住宅(三鷹駅から約8分)で下車、徒歩約10分となります。
成蹊中学校の受験情報
試験日
- 第1回:2024年2月1日(木)
- 第2回:2024年2月4日(日)
募集人数
- 第1回:男子約45名、女子約45名
- 第2回:男子約20名、女子約20名
試験科目
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
社会 | 30分 | 50点 |
理科 | 30分 | 50点 |
成蹊中学校の偏差値と倍率
偏差値
男子 | 女子 | |
第1回 | 51 | 56 |
第2回 | 53 | 59 |
男女ともに第2回の方が偏差値が高くなっています。また、第1回と第2回のいずれも、男子より女子の方が偏差値が高くなります。
倍率
2022年の入試結果(一般入試)を見ると、倍率は以下のようになります。
男子 | 女子 | |
第1回 | 2.1倍 | 2.8倍 |
第2回 | 5.6倍 | 3.6倍 |
成蹊中学校の入学後の学費
2022年度の成蹊中学校の学費は以下のようになります。
入学金 | 300,000円 |
授業料 | 668,000円 |
施設費 | 200,000円 |
初年度の学費 | 1,168,000円 |
上記のほか、こみち会(中学生徒会)入会金1,200円、こみち会費2,500円、PTA会費年額7200円といった費用が発生します。
成蹊中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となります。大問は6問で、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降が応用問題となっています。
全体として、手間のかかる問題が多い傾向があります。
計算問題では小数や分数が多く含まれ、応用問題でも複雑な計算を要する問題が目立ちます。試験時間は50分ですが、問題内容を考えると決して時間的余裕があるわけではありません。
複雑な計算を速く正確にこなす力が求められるので、日頃の問題演習でトレーニングを重ね、とにかくテキパキ解き進める習慣をつけましょう。
また、過去問演習を徹底し、時間配分の感覚もしっかりつける必要があります。
頻出範囲としては図形、速さ、割合などがあり、点の移動や図形の移動など、やはり解答に時間がかかる問題が目立ちます。
過去問演習はもちろん、似た傾向の問題を徹底して解き、まずは慣れを作りましょう。複雑な問題を前にしてもひるまず、落ち着いてコツコツ計算を進める習慣が大事です。
複雑な問題とはいえ、冷静に解き進めれば十分に解答可能なものも多いので、とにかく丁寧かつスピーディーに進めることを意識してください。
国語
算数同様、試験時間は50分、配点は100点満点となっています。
大問は3問で、説明文・論説文もしくは随筆文が1題、小説文・物語文が1題、漢字が1題という出題構成です。
読解問題の設問形式は選択肢問題、書き抜き、記述問題などがあり、特に記述が多く出題されます。本文を正確に読解する練習はもちろんですが、記述対策も早い段階から始め、自分の言葉で表現する習慣をつける必要があります。
また、記述問題の割合が多いと、どうしても時間的な余裕が少なくなります。
本文の論理展開や心情・場面の変化などを素早く捉え、スピーディーに読解したうえで、記述を含む各設問に対応しなければなりません。
日頃の問題演習はもちろん、過去問演習で時間配分の感覚をつかむなど、実戦的な力を鍛えましょう。
また、漢字の書き取りなども出題されるので、ケアレスミスは絶対に避け、しっかり得点源にすることが大切です。
社会
試験時間は30分、配点は50点満点です。大問は2問で、地理・歴史・公民(時事問題含む)の各分野から出題されます。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題などがあり、特に記述の割合が比較的多いです。
早い段階から記述対策を進め、用語は正確に覚え、誤字脱字等のケアレスミスは絶対に避けるようにしましょう。
また、問題数はそこまで多くありませんが、記述問題をはじめとして一問ごとに時間がかかる傾向があります。
試験時間も30分で短いため、過去問演習で時間配分の感覚をしっかり養い、日頃の問題演習でも常に時間を意識する習慣をつけましょう。
そのほか、大問1のリード文が比較的長く、様々な資料も登場するので、与えられた情報を素早く読み取る情報処理能力が必要です。
普段から似た傾向の問題に多く触れ、様々な情報を読み取るトレーニングを重ね、実戦力を鍛えることが大切です。
理科
社会と同じく、試験時間は30分、配点は50点満点となります。大問は4問で構成され、4分野から幅広く出題されています。
設問形式としては、選択肢問題、適語記入問題、計算問題のほか、記述問題の出題も見られます。
記述問題はそこまで長くありませんが、日頃の問題演習でもしっかり対策を行い、自分の言葉で表現する練習を重ねましょう。
また、試験時間が30分で短いため、記述問題も含め、各形式の設問をスピーディーかつ正確に解き進める練習が大切です。手間のかかる設問も見られるので、常に時間配分に注意して解き進めなくてはなりません。
また、大問によってはリード文が長いほか、資料も多く登場します。
これらの情報を素早く読み取る力も必要ですので、普段から資料等が多く登場する問題に触れ、慣れを作っておきましょう。
こうした情報処理能力は、単なる知識の暗記では身につかないので、様々な問題に触れて徐々に実力を伸ばす必要があります。
過去問
受験生平均点と合格点
受験生平均点(300点満点)
2023年度の入試結果を見ると、受験生平均点と合格最低点は以下のようになります。(国語・算数:各100点、社会・理科:各50点)
第1回受験生平均点
国語 | 60.8点 |
算数 | 66.8点 |
社会 | 37.4点 |
理科 | 31.4点 |
第2回受験生平均点
国語 | 63.9点 |
算数 | 60.2点 |
社会 | 31.3点 |
理科 | 30.4点 |
いずれも国語、算数の平均点が高く、特に第1回国語、第2回算数は7割に近い点数となりました。
合格最低点(300点満点)
合受験生平均点と比較すると、特に算数で差が広がる傾向があります。
第1回
男子 | 199点 |
女子 | 217点 |
第2回
男子 | 211点 |
女子 | 209点 |
いずれも7割に近い合格点となり、特に第1回の女子は7割を超える合格ラインとなっています。
成蹊中学校合格のために必要なこと
成蹊中学校の試験問題は、4科目とも傾向が比較的わかりやすいです。
過去問演習を徹底するほか、似た傾向の問題の演習も繰り返し、各科目の傾向に沿って実力を磨くことが大切です。
特に算数や国語では手間のかかる問題も目立つので、まずこうした傾向に慣れておく必要があります。
また、社会と理科はリード文や資料などに含まれる情報量も多いので、情報処理能力も含め、実戦的な力を鍛えなくてはなりません。
さらに、4科目とも時間配分には特に注意が必要です。
手間のかかる問題に時間をかけすぎて基本問題を落としてしまう、といった事態は避けなくてはなりません。
とにかくスピーディーかつ正確に解くことを意識し、日頃からトレーニングを重ねる必要があります。
このような点を踏まえ、常日頃から本番を意識した対策を進めていきましょう。