小学校の給食は、年間約200回以上あり、まさに1年間の3分の2は、学校給食で昼食を食べていることになります。
お子さんの学校給食の献立表をご覧になったことはありますか?
我が家では、学校給食のメニューに比較的多く登場する「カレー」と我が家の「カレー」がかぶらないようにチェックが欠かせません(笑)
現代では、食物アレルギーを持っているお子さんも多く、どの自治体の学校給食でもメニュー表には、使われている食材を詳細に記載するようにしています。
一食分のエネルギーやたんぱく質量を記載しているところもあります。
このように栄養バランスをしっかり考えた学校給食ですが、お子さんは残さず食べられていますか?
今回は、学校の給食を食べることから学んでほしいことをお伝えします。
自分で食べるということ
小学校に入学して、「うちの子はちゃんと給食を食べられるかしら?」と皆さん不安に思われると思います。
そしてその不安の通り、「ちゃんと」は食べられていない子どもがほとんどです。
まず、おはしの使い方がきちんとできている子どもが少ないので驚きます。
自宅では、おはしよりもスプーンやフォークで食べることが多いせいか、フォークのようにおはしで食材を刺すようにして食べる子どももいます。
また、ミカンなどの果物は皮つきで配られるのですが、この皮を剥くことができない子どもが実に多いのです。
もちろん学校でも皮の剥き方ぐらいは教えてくれますが、クラス中のみんなの皮を剥いていたら給食の時間が終わってしまった、という先生の笑い話を聞いたことがあります。
小学校に入学する前に、おはしの正しい使い方を教え、ナイフを使わなくてもよい果物の皮ぐらいは剥く練習をしておきましょう。
友達と食べるということ
最近では、机を合わせてグループで給食を食べることを禁止し、授業のように皆前を見ながら食べさせるという、摩訶不思議な方針の学校があります。
食事中にお話をしないように、時間内に食べる訓練のためということですが、これではさみしいかぎりですね。
学校給食から学べることのもうひとつは、先生と友達と一緒に食べる食事がおいしいことです。
家では、朝は皆出かける時間が異なっており、夜も同じく、週末以外は家族全員が揃って食卓を囲む時間をとれないことも多いのではないでしょうか?
そういった現代の中で、学校給食は皆で食事をするいい機会になると思います。
皆で食事をすることは、ただ単に楽しいだけではありません。
苦手な食べ物もお友達が食べられるのを見て「食べてみよう」と思えるというメリットがあります。
そういうわが子も、家では絶対に食べないピーマンも学校給食では食べていたので、その効果は絶大です。
学校ではわがままが通用しないと思っているのでしょうか。
食材に感謝して食べられるようになる
学校給食では、給食当番さんが給食室にクラス分の給食を取りに行きます。
その際にほとんどすべての学校の子どもたちは、「いただきます」、「ごちそうさまでした」とおいしい給食を作ってくれた調理員さんに、感謝の気持ちを伝えているのではないでしょうか。
栄養士の先生は授業の一部で、学校給食に使われている食材について、産地や栽培の仕方、栄養素を教えてくれます。
その食材を作ってくれた農家の人、または食材そのものに対して感謝をして、残さず食べるということを学ぶのです。
また、多くの自治体の学校では「地産地消」を目標に、住んでいる土地の特産物などを子どもたちに教えてくれています。
自分の住んでいる土地をもっとよく知って親しんでほしいという願いもあります。
※地産地消とは、地域精算・地域消費の略で、読んで字のごとく地元で生産されたものを地元で消費するという意味です。消費者の安全・安心志向の高まりと地元生産者を結びつけることができるものです。旬な食材を新鮮なうちに消費できる、地域の伝統的食文化を継承できる、地域経済の活性化や地域への愛着につなげることができるなどの期待ができます。
まとめ
学校給食の始まりとされているのは、明治22年山形県鶴岡町の小学校です。
当時、貧困状態にあった児童に対し無料で配給したことから学校給食が生まれました。
そこから数十年をかけて全国へ広がり、多くの制度改正を経て、平成元年「学校給食100周年記念大会」が開催されました。
そして現在、学校給食の起源から約130年が経とうとしています。
私たち親も大変お世話になった学校給食、長い間子どもたちの食育を担ってきてくれたことに対して、もっと感謝しないといけませんね。
そのためには、子どもたちが学校給食を残さず食べられるように、おうちでも食の大切さをしっかり教えていきましょう。