中学生のうちに読んでおきたい文学作品!大学入試を見据えて手にとってみませんか?

読書をする中学生

中学生のお子さんは読書をしていますか?部活や塾が忙しく本を手にする時間が減ってしまっていませんか?

読書習慣がついている子もそうでない子も、是非文学作品は中学生のうちに読ませておきましょう。

文学作品は、ラノベなどエンターテイメントに特化した作品と比べると、つまらないと思われるかもしれません。

それでも、大人になる前の教養として、大学受験のために語彙力や読解能力を伸ばすため、社会人になる前に共感できる心を育てるため、大学受験勉強が本格化する高校生になる前に、名作と呼ばれる小説はお子さんに読ませておくことをおすすめします。

大人でも「難しそう」、「最後まで読めないかも」と心配になる気持ちもわかります。

でも、心配はいりません。文学作品でも難度に差があるため、慣れていないのなら、易しい本から読んでいきましょう。

ここでは、中学生のうちに読んでおきたい文学作品について、初心者・中級者・上級者ごとにレベル分けをしてご紹介していきます。

なぜ中学生のうちに文学作品を読んだほうがいいの?

夏休みシーズンになると、大手出版社は「夏の100選」と称して、よくフェアを開催しています。

その中で必ずと言っていいほど取り上げられるのが、明治から昭和初期にかけて書かれた文学作品です。

では、なぜわざわざ難解な昔の本を読まなきゃいけないの?と不思議に思われるかもしれません。

今の小説の方が読みやすいし、ミステリーやSF小説のほか、ラノベも豊富で、そっちの方が面白いのに。そんな風に思われる人もいるかもしれません。

なぜ文学作品を読んでおいた方がよいのか、理由は2つあります。

現在の日本小説の原点になっている

歴史を学ぶとき、人類の進化や旧石器時代から学ぶのと同じです。

今のように気軽に「小説」を書くことができなかった明治時代に、文豪たちが葛藤や日常や哲学や恋愛の物語を描いています。

これらは普遍的なもので、物語の時代背景は違っても人間の感情は変わっていません。

だからこそ、明治時代の彼らの葛藤に共感することもできるはずです。

当時はラノベのようにくだけた小説はありませんでしたが、現代の小説が細分化し、発達していったのも彼らが分厚い下地を創り上げたからです。

また、ある程度現代の言語に近い文学作品だと明治以降となります。

難解な小説にも慣れておくため

受験勉強において、数学でも英語でも、簡単な問題だけ解いては力がつきません。

国語も同じです。難解な文章を読んでおいて、それに慣れておくことが、本番での力の発揮に繋がります。

過去、センター試験でも夏目漱石や島崎藤村、太宰治、三島由紀夫、川端康成などの作品が出題されています。

大学共通テストの国語の出題傾向は大学入試センター試験と同じですので、これからも出題される可能性は高いでしょう。

ただし、小説を読むことに慣れていないお子さんが、いきなり難解な本を読むのは無謀です。

読書に慣れてないお子さんは、まず「好きなもの」から読むことをオススメします。

ラノベでもよいですし、漫画やアニメを小説化したものでも構いません。

幼い頃から本を読むことを習慣づけてきたけれど、文学作品はまだ読んだことがないというお子さんには、初級レベルの易しい作品からでよいので、ぜひ中学生になったらチャレンジしてみましょう。

小学生から文学作品を読んできたお子さんには、中級レベルの難しめの文学作品を読み進めることをおすすめします。

中学生の勉強時間

中学生で読むのにオススメな文学作品!国内作品と海外作品

初心者の場合は、難解な語句が少なく読みやすい作品や、ハッピーエンドの作品、短編がオススメです。

「明治文豪作品を読んだ!」という達成感が得られて、次も読みたい気持ちになれるようにです。

ただし、初心者のうちから難解な本にチャレンジするのはやめておきましょう。

初心者向けの国内作品

作者タイトル
夏目漱石「坊ちゃん」「吾輩は猫である」
太宰治「走れメロス」
宮沢賢治「注文の多い料理店」「風の又三郎」
森鴎外「高瀬舟」「山椒大夫」
芥川龍之介「蜘蛛の糸」「羅生門」「鼻」「杜子春」

初心者向けの海外作品

ヘミングウェイ「老人と海」

中級者向け!国内作品

次に、中級者向けです。

読みやすいけれどアンハッピーエンドの作品、少し大人の恋の物語や、時代背景の知識があった方が面白い作品、解釈が難しい作品などを集めました。

作者タイトル
夏目漱石「こころ」「三四郎」「それから」「門」
太宰治「斜陽」「人間失格」
芥川龍之介「地獄変」「歯車」
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」「春と修羅」
小林多喜二「蟹工船」
武者小路実篤「友情」「初恋」

中級者向けの海外作品

ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」
シェイクスピア「ロミオとジュリエット」

上級者向けの国内作品

最後に、上級者向けです。語句が難しめの作品や、読みづらい翻訳作品を集めました。

川端康成の作品は、展開がわかりやすいものの文章が難解と感じるのでここに入れてありますが、何しろノーベル文学賞作家。一度は読んでおきたいですね。

同じくノーベル文学賞作家の大江健三郎作品も上級者向けだと感じます。

作者タイトル
三島由紀夫「金閣寺」「潮騒」
志賀直哉「暗夜行路」
川端康成「雪国」「伊豆の踊子」
森鴎外「舞姫」
中島敦「李陵」「山月記」
大江健三郎「万延元年のフットボール」

上級者向けの海外作品

最後に、上級者向けです。語句が難しめの作品や、読みづらい翻訳作品を集めました。

川端康成の作品は、展開がわかりやすいものの文章が難解と感じるのでここに入れてありますが、何しろノーベル文学賞作家。一度は読んでおきたいですね。

同じくノーベル文学賞作家の大江健三郎作品も上級者向けだと感じます。

カフカ「変身」
ゲーテ「若きウェルテルの悩み」
ドストエフスキー「罪と罰」
カミュ「異邦人」
シェイクスピア「ハムレット」「オセロ」「マクベス」

特に中・上級者向けの小説は、陰鬱な作品が多いです。

こういった作品ばかり読んでいると、気落ちしてしまうかもしれないので、ラノベでも漫画でもよいので、好きな本もしっかり読みましょう!

そして、元気なときに文豪作品も手に取って、無理せず読み進めていくことをおすすめします。

※初級(初心者)、中級、上級の区分は、筆者が感じた難易度になります。もちろん難易度の感じ方は人によって異なりますので、ここでは個人の一意見としてご紹介しております。

勉強せずにスマホをする子供

大学入試に向けて文学作品を手にとってみよう!

明治から昭和初期にかけての文学作品は、現代の日本小説の原点になっており、大学入試共通テストでもたまに出題されています。

難解な小説を読んだ経験がないと、なかなか本番で読み解くのが難しいです。

そして、難しいからこそ慣れが必要です。

ぜひ中学生のうちに読んでおくようにしましょう。