読書の秋とも言われるこの過ごしやすい季節、親子でシリーズものの読書に挑戦してみませんか?
もし漢字が年齢相応に読めて読書スピードも特別遅いわけでもないのに、お子さんが読書嫌いだという場合、それは登場人物の心情を追う作業が苦手、またはそもそも心情の変化を追う作業に興味が持てないのかもしれません。
そんな子にはまずダイナミックな展開をみせる物語で、読書のおもしろさを体験させてみてはどうでしょう。
今回は大人もハマる、本当に楽しいシリーズものの児童文学をご紹介します。
目次
「ヒックとドラゴン」シリーズ/映画も大ヒットした少年バイキングの冒険物語
作者はイギリスの児童文学作家のクレシッダ・コーウェル。
バイキングの英雄、ヒック・ホレンダス・ハドック三世が少年期を回想して手記を執筆していくという設定で物語ははじまります。
やせっぽっちで剣術も苦手、まったくヒーローらしくないヒックが、運命的に出会ったドラゴン・トゥースレスといっしょに数々の冒険に挑みながら、世界を救おうと奮闘する物語です。
映画化もされていて、2014年には「ヒックとドラゴン2」が世界でもっともヒットしたアニメーション作品になりました。2019年12月20日には「ヒックとドラゴン3」が公開されます。
原作とはまったく異なるストーリーですが、主人公ヒックとドラゴンの友情はもちろん、飛行シーンや戦闘シーンが美しいCGでリアルに描かれていて、原作との違いが楽しめる作品です。
「マジックツリーハウス」シリーズ/楽しみながら歴史に親しめるヒストリカルフィクション
「マジックツリーハウス」シリーズは2016年現在、日本では第40巻「カリブの巨大ザメ」まで刊行されています。
全世界で1億冊以上読まれている人気の児童文学で、日本での累計発行部数も530万部を越えています。ツリーハウスとは木の上の小屋のこと。
ジャックとアニーの兄妹が魔法のツリーハウスからあらゆる時代にタイムスリップして、いろいろな国のいろいろな時代のできごとを体験していくお話です。
「タイタニック号の悲劇」「江戸の大火と伝説の龍」「ポンペイ最後の日」など、どのお話もまるで歴史の場面に自分が立ち会っているような臨場感を味わえます。
「マジックツリーハウス」で取り上げられている史実についてもっと詳しく知りたくなったときは、「マジックツリーハウス 探険ガイド」がおすすめです。
「マジックツリーハウス」はヒストリカルフィクション(史実をもとにしたフィクション)ですが、探険ガイドは歴史的、科学的な事実に基づいて、子どもたちの「なぜ?」に応えてくれるガイドブックです。
「ダレン・シャン」シリーズ/「ハリーポッター」に負けないおもしろさのファンタジーミステリー
「ダレン・シャン」はイギリス生まれののファンタジーで、「ハリーポッター」と双璧をなす作品として高く評価されています。
物語は好奇心旺盛でクモとサッカーが大好きな普通の少年ダレン・シャンが、友だちと不思議なサーカスを観に行くところからはじまります。
ハラハラ、ドキドキする危険で不気味なシーンも多いですが、主人公の勇気あるやさしい心がどんな困難も乗り越えていく姿に、読みだしたら止まらなくなる作品です。
ヴァンパイア、血、毒蜘蛛マダムや殺人鬼など、ホラーの要素も含まれているので、特にティーンエイジにおすすめです。
「ハリーポッター」シリーズ/ファンタジーの王道
知らない人はいない王道ファンタジー、おそらく世界一有名な児童文学作品といえるでしょう。
「もう映画で全シリーズ観ちゃったもん」というお子さんも多いかと思います。
しかし映像作品と本ではその情報量が圧倒的に違います。
ハリーポッターの映画を観ている子どもたちにも、原作を読めば必ず新しい発見があるはずです。
たくさんの文学作品が映像化されていますが、子どもたちには、原作を読むことでこそ味わえる楽しさをぜひ体験してみてほしいなと思います。
またハリーポッターは、巻が進むにつれて文学的な表現手法もどんどん洗練されていきます。
物語の続きが気になって読み進めていくうちに、児童文学の枠には納まらない作品が自然に読めてしまう、これもハリーポッターシリーズの魅力の1つではないでしょうか。
「ドリトル先生」シリーズ/はじめてのシリーズものにおすすめ、読み聞かせなら就学前でも楽しめます。
「ドリトル先生」シリーズは1920年に「ドリトル先生 アフリカゆき」がアメリカで刊行されて以来、世界中で長く愛読されている作品です。
沼のほとりのバドルビーに住んでいるドリトル先生は、180歳を超えるオウム(ポリネシア)から教わって動物語が話せる獣医師です。
そんなドリトル先生に、ある日アフリカのサルからひどい疫病が流行しているから救ってほしいと依頼がきます。
先生は、アヒルのダブダブ、犬のジョン、ブタのガブガブたちを連れてアフリカへの冒険旅行に出発します。
ドリトル先生と動物たちのユーモアあふれるやり取りに、人と動物が心を通わす楽しさを味わうことができる作品です。
ちなみに、動物と意思疎通がとれる人や、優秀な獣医師を評して「ドリトル先生」と評することがありますが、これはこの作品の主人公に由来してのことです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
シリーズものを読破できれば大きな自信にもつながりますし、大人になっても忘れない素適な思い出にもなります。
ぜひ、シリーズものの読書に挑戦してみてください。