中学受験で模試を受ける意味!知るべき事は合格率だけじゃない

模擬試験の効果的な使い方中学受験に臨む6年生にとって、模擬試験は志望校の合格率を知る重要なイベントです。

特に秋以降は月に1回以上のハイペースで受ける人も多いようです。

模擬試験を受けるとき、一番気になるのは志望校の合格率です。

80%の安全圏内に入れば落ち着きますが、20%の判定が出てしまうと本番まで時間があってもやはり落ち込み焦ってしまいます。

しかし合格率の判定は、模擬試験を受けるメリットのほんの一部にすぎません。

模擬試験を受けるメリットについて知り、合格に向けたスケジュールを考えましょう。

中学受験の公開模擬試験はどんなものがある?

大手進学塾に通っている場合は、その塾で開催される模擬試験を随時受けることになります。

個人塾や家庭教師などの場合は、大手塾などの公開模試に申し込みます。

首都圏で受験者が多いのは以下の3つの模擬試験で、三大模試とも言われています。

中学受験の三大模試

  • 日能研「全国公開模試」
  • 四谷大塚「合不合判定テスト」
  • 首都圏模試センター「統一合判」

どの模擬試験も夏以降は1月まで毎月実施していて、受験料は5000円~6000円程度です。

日能研と四谷大塚の模擬試験は塾主催のためか、首都圏入試センターのものと比べると厳しめに偏差値の判定が出るようです。

そのため日能研と四谷大塚の模擬試験は上位向け、首都圏模試センターは中・下位向けとの認識が広まっています。

SAPIXや早稲田アカデミーなど他の塾でも公開模試は実施されています。

特に上位校を志望校に設定している場合は、学校の傾向に合わせた問題を解いておくことは大切です。

その場合、複数の主催団体の模試を受けることも少なくありません。複数の模試を受ける場合は日程の調整が必要になります。

模試を受ける受験生

中学受験で模試を受ける4つの意味

模擬試験を受ける意味は大きく分けると4つです。

1.志望校に対する自分の位置を知る

志望校への合格率が出ることで、自分の位置を知ることができます。受験校を選ぶ参考にしましょう。

ただし、安全圏の判定出たからといって必ず合格できるわけではありません。安全圏だったのに落ちたという話は珍しくありません。

裏を返せば20%の判定でも諦める必要はないということです。

試験は受けてみなければ分かりません。判定を鵜吞みにせず、参考程度に考えることを忘れないでください。

2.志望校合格へのビジョンを明確にする

志望校の傾向に合わせた問題を解き、その結果を見ることで、合格へのイメージをつかみます。

判定が低く出た場合は、その悔しさを本番で味わわないようにしようという気持ちにつながります。判定が高く出た場合は自信につながります。

どちらにしても受験を意識するのに役立ちます。

3.試験慣れする

点数を貼り出したり順位を発表したりする小学校は少ないので、小学生はシビアに点数を争う受験の空気にはなかなか慣れないものです。

試験時間に対しても甘さがあり、時間内にすべての問題に触れることができなかったという状況さえあります。

試験という特殊な場に慣れておくことは、小学生にとっては特に重要な意味を持つと言えますね。

模擬試験によっては中学校で受けさせてもらえるところもあります。

普段行かない場所へテストを受けに行くというのも良い経験です。

持ち物や交通経路、試験前や休憩時間の使い方などを体験する絶好のチャンスなので、積極的に知らない場所で受けましょう。

志望校で受けることができればラッキーですね。

4.弱点を炙り出して効率の良い学習につなげる

学校の傾向に合わせた模擬試験で何よりの宝となるのが、合格率以外のデータです。

多くの試験が4科目各分野の点数をそれぞれ平均点と比較してくれます。

弱点が浮き彫りとなり、受験までにすべきことが明確になります。

例えば理科の中でも生物(植物・動物など)は分かっているが物理(ばね・光など)は分かっていないなど、科目以上に詳細な理解度が分かります。

問題ごとの正答率も分かる場合は、具体的に何点とりこぼしたのかが分かります。

90%以上が正解している問題は絶対に落としてはいけません。

「忘れてた」「ミスした」ではなく、原因と対策をしっかり考えておきます。正答率が20%を切る問題はあまり気にせず、後回しにして良いでしょう。

模擬試験は受験に活かすための分析を

普段のテストでは点数が取れているのに志望校別のテストでは点数が取れなかった、という場合は過去問を進めたほうが良さそうです。

学校ごとの傾向は上位行では特に個性があると言えます。

渋谷教育学園幕張中学校では、算数の図形対策が必須です。麻布中学校の国語はほぼすべてが記述問題です。こういった特徴的な傾向を押さえないことには合格できないのです。

とにかく時間が足りないという場合は、普段からタイマーを使って時間を意識した勉強が必要です。

自分のスピードに合わせて問題を解くのではなく、決められた時間に合わせて問題を解かなければならないことを体で覚えます。

受験は体力的にも精神的にも辛いと感じる場面が多々あります。

模擬試験を有効に使い、少しでも効率的に受験勉強を進めてみてください。