私立か国公立か?目標によって異なる中学受験の勉強方法

目標によって異なる中学受験の勉強方法一般的に「受験勉強」と聞くと、とにかく勉強するイメージがあります。

志望校にもよりますが、大学受験なら遅くても4月から、高校受験なら6月から、では中学受験ならどうでしょうか。

「地元の中学は行きたくないから、みんなと違う学校に行こうかな」なんて気軽に決められるものではないのはご存知かと思います。

小学生の中学受験勉強は、小学3年生の冬から始まります。

早い人では子どもが小学生になる前から意識している人もいます。

この受験勉強が遅くなればなるほど合格率は低くなり、また挑戦できそうな学校も減っていくと考えた方が良いでしょう。

ここでは、私立中学・国公立中高一貫校のそれぞれの勉強法についてお伝えしていきます。

中学受験の勉強内容は私立か国公立かによって異なる

私立か国公立かによって勉強すべき内容が変わります。

まず「学校の授業をよく聞いて、まじめに宿題もして、多少自分で勉強すればいいのでは?」という考えは捨てましょう。

小学校の勉強はできて当たり前

まず、学校のテストで90点は当たり前だと考えましょう。

この点数は受験勉強をしないお子様も同じです。

「70点は大丈夫」「80点とれてるからうちの子は賢い」そうでしょうか?

逆に点数に繋がらなかった30点分、20点分の問題は「わからなかった問題」なのです。

小学生のテストというのは、中学、高校、大学へと進んでいくための、全ての基礎が詰まった問題です。

その基礎がわからず先に進むということは、中学・高校へ進んだ際にその点数分、困ることが出てくるということなのです。

受験をするにあたり、学校のテストでほぼ満点をとることは大前提として、どのような勉強をしなければならないのでしょうか。

国公立の中学受験の場合

まず、国公立の中学受験の場合、学校にもよりますが、国語・算数・理科・社会の四教科、作文、面接等が主になります。

それも、全ての教科の融合問題と思って下さい。

算数と理科が一緒になった問題を答える際に、答えを作文のように説明形式にしなければなりません。

説明形式ということは、「答えは5」というように一言で終わらず、人それぞれの考え方が答えになっている、ということになります。

そのため採点に時間がかかり、合格発表は試験日の1週間後、と期間が空いていることが多いのです。

私立の中学受験の場合

次に私立の中学受験の場合、教科は算数・国語・理科になります。

算数は、学校では学習することのない『特殊算』が主となります。

特殊算とは、「年齢算」「鶴亀算」「植木算」「通過算」「仕事算」「旅人算」などといった、考え方を問われる算数です。

こちらは練習していなければ大人でも解くことが難しい問題で、かといって学校では扱っていない問題となります。

国公立と違い答えが決まっているので、合格発表は2~3日後と国公立校よりも早めになっています。

国公立校は作文力、私立校は算数の特殊算が合格の決め手となるでしょう。

中学受験をする姉妹

国公立か私立か?それぞれの勉強の方法

国公立と私立、それぞれの勉強の方法まずは、小学4年生までに志望校を国公立校か私立校かだけでも決めておきましょう。

学校ごとの細かな受験対策は小学6年生からでも大丈夫かと思います。

志望校が国公立中学の場合

志望校を決めたときから、どのようなことにも自分で説明するよう練習していきましょう。

テレビのニュースを見てどのように感じたか、どのニュースに関心をもったか、お母さんと会話しながらでも構いません。

日記のように文章を連ねても良いでしょう。初めは1文、2文程度かもしれません。それを徐々に伸ばしていくようにしましょう。

小学5年生以上になったら新聞を読む癖をつけていくことが大切です。

読めない漢字はその都度聞いて覚え、どのように文章を構成するのか学ぶことができます。また論理的に説明する能力も身についていきます。

例えば、理科と社会の融合問題で、『何故、Aの地域はこの作物が最も採れるのか。「気候」「栽培方法」という言葉を交えて、50字以上で説明しなさい』と出題された場合、日頃の新聞やニュース等からヒントを得られる場合もあります。

志望校が私立中学の場合

算数は小学5年生の冬までに、6年間分を終わらせておく必要があります。

何故なら私立校の問題は特殊算が主で、小学校では学習しないからです。

また特殊算は、6年生で学習する速さ・道のり・距離の問題も入っているため、あらかじめこれらの基礎の学習をしていなければ一層難しくなります。

ですので、理想は5年生冬までに6年生までの学習を塾・家庭教師などを利用して早めに終わらせ、6年生の1年間は特殊算の学習と各学校の過去問を解く期間とするのが良いでしょう。

理科に関しても算数と同様に大まかで良いので5年生までに全ての学習を終わらせ、6年生の1年間で志望校に合わせて、「過去5年間で何が一番よく出題されているか」を調べた上で学習すると良いでしょう。

読書をする小学生

子どもの中学受験の適正を家庭内で判断しましょう

ここまでをご覧頂き、誰もが中学受験に適しているわけではないことを知って頂けたかと思います。

子どもの育った環境、性格、学校の勉強状況等、全てが一致してこその受験です。

小学校低学年のあいだに向き不向きの判断と子どもの意思、家庭の経済状況を照らし合わせましょう。

他人の意見を聞いて自分の意見を言える、論理的に考えることができるならば国公立校、算数が大好きで学校の授業のどんどん先を学習したいという意思のある子どもは私立校、どちらにしても学習意欲が高い子どもでないと受験勉強を乗り切ることはできません。

親だけが「受験させたい」と思っていても、子どもが「したくない」と思えばそれは叶わないでしょう。

日頃から家族団欒の時間を作り、話し合う機会をもつことが大切です。