兄弟・姉妹は同じように中学受験させるべき?実体験から学んだ良い点、難しい点

中学受験をする姉妹子どもの中学受験を考えたとき、兄弟・姉妹ともに同じように中学受験をした方がよいのか、悩む親御さんも多いのではないでしょうか。

また実際に、兄弟・姉妹ともに中学受験をする場合、どのような良い点や難しい点があるのかも気になるところではないでしょうか?

ここでは、そんな疑問にお答えするために、実際に2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、子ども2人を中学受験させて良かった点や難しかった点をご紹介します。

兄弟・姉妹で中学受験させる良い点とは?

子どもの1人に中学受験を考えると、その兄弟・姉妹にも中学受験をさせた方が良いのか、と考えるご家庭は多いですよね。

兄弟・姉妹でチャンスは公平に用意してあげた方がいいのか。

成績や結果に差が出てしまったら、どうしたらよいのか。

2人の子どもの中学受験を経験した我が家も、少なからず悩みました。

我が家には3歳違いの姉妹がおり、いずれも大手塾に通い中学受験を経験しました。

長女はいわゆる“優等生“、成績もはじめから上位で安定していて、勉強もコツコツ積み重ねることができる堅実タイプ。

一方、次女は頭の回転が速く、波に乗ると長女を凌ぐ集中力を発揮しますが、「勉強は嫌い」と豪語する、なかなか勉強のスイッチが入らない気分屋タイプで、通塾し始めたころの成績は“中の上”といったところでした。

このように、性格も成績も違う姉妹でしたが、終わってみると「2人の子どもに中学受験をさせて本当に良かった」と実感しています。

その理由を次からご紹介します。

勉強することが当たり前という習慣が身に付く!

2人の子どもに中学受験をさせて一番良かったことは、2人同時に勉強の習慣が身についたこと
です。

我が家の長女が中学受験を目指したのは、友達のお姉さんが中学受験をしていた姿を見て、自分もチャレンジしてみたいと長女が言い出したことがキッカケでした。

もともと、コツコツ勉強する性格だったこともあり、塾に通い始めた長女はスムーズに受験勉強のペースを作ることができました。

同時に予想外の嬉しい効果がありました。

それは、「勉強嫌い」の次女も勉強の習慣がついたことです。

我が家では、学校の宿題も中学受験の勉強もリビングで行う、いわゆる“リビング学習”をしていたのですが、長女が中学受験の勉強をしている時間を「勉強の時間」とし、次女も同じ時間に学校の宿題の他、漢字検定の勉強や通っている英語塾の宿題などをするようにしたのです。

長女が中学受験の通塾を始めたとき、次女はまだ小学校に入りたての1年生。

一般的には、勉強を長時間続ける持続力も、その必要もない年齢でしたが、毎日、目の前で姉が勉強する姿を見ているうちに、「勉強する」ことが“特別”でなく“当たり前”のことになり、次女は低学年のうちから宿題以外の「勉強」も習慣化することができました。

「勉強嫌い」の次女がそれほど抵抗なく中学受験のレールに乗れたのも、やはり長女が受験に挑む姿を目にしていたからでしょう。

おかげで2人の子どもは、「勉強する」習慣を、あまり苦労することなく小さいころから身に着け、今でも継続することができています。

子ども達とじっくり向き合える

中学受験は子どもと親が一緒にゴールを目指す一大イベントです。

それだけに、「受験生」となった子どもと、物理的にも精神的にも向き合う時間が増えます。

ですが、この時間は、実はとても良いものだった、と、終わってみると実感しています。

もし、我が家が中学受験を経験していなかったら?

普段のなにげない生活では、あれほど濃密に子どもと勉強や将来のことを話し合ったり、向き合うことは出来なかったかもしれません。

長女か次女、どちらか1人しか中学受験をしていなかったら、中学受験を経験しなかったもう1人とは、同じ濃度で向き合う他の“何か”を見つけることができなかったかもしれません。

成長期に入り、だんだん難しくなる4~6年生の時期に、2人の子どもそれぞれとじっくり向き合える時間が持てたのは、中学受験ならではの醍醐味なのかもしれません。

上の子の経験が生かせる!

「良い点」とは少し違うかもしれませんが、下の兄弟・姉妹が中学受験をするときに、上の子の経験が生かせるのは、やはりメリットです。

中学受験は、「親の受験」といわれるほど、親の役割が多くあります。

日ごろの家庭学習の環境を整えるだけでなく、塾の送迎、塾弁の用意と、日常的にしなくてはいけないことに加え、志望校の情報収集、学校見学や説明会への参加、受験が近くなれば、一層の体調管理に加え願書の準備や提出と、その責任も重大なものばかりです。

ですが、2人の子どもの中学受験を経験した筆者は、手間や大変さは単純に2倍ではなかったと実感しています。

もちろん、兄弟・姉妹で志望校が違えば、それぞれの学校を見に行く必要があったり、年齢に差があれば出願方法が郵送出願からネット出願に変わっていたりします。

しかし、長女で中学受験を経験していた筆者は、日ごろの受験勉強の管理はもちろん、学校見学で見るべきポイントや受験情報収集の要領を得ていたため、それほど大変だと感じることなく終えることができました。

兄弟・姉妹の絆も強くなる?!

上の子が、最も身近にいる最強の情報源となってくれるのも心強いものです。

我が家でも、同じ学校を受験することになった次女に、長女が、分からない問題の解法や過去問の傾向、入試当日の持ち物や会場の雰囲気、トイレの位置まで、こと細かに教えてくれました。

普段なら、姉への対抗心で生意気なことを言いがちな次女も、このときばかりは中学受験の先輩である長女の貴重な体験談を、反発することなく聞き入れていました。

それまでの兄弟・姉妹の関係性もあると思いますが、我が家のケースでは、中学受験は、確実に2人の子どもの絆も強くしてくれました。

兄弟・姉妹を中学受験させる難しい点とは?

算数の参考書の山上のように、子ども2人を中学受験させて良い点は多くありましたが、反対に、難しい点や困る点もありました。

兄弟・姉妹の我慢が大変!

中学受験は平日の家庭学習や通塾に加え、学年が上がると土日にもテストや講座に行くようになります。

放課後に遊ぶ時間はもちろん、家族での外出や旅行する時間も持てなくなってきます。

ところが、受験生でない兄弟・姉妹は遊んだり、出かけたりしたがります。

この、受験生でない兄弟・姉妹に、遊びや外出を我慢させるのが大変で、もっとも難しい点です。

例にもれず、我が家もこの問題にはぶつかりました。

受験生である子どもを家族一丸でバックアップしよう!と伝えつづけることは欠かさずに、しかし、ときには以下のような息抜きをして、なんとか乗り切りました。

  • ときどきは1日中遊ぶ日を設ける(5年生まで)
  • 受験生の子どもがいない時間に、非受験生の子どもがしたい遊びや外出をする
  • ご褒美ご飯(外食やケーキなど)を食べる
放課後の過ごし方

どうしても成績を比べてしまう

兄弟・姉妹で中学受験をしようとすると、分かっていても、頭のどこかで成績や結果を比べてしまうことがあります。

親はモチロン、子どもたち自身もその傾向があるようです。

我が家でも、人一倍負けず嫌いの次女は、常に上位クラスにいた長女の成績を意識していました。

長女の成績に追いつき、いずれ追い越したいと奮起したことで、結果的には次女も長女と同程度まで学力を伸ばすことができて良かったのですが、常に長女の成績を意識している姿を見ているのは、正直、悩ましいものがありました。

また、テストなどの結果よりも、さらに現実を突きつけられるのが、入試本番の結果です。

「合格」、「不合格」しかない入試結果は、比べたくなくても明暗がはっきりしてしまいます。

これに関しては、我が家では、子どもたちに、2人の受験は同じ条件下での受験ではないことを伝え続けました。

同じ「中学受験」でも、同じ年に同じ学校を受けない限り、解く問題も競う相手もすべて違うので、比べられないのだと。

実際に、長女も次女も、本命・併願校とほとんど同じ学校を受験しましたが、いずれの学校も次女の年の方が、志望者数も増え、倍率も高くなり、より競争が厳しい状況となりました。

この言い聞かせは、同じ学校を受けて合否に明暗が分かれてしまったときの保険としていました。

ですが、子どもに「条件が違う」ことを伝え続けることで、受験当日まで揺れる気持ちを少しはコントロールできたのではないかと考えています。

中学受験は息抜きも必要

最後に

今回は、実際に2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、子ども2人を中学受験させて良かった点や難しかった点をご紹介しました。

兄弟・姉妹ともに中学受験をさせることは、良い点も難しい点もそれぞれあります。

しかし、いずれも小学校高学年の限られた時期に、親子・家族で挑んだ中学受験は、得るものが多くあったと経験した筆者は感じています。

この記事が、少しでも兄弟・姉妹の中学受験にお悩みのご家庭の参考になれば幸いです。