中学受験をすると決めた子どもたちは、いつから中学受験生という「自覚」を持つようになるのでしょうか?
また、どうしたら「自覚」を持たせることが出来るのか、気になりますよね。
そこで今回は、2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、中学受験をする子の「自覚」について、“気になること”をまとめてみました。
目次
中学受験生の自覚はいつからでてくるの?
中学受験を考える親御さんがよく言われることの1つに、お子さんに受験生としての「自覚」がないというのがあります。
自ら中学受験を希望し、絶対行きたい!という志望校も早いうちから決まっていて、そこに向けて親や塾の先生に言われなくても自分で勉強できるお子さんも確かにいます。
ですが、全員がそんなお子さんではありません。
では、いつからなら受験生の「自覚」が出てくるの?と気になりますよね。
6年生、特に夏休み前ころまでには、ほとんどのお子さんに受験生としての「自覚」が出てくるようです。
理由は簡単です。
6年生になると、周りの雰囲気もがらりと受験モードに変わるだけでなく、大手受験塾に通うお子さんのほとんどは、定期的に志望校を書く「合格判定テスト」を受けるようになり、そこで『合格可能性』を数字で目にするようになるからです。
結果が良いときは「合格できるかも」とヤル気が出ますし、結果が悪いときは「落ちるかも」と恐怖を感じ、否が応でも、「受験生であること」を突き付けられます。
しかし、特に男の子のお子さんに多いのですが、それでもエンジンがかからないお子さんもいます。
また、6年生になる前、できるだけ早いうちから受験生としての「自覚」を持てると、より目的をもって勉強に取り組めるので、できればそう導きたいものです。
そこで、次からは、少しでも早いうちから受験生の「自覚」を持たせ、ヤル気を引き出す方法をご紹介します。
なかなかスイッチが入らない!そんな受験生への自覚の持たせ方
中学受験をすると決めても、受験生だという「自覚」を自然と持てるお子さんはそう多くはありません。
なかなか「自覚」を持てず、勉強にもスイッチがはいらないお子さんに、受験に気持ちを向け、奮い立ってもらうには、いくつかポイントがあります。
それは、「行きたいと思える志望校(夢・目標)」を持つことと、『勉強しなければ落ちるかも』という少しの「恐怖心」を持つことです。
それには、どうすれば良いのでしょうか?
志望校が定まっていない場合は、行きたいと思える学校をみつけよう
志望校が決まっていないお子さんは、ぜひ早いうちから気になる学校のオープンキャンパスや文化祭などに足を運んでください。
「この学校に入りたい!」と思える学校(目標・憧れ)が見つかると、スイッチが入るお子さんも少なくありません。
中学受験は学年が上がるほど、週末もテストや講座が入り忙しくなるので、4年生のうちに多くの学校を見ておくことをおススメします。
最初のうちは小さいステップを積み重ねよう
多くのお子さんが受験勉強を始める4年生時に、3年後の中学受験本番に向けて頑張るように言っても、期間があまりに長く、目標も漠然としていて、なかなか「自覚」できないものです。
まずは、小さな目標を立てて、それを1つずつクリアしていくようにしてください。
最初は、塾内の小テストや週テスト、クラス分けテストなどそれぞれに少し頑張れば達成できる目標を立てましょう。
小刻みに目標を設定して、クリアしたときの達成感を積み重ねるようにすれば勉強のペースもでき、また「勉強すればよい結果が出る」こと、「勉強しないと悪い結果となる」ことが体験できます。
この「勉強しないと悪い結果となる」がわかることが、「勉強しないと不合格になるかも」という良い「恐怖心」に繋がるため、とても大切なのです。
一方で、6年生になっても、なかなか「自覚」が持てないお子さんにも、この方法は受験勉強といった面でも有効です。
合格判定テストなど、定期的に受けるテストで目標点数や偏差値を設定し、結果をすぐに数字で確認できるので、はっきりとした「自覚」がなくても、「目標」に向かって勉強することができます。
親の声かけも大切!感情的な厳しい言葉は逆効果
なかなか受験生の「自覚」が持てないお子さんを見ていると、つい口うるさく言ってしまいがちですが、感情的に厳しい言葉をかけるのは逆効果です。
よく「ほめて伸ばす」と聞きますが、たしかに褒めた方が子供は喜び、やる気を出します。
ですので、受験生の親の役目と思って、少しでも良いところをみつけて、褒めてください。
また、褒めるときは具体的に褒めるようにしてください。
これは塾の先生にアドバイスされたことですが、我が家でも褒めるポイントをなんとか見つけだして、具体的に褒めていました。
前より解答用紙に空欄が少なくなった、分かりやすい字でかけた、以前解けなかった問題が解けるようになった、などなど。
できなかったテストや問題ですら、計算過程が前よりきれいにかけるようになった等、とにかく良い点を見つけて褒めました。
子どもも、素直に喜びを表に出すことはしないものの、まんざらでもない様子で、その後、自ら机に向かう回数も増えました。
それでも、なかなか「自覚」を持てず、やる気も見られない場合は、お子さんと一緒に勉強することもおススメです。
「親が教える」のではなく、一緒に悩んであげれば良いのです。
解けたらお子さんから説明してもらえば、より深く学習内容を定着させることができます(ダイアログ学習法)。
我が家でも一緒に勉強することも試してみましたが、想像以上に子供は机に向かうようになり、効果を実感できました。
親の言葉を聞かなくなったら塾の先生に協力してもらう
小学校高学年になると、中には反抗期が始まるお子さんもいます。
親の言葉を素直に聞けなくなり、「勉強しないさい!」、「受験生なのよ!」といわれると、かえって反発して裏腹な行動をとってしまうなんてことも。
そんなときは、塾の先生に協力してもらいましょう。
「自覚」が持てないのは、まだ受験に対する恐怖心がないことが原因であることが多いので、模試や普段の成績をよく知り、多くの受験生を見た経験を持つ塾の先生に、「後〇点とれれば合格ラインに届く」など、現状の成績では足りない点や今後必要な対策を伝えてもらいましょう。
その方が、子どもも冷静に聞き入れやすくなります。
「受験生」としての自覚は受験年の6年生になると否が応でもでてきます!
今回は、中学受験をする子どもの「自覚」がいつから出てくるのか、自覚を持たせる方法についてまとめてみました。
多くのお子さんは、受験年の6年生になると否が応でも「受験生であること」を突き付けられ、「自覚」を持つようになりますが、中にはそれでも「自覚」がなかなか持てないお子さんもいます。
そんなときは、今回ご紹介した、志望校(夢・目標)を見つける方法や、少しの「恐怖心」を煽る方法を試してみてください。
そして、少しでも良いところを褒めて、ヤル気を引き出してあげてください。