中学受験は「大変」と言われることが多いですが、具体的に何が「大変」なのでしょうか?
また、実際に受験生である子どもが「大変」と感じることはどんなことなのか気になりませんか?
そこで今回は、2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、中学受験の「大変」について、子どもと親それぞれの経験談をご紹介します。少しでも親子の「大変」を軽減できるよう、「大変」の乗り越え方も参考にしてみてください。
目次
子どもに聞いた!中学受験で大変だったこと~子どもの場合
我が家には、現在高校1年生と中学1年生になる、3つ違いの娘が2人います。
2人とも小学4年生ごろから大手中学受験塾に通い始め、典型的な「中学受験生」を経験しました。
そんな2人に、中学受験で実際に「大変」だったことを聞いてみました。
中学受験は体力勝負?!なのが「大変」
まず出たのは、「休みがなくて、体力的にきつかった。」という意見。
小学4年生から塾に通い始め、受験勉強が本格化しますが、この頃はまだ序の口。
しかし5年生になると、勉強範囲が広がり、難易度もあがったため、受験勉強の時間が格段に増えました。
また、週末も模試や週テストで埋まり始めました。
最終学年の6年生になると、平日、学校から下校すると学校の宿題、塾の宿題をしてから塾に向かい、帰宅後も夜11時過ぎまで勉強漬け。
塾がない日も自習室で勉強するために塾に通い、土日は志望校別特訓や模試と、1週間全てが受験勉強で埋まり、休める日はなくなりました。
たとえ、束の間の休息をとっても、勉強しないでいることに心が落ち着かない。
「受験の本番を終えるまで本当の意味で休めない」のが、体力的にも精神的にも「大変」だったようです。
モチベーション維持が「大変」
「なんで、こんなに勉強しているんだろう、と思う時があった。」
こつこつマイペースに勉強ができ、成績も比較的安定していた長女の言葉です。
もちろん、「志望校合格のため」と分かっていましたが、休みなく勉強する日々に息切れしてしまったようです。
一方で、同じ塾の親御さんは、お子さんが得意だった国語で思うように成績が取れなくなるスランプに陥り、塾に行きたくないと言い出した、と困っていたことがありました。
このように、お子さんによって理由は色々違いがあるようですが、成績がなかなか上がらない、解けていた問題でミスするようになったなど、成績面で思うようにいかないときや、長い受験勉強に息切れしてしまうと、子どもなりにモチベーションを維持することが「大変」になるようです。
友達と遊べないのが「大変」
中学受験勉強を始めると、ほとんどのお子さんがこの問題に直面します。
中には、「受験勉強するのだから仕方ない、塾の友達はみんな遊んでない」と、大人が驚くほど割り切りができる子どももいます(我が家の子どもはこのタイプでした)。
しかし、特に男の子は、遊び(ゲーム含む)を我慢することが「大変」のようです。
習い事をどうするのか?判断するのが「大変」
これも、中学受験を目指すお子さんの多くが直面する問題です。
受験勉強のために通塾し始める4年生の頃は、まだスケジュールに余裕があり、習い事と並行して受験勉強するお子さんも多く見受けられます。
しかし、ほとんどのお子さんが受験勉強の量や難易度があがる5年生ごろから習い事を整理しはじめ、6年生には習い事をやめるか一旦お休みします。
しかし、幼いころから続けてきた「習い事」をやめたり休むことは、子どもにとって実はとても勇気が必要で「大変」なのです。
特に、お子さんが「好き」だったり「これからも続けたい」と思っている習い事や、反対に、親御さんが「もったいないかも」と思ってしまう習い事は、いつまでも決断できず、ズルズルと先延ばしになってしまう・・・ということも。
兄弟姉妹も「大変」
これは親の筆者が見ていて痛感したことです。
中学受験生活が始まると、受験生の兄弟・姉妹、または非受験生の兄弟・姉妹、どちらかのお子さんが少なからず「我慢」することが出てきて、これがなかなか「大変」でした。
我が家の場合は、妹である次女の「我慢」が多かったように思います。
我が家では、長女が受験生活に突入したとき、次女はまだ小学低学年。
遊びたい盛りなのに、姉の勉強時間確保のためにお友達をお家に呼べなくなったり、週末に家族で遊びに出かける回数も格段に減り、妹である次女が我慢することが多くなりました。
一方、小さな子がいるご家庭では、下の子が遊びやゲームを我慢できず、静かな家庭学習環境を確保するのに苦労していると聞きました。
中学受験の子どもの「大変」、どう乗り越える?
まだ小学生である中学受験生の「大変」は、家族が支えることで乗り越えられます。
- 食事・睡眠がきちんと取れているか注意する
- 規則正しい生活ができるように見守る
- 塾を休むことや習い事の取捨など、子どもが判断に迷うことは親が判断する
- 計画的に遊ぶ日を設ける(受験生の息抜きだけでなく、兄弟・姉妹のリフレッシュにもなる)
- モチベーションが低下したり受験生活に息切れしたら、一緒に中学受験の目標を再確認する(初心にかえる)
- 塾の自習室などを利用して兄弟・姉妹にも配慮する
なにより大切なのは、子どもと話すことです。
常日頃から子どもとコミュニケーションをとっていれば、子どもの心身の変化にいち早く気づくことができます。
子ども自身も、親子で話すことで、家族は味方であることが分かり、安心できるようでした。
中学受験で大変だったこと~親の場合
中学受験は、高校受験や大学受験に比べて親の役割が多く、特に親が「大変」な印象がありますよね。
ここでは筆者が実際に感じたり、受験友達の親御さんから聞いた、中学受験で親が「大変」だったエピソードを紹介します。
受験サポート生活が「大変」
中学受験生活が始まると、毎回の塾弁の用意や、模試の付き添い、志望校の学校見学や説明会への参加など、親も「受験サポート生活」が始まります。
普段の生活でも、より一層、食事や健康面にも気を配り、規則正しい生活が送れるように見守り、家庭学習の進捗にも目を光らせることが大切になります。
受験期になれば受験願書の取り寄せや、受験当日の持ち物の用意や経路探索などの準備の他、感染症対策などにもこれまで以上に気を配らなくてはならなくなります。
このように中学受験をすると決めると、普段の生活に加え、さらに気を配ることやすべきことが増えて、親も「大変」になります。
親は常に冷静に、成績に一喜一憂しない!が「大変」
塾の保護者会に行くと、「模試やテストの成績に一喜一憂しないでください」と何度となく言われます。
しかし、これがなかなか「大変」なのです。
筆者は特に、初めての中学受験である長女のときが「大変」でした。
模試を受けると出る偏差値。
その1つ1つに一喜一憂しても意味がないと分かっているつもりでも、やはり結果は気になってしまいました。
ところが、次女のときは「大変」ではなくなりました。
長女の時の経験で、塾の先生の言葉の意味を痛感し、塾の先生になんでも気軽に相談できるようになったことも大きいと思います。
受験期に反抗期が到来!が「大変」
小学高学年~中学生頃に始まることが多い反抗期。
この反抗期が受験期に始まってしまうと、親が良かれと思ってするアドバイスやサポートも、子どもに響かなくなるどころか反発されて「大変」です。
中学受験生の親の「大変」、どう乗り越える?
中学受験生を抱える親の「大変」は、多種多様です。
塾弁の用意や模試の付き添い、学校見学などは無くすことができない「大変」ですが、塾を上手に利用することで解決できる「大変」もあります。
お子さんの成績に関する不安や、お子さんが反抗期を迎え親の言葉が届かないときは、ぜひ塾の先生に相談してください。
親の不安も熟知していてくれますし、冷静に見守るアドバイスもしてくれます。
反抗期の子どもには、塾の先生の言葉の方が響くこともしばしばです。
これまで多くの受験家庭を見てきた塾の先生は、いわば受験家庭のサポートのプロでもあります。
頼らない手はありません。
また、無くすことができない塾弁の用意や模試の付き添い、学校見学などの「大変」は、無理をしないことで「軽減」することができます。
塾弁の用意が「大変」なら買うことで省力化できますし、模試の付き添いや学校見学なども両親で分担したり、「今しかできない子どもとのお出かけ」と、子育ての醍醐味に脳内変換すると案外楽しめるようになります。
中学受験は「大変」だけではない!子供とじっくり向き合うことができる時間にしていきましょう
中学受験は親子ともに「すべきこと」や「我慢」することがあり、「大変」と思われがちですが、中学受験はただ「大変」なだけではありません。
中学受験を目指す子どもは、自分で6年間通う学校を選び、合格に向かって努力を積み重ねることで、精神的にとても成長し、自立できるようになります。
親にとっても、子どもと真剣に話すことや、じっくり向きあうことができて、非常に充実した時間となります。
今、中学受験を「大変」とお困りのご家庭も、中学受験終了後には、きっと良い経験ができたと思うはずです。
焦らず、親子で乗り越えてください。