中学受験勉強!合格に近づく勉強の仕方と遠のく勉強の仕方

中学受験勉強をする子供

中学受験の勉強は、ただ難しい勉強をすれば良いというものではありません。

志望校合格のために受験勉強をするのであり、入試に関係のある勉強を効率良く行う必要があります。

この点を見誤ってしまうと、合格から遠のいてしまいます。

この記事では、中学受験の合格に近づく勉強の仕方・遠のく勉強の仕方についてお話していきます。

受験勉強にあたってどのような点に注意すれば良いのか、ぜひ参考にしてみてください。

中学受験は合格に近づく勉強を繰り返してこそ意味がある!

中学受験の勉強は、ただ漠然と机に向かえば良いわけではありません。

合格に近づくような勉強を繰り返してこそ、徐々に成果が現れるのです。

とりあえず勉強していれば自然に実力が上がる、というものではありません。

以下、志望校の合格に近づく勉強の仕方・合格から遠のいてしまう勉強の仕方についてお話しします。

ご家庭での勉強、お子さんが自分で行っている勉強について、一度再確認し、振り返ってみてください。

志望校の入試傾向に沿った対策をしている?

受験勉強というのは、当然ながら志望校に合格するために行うものです。

志望校に入学するには入試を突破する必要があり、そのために受験勉強をして力をつけるわけです。

つまり日々の受験勉強は、その入試に合ったものでなければなりません。

入試と関係のない勉強をいくらしても、その入試を突破することはできないのです。

入試の傾向をしっかり把握し、その傾向に沿った対策を繰り返し、実力を養い、入試に臨まなくてはなりません。

志望校の合格に近づく勉強というのは、まずこの傾向に沿った勉強になっているかどうかが重要です。

記述問題や選択肢問題などの傾向をつかんでおこう

入試傾向は学校によって異なり、記述問題が多い学校もあれば、選択肢問題が中心の学校もあります。

例えば、国語・社会・理科で記述問題が多い学校や、さらには算数で途中式・考え方を記述させる学校もあります。

一方、算数は解答だけを記入させ、国語・社会・理科は選択肢問題が中心、という学校も多いでしょう。

このように、志望校によって設問形式は大きく異なります。

こうした傾向をしっかりつかみ、苦手な設問形式をなるべく減らしておく、これが非常に重要なのです。

傾向をあまりチェックせず、苦手な設問形式を苦手なままにして本番に臨んでも、失敗する可能性は高いでしょう。

各分野の基本や受験によく出る設問形式など、基礎を正確におさえることは大前提ですが、そこからさらに志望校ごとの傾向に沿った勉強をしなければなりません。

難しい問題をただ解けば良いわけではない!基本を正確に理解出来るように

受験勉強の難易度は、志望校の難易度によっても変わります。

難関校を目指すのであれば、それ相応に難問にも対応できる力が必要でしょう。

一方、中堅校を目指す場合であれば、無理して難関校並みの勉強をする必要はありません。

無理やり難しい問題を解いても、むしろ逆効果になります。

例えば難関校では、複雑な記述問題や絞り込みが難しい選択肢問題なども見られますが、中堅高を目指す子どもがこうした難問・奇問レベルの問題ばかり解いても、かえって混乱してしまいます。

そもそも、中堅校の傾向に沿った勉強とは言えません。

中堅校は「基本を正確に理解しているか?」を確認する傾向にあります。

であれば、基本的な選択肢問題や記述問題をいかに正確に解けるか?がカギとなるのです。

だからこそ、日々の勉強では基本を大事に、とにかく正確に解くことを意識しなくてはなりません。

特に基本レベルの問題が多い学校は、それだけ高得点勝負になる可能性もあります。

であれば、ケアレスミスは絶対に避けなくてはならず、日々の勉強では「基本をいかに正確に解けるか?」を意識しなくてはなりません。

難しい問題ばかり解く勉強とは明確に異なるのです。

志望校のレベルに合わせた効率の良い勉強をしていますか?

傾向が全く異なる勉強をしても、その志望校への合格は遠のきます。

それよりも、その志望校のレベルに合わせ、その傾向に沿った勉強を繰り返すことを意識しないといけません。

難しい勉強を繰り返せば実力が伸びるわけではないので、この点は注意が必要です。

あくまで志望校のレベルに合わせた、効率の良い勉強を心がけなくてはなりません。

上記で述べたように、難関校であれば、確かに難問の対策もそれ相応に必要でしょう。

しかし中堅校であれば、基本・標準問題をいかに素早く正確に解くか?のほうがよほど重要です。

こうした点をまず意識してみましょう。

どのレベルの学校であろうと傾向に沿った対策は必須!

当然ながら、中堅校だからといって甘く見てはいけません。

中学受験である以上、どのレベルの学校でも、傾向に沿った対策は必要不可欠です。

甘く見て漠然と勉強をしているだけでは、やはり合格は遠のきます。

そもそも入試問題の傾向は、学校によって様々です。

難関校かどうかを問わず、10の学校があれば10通りの傾向があります。

例えば難関校でなくとも、学校によっては特殊な設問や難問が出されることもあります。

一方、難関校でも、基本・標準レベルの問題が比較的多い学校もあるのです。

もちろん、難関校で基本・標準レベルの問題が多い場合、中堅校以上にかなりの高得点勝負になるため、難易度は高くなります。

しかし、設問傾向としては基本・標準レベルの問題が多い難関校もあるわけです。

こうした学校ごとの傾向を理解しながら勉強すべきであり、これはどのレベルの学校でも同じです。

この点もしっかり意識していただき、日々の勉強が入試を意識したものになっているか、その都度再確認することが重要になります。

時間を常に意識した勉強が出来ていますか?

朝活をする受験生

時間内に集中して解く習慣をつける

入試問題は、当然ながら時間が決まっています。

例えば算数と国語が各50分、社会と理科が各30分といったように、科目ごとに試験時間が決められ、その中で実力を発揮しなければなりません。

長い時間をかけてじっくり解くというわけにはいかず、時間配分に注意して、スピーディーかつ正確に解く必要があります。

このことを、日々の勉強でもぜひ意識してください。

繰り返しますが、入試を突破しないと志望校に行くことはできません。

いくら様々な知識を持っているとしても、「限られた時間内に、集中して解く」ということを本番で行わない限り、志望校に行くことはできないのです。

ただ漠然と勉強をすれば良いのではなく、本番を意識し、時間内に集中して解く習慣をつけなければなりません。

この点を踏まえ、日頃の勉強でも適度な緊張感を持ち、時間を意識した勉強を心がけましょう。

時間配分の感覚を身につけよう

どの問題にどのくらい時間をかけるか、という時間配分の感覚は、やはり過去問演習の徹底によって身につける必要があるでしょう。

もちろん日頃の問題演習でも時間配分の感覚を磨くことはできますが、実際に志望校や併願校の過去問に多く触れ、慣れを作ることが非常に大切です。

合格に近づく受験勉強というのは、とにかく本番に即した勉強になっているかどうかがカギです。

そのために過去問演習・分析は必須であり、時間配分に注意しながら解くトレーニングが重要な意味を持ちます。

時間で区切ると集中力アップにもなる

そもそも勉強というのは、長時間続ければ良いわけではありません。

長い時間休みなしで勉強しても、だいたいの子どもは途中で集中力が切れます。

そして集中できない状態で勉強をしても、効率は大きく落ちてしまいます。

それよりは適度に時間を区切り、その中で集中して勉強したほうが効率的です。

特に受験勉強をスタートしたばかりの頃は、子どももまだ勉強そのものに慣れていないでしょう。

その状態でいきなり長時間勉強をさせても、まず集中はできないですし、子どもの勉強嫌いやモチベーション低下を招くおそれもあります。

それよりも短い時間で区切り、まずは「集中して勉強する」という感覚を身につけてもらうことが大事です。

その後、区切るまでの時間を徐々に伸ばし、一日の勉強時間も伸ばしていき、集中の持続力も高めていく、といったイメージになります。

こうした習慣を継続することで、本格的な集中力が身につきます。

とにかく本番でスピーディーかつ正確に問題を解くには、集中力は必要不可欠です。

この点はしっかり意識し、時間と集中力を重視する勉強を心がけましょう。

基本は大事に!応用力を伸ばしていくためにすべきこと

まずは基本はしっかりおさえておく

先ほど、志望校ごとの傾向に沿った対策が重要であるとお話しましたが、もちろん各分野の基本・基礎を正確におさえておくことが大前提です。

いくら傾向に慣れているとしても、その設問を解くには基本知識が欠かせません。

各分野・各単元の基本はしっかりおさえ、苦手分野はなるべく減らし、実力を磨く必要があります。

傾向に沿った対策は必要不可欠ですが、その土台として、基本・基礎は常に磨いておかなければなりません。

問題集や過去問、模試などで間違えた箇所はしっかり復習し、その都度基本に戻り、実力を盤石なものにすることが大事です。

受験勉強は、決して傾向だけを重視すれば良いわけではなく、基本を常に正確にすることは大前提となります。

問題を間違えたときや、ある分野がわからなくなったときなど、しっかり復習し、基本に戻るという習慣をつけましょう。

勉強に復習は必要不可欠!

基本を重視するということは、その都度復習をしっかりやることを意味します。

受験に登場する膨大な範囲・単元を、一度勉強しただけでずっと覚えていられる子どもはいません。

どんなに勉強が得意な子どもでも、時間が経てばどうしても基本がおろそかになります。

だからこそ復習は必要不可欠であり、その都度しっかり基本を再確認することで、合格に必要な実力が徐々に磨かれます。

復習の大きな意味は、基本を再確認し、実力の精度を高めていくことにあるのです。

模試などで間違えた設問はもちろん、日々の勉強でわからなくなった箇所など、しっかり復習する習慣をつけましょう。

応用力や思考力を意識しよう

中学受験で出題される問題は、応用力や思考力が試される設問も多いです。

これは難関校だけの話ではありません。

基本レベルの問題の中でも、応用力を試す設問はたくさんあります。

また、算数や理科などは思考力が要求される設問も目立ちます。

いくら基本レベルの問題だからといって、教科書通りの知識問題だけが出題されるわけではありません。

受験勉強を合格に近づくものにするには、教科書の基本に加え、問題演習などを通じて実戦的な力を鍛える必要があります。

その中で、「なぜそうなるのか?」を考える習慣をつけると、応用力や思考力が伸びるきっかけになるでしょう。

ただ漠然と暗記だけをしても、受験を乗り切ることはできません。

「なぜそうなるのか?」という根本的な部分や背景などを知り、理解を深め、応用力・思考力が要求される問題にも対応できるようトレーニングすることが大事です。

そして、受験向けの問題集には、応用力・思考力を鍛える良質な問題が揃っています。

こうした問題に多く触れ、実戦的な力を鍛えていくことがカギとなります。

中学受験の算数を勉強する子

勉強の目的意識を受験生と確認することも大切

最後に、受験勉強の目的意識についてもお話していきます。

合格に近づく勉強をするには、この目的意識がお子さんにとって非常に重要な意味を持ちます。

受験勉強は学問とは異なる!

繰り返しますが、受験勉強は志望校合格のために行うものです。

特別に難しい学問書や、高度に専門的な学術書を読むわけではありません。

まずは各分野・各単元の基本を理解したうえで、問題集や過去問から傾向を知り、慣れを作り、応用力も鍛え、実力を伸ばしていく、それが受験勉強です。

日々の勉強一つひとつが「志望校の合格」という目的に向けて行われるべきで、難しい学問を勉強する必要はないのです。

もちろん難関校であればあるほど入試問題の難易度は上がりますが、それでも受験勉強の範囲内です。

受験の範疇を超えて高度に専門的な勉強に走る必要はありませんし、「志望校の合格」という目的を見失ってはいけません。

当たり前といえば当たり前の話ですが、この点を改めて意識してみてください。

ただ漠然と勉強だけしていれば良いわけではない

ただ漠然と勉強をしていると、「志望校合格のための勉強」という点を忘れがちになります。

もちろん勉強が習慣になるのは良いことですが、ただなんとなく勉強をしているだけでは実力はなかなか伸びません。

「今、なんのために勉強をしているのか?」という点を常に意識し、入試の傾向に沿った、無駄のない勉強を進めないといけないのです。

また、「この中学校に行きたい」というモチベーションも大事です。

ただ机に向かうだけでなく、モチベーションをしっかり維持して勉強に向き合うと、集中力も自ずと高まってきます。

こうした目的意識を持ち、傾向に合わせた対策を効率良く繰り返すことが、合格に近づく勉強となります。

勉強そのものが目的になっていませんか?志望校合格という目的を忘れないように

受験勉強は志望校合格が目的で、勉強そのものが目的ではありません。

親がこの点を忘れてしまうと、ただ子どもに「勉強しろ」「勉強して」とだけ言ってしまう場合があります。

もちろん、あまりに子どもが怠けてしまう場合なら、時に厳しく「勉強して」と言うこともあるでしょう。

しかし、いきなりただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言っても、子どもはまず納得しません。

むしろモチベーションの低下につながりますし、最悪の場合、子どもの勉強嫌いが加速するおそれもあります。

あくまで志望校合格が目的であり、受験勉強はそのために行うものです。

この点は親御さんのほうでも常に再確認していただき、お子さんへの声かけに注意しなくてはなりません。

子どもがなかなか集中しない、モチベーションが続かない、などの状態であれば、そもそもなぜ受験勉強をするのかという話をしてあげましょう。

志望校の魅力をもう一度確認するなどして、「この学校に行きたい」という目的を親子で再確認し、自然な形で勉強につなげることが大事です。

決して受験勉強そのものを目的とせず、ただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言うのではなく、「この学校に行きたい」という目的意識をまず念頭に置き、親子で受験勉強を乗り切っていきましょう。

受験勉強をする小学生

まとめ

今回は、中学受験の合格に近づく勉強の仕方、遠のく勉強の仕方についてお話していきました。

受験勉強は、当然ながら志望校合格のために行うものです。

この点を常に意識し、入試に直接関係のある勉強を徹底しなくてはなりません。

ただ漠然と勉強をすれば良いわけではなく、ただ難しい問題を解けば良いわけでもありません。

志望校ごとの傾向をしっかり把握し、その傾向に沿った対策を繰り返し、実力を鍛えていくことが重要になるのです。

また、当然ながら入試問題は時間が指定されているため、時間内に実力を発揮するトレーニングも必要不可欠です。

普段の勉強でも時間を意識し、素早く正確に解き進める練習を心がけてください。

一方、各分野・各単元の基本を正確におさえることももちろん必要です。

それに加え、受験は応用力・思考力も試されるため、問題演習を通じて実戦的な力を磨く必要があります。

そしてもちろん、受験勉強を続けるモチベーションとなる、「この学校に行きたい」という目的意識も大切です。

このような点を意識して勉強をすることが、合格への道のりとなります。

受験勉強は、ただ机に向かって勉強すれば良いわけではありません。

今の勉強が合格に近づくものになっているか、親子でしっかり確認し、親子の二人三脚で受験を乗り切っていくことが大切になるのです。