中学受験で塾を活用するのはごく一般的ですが、塾に全て任せれば良いというものではありません。
通っている塾がお子さんの性格的に合っているのか、お子さんの学習状況はどうなっているか、といった点は、親御さんのほうでも適宜把握しておく必要があります。
中学受験では、ほとんどのご家庭が何らかの形で塾を活用しています。
一方で、塾に全て丸投げするのは好ましくありません。
勉強するのは他でもないお子さん自身ですし、そのお子さんを一番身近に支えるのは親御さんです。
もちろん塾を活用するメリットは多々ありますが、中学受験は最終的に親子の二人三脚で乗り切るものです。
筆者自身、個別指導塾で指導していた経験がありますが、その経験も踏まえ、塾側が親(家庭)にしてほしいことについてのポイントをお話していきます。
目次
塾側が家庭に意識してほしい4つのこと
1. 塾には向き不向きがあることを理解しておいてください
中学受験の塾は集団塾や個別指導塾などがありますが、当然ながら塾には向き不向きがあります。
集団塾に向いているお子さんもいれば、個別指導塾に向いているお子さんもいるのです。
そのため、通う塾は安易に決めることなく、資料請求や見学などを通じ、本当にお子さんに合うかどうか事前に検討する必要があります。
また、通い始めてからも、子どもの様子はしっかり確認し、その塾でいいのかどうか適宜検討することが大事です。
子どもの性格や精神面をよく知るべきは親
子どもの性格に合わない塾に通い続ければ、勉強自体が大きな負担となり、成績が伸びないどころかモチベーション低下につながるおそれもあります。
だからこそ塾に全て丸投げするのは避けるべきであり、お子さんのメンタル面にも十分注意し、本当にこの塾のままでいいのか、適宜考えなくてはなりません。
もちろん塾も子どものメンタルには配慮しますが、子どもの性格や精神面をよく知るのは他でもない親御さんです。
決して塾に全て任せるのではなく、あくまで親子が主体となって決めていくようにしましょう。
2. 家庭学習の習慣をつけさせていますか?
知識や勉強のコツは塾が教えますが、その知識やコツを日々活用するのは、他でもない家庭学習においてです。
塾で教わったことをその場で全て覚えて理解できる子どもはいません。
ある程度はその場で理解しても、家に帰って復習し、問題演習などを続けない限り、実力としては身につかないのです。
家庭学習の充実なくして受験は乗り切れません。
この点もしっかり意識していただき、お子さんが家庭で集中して勉強できる環境づくりを進めていきましょう。
3.勉強に集中してますか?長時間ダラダラ続けていても効果は出ません
勉強というのは、ただ机に向かって長時間ペンを動かせば良いというものではありません。
その勉強は集中したものでなければならないのです。
たとえ長時間でも、なんとなくダラダラと続けているだけでは効果は下がります。
一方、たとえ短時間でも集中すれば記憶に残りやすくなります。
そのため、家庭ではとにかく集中できる環境づくりを進めていきましょう。
勉強中はテレビや漫画などが目に入らないよう、部屋割りを工夫するなどして、メリハリを持たせることが大事です。
勉強時間は最初は短時間でもいいので、まずは集中する習慣から身につけさせ、徐々に家庭学習を習慣化していきましょう。
宿題はしっかり取り組み、習慣化しておきましょう
塾のカリキュラムは、子どもが家で宿題を行うことを前提に編成されています。
そのため、子どもが宿題をやらないと、どうしても塾のカリキュラムに無理が生じてしまいます。
もちろん、あまりに宿題の量が多い場合、子どもの負担が増えるだけでかえって逆効果ですし、塾側にしっかりその旨を伝える必要があるでしょう。
ただ、そのような例外的なケースを除けば、塾は適度な量を宿題として出します。
その宿題はしっかり取り組んでいただき、塾での学習と合わせ、各カリキュラムをスムーズに進めていくことが重要です。
家庭学習の一つとして宿題を習慣化し、実力アップにつなげるようにしましょう。
4. 子どもの学習状況、学力や得意分野・不得意分野はしっかり把握しておいてください
自分の子どもの学習状況、学力、得意分野・不得意分野などは、親のほうでもしっかり把握しておきましょう。
塾に任せっきりになると、自分の子どもが得意とする分野、得意な問題形式などが分からなくなってしまいます。
これでは、親子で受験についての話をするとき、会話が噛み合わなくなるおそれがあります。
塾側も連絡帳や面談などを通じて情報を提供しますので、子ども・親・塾でしっかり共有することが理想的です。
情報を共有することのメリット
塾の立場からすると、子どもの学習状況等をしっかり把握している親御さんは、とにかく面談などのやり取りが有意義に進みます。
例えば面談では授業回数や受講科目などを相談しますが、親が子どもの得意・不得意分野を把握していれば、「この科目は重点的に対策します」「この科目はもう少しレベルを上げます」といった話し合いがスムーズになります。
また、子どもの家庭学習を知る親御さんのほうから「この科目をもう少し増やしてほしい」「この科目は問題演習メインにしてほしい」といった要望を受けることもあります。
さらに、「家ではこういう問題形式でつまずいているが、そこはどう対処すれば良いか」といった相談を受けることもあり、面談ひとつでも非常に有意義な話し合いになりやすいのです。
このように、お子さんの学習状況等は親御さんのほうでも把握していただき、親と塾でいろいろな情報を共有することが大切になります。
塾側が家庭にお願いしたい一番のサポートとは
上記について、塾側が親(家庭)にしてほしいこと、意識してほしいこととしては、主に次の3点となります。
- 塾には向き不向きがあることを知る
- 家庭学習の習慣はしっかりつけさせる
- 子どもの学習状況などは親もきちんと把握する
とにかく重要なのは、塾に全て丸投げしてはいけないという点です。
このことが大前提ですが、少し捕捉がありますので、ぜひ目を通していただけると幸いです。
塾を信頼してくれるのはもちろん嬉しいこと
塾に丸投げをしてはいけませんが、塾に信頼を寄せていただけるのはもちろん問題ありません。
親御さんの信頼があってこそ、塾も子どもにいろいろなアプローチができるのであり、これは塾側としても非常に嬉しいことです。
ただ、塾としては、やはり人様の子どもを預かっているという意識があります。
勉強に関するサポートはできても、メンタル面で親ほどサポートできるとは限りません。
むしろ、メンタル面でお子さんをサポートするのは、最終的に塾ではなく親御さんであってほしいのです。
それが本来の親子の在り方であると考えられます。
だからこそ、全てを塾に丸投げするのは好ましくないのです。
塾に全面的な信頼を寄せていただけるのはもちろん嬉しいことですし、その信頼があってこその塾ですが、お子さんを一番身近に支えるのは親御さんであるべきという点は、どうか意識していただけると幸いです。
まとめ
今回は、中学受験で塾側が親(家庭)にしてほしいこと、意識してほしいことについてご紹介しました。
中学受験で塾を活用するケースはごく一般的ですが、最終的には親子の二人三脚で乗り切るのが中学受験です。
そのため、塾に全て丸投げをするのではなく、その塾とお子さんが本当に性格的に合っているのか、子どもの学習状況はどうなっているのかなど、適宜確認するようにしてください。
塾はどうしても向き不向きがありますので、お子さんの負担が変に大きくなっていないか、自然な形で勉強できているかなど、しっかりチェックする必要があります。
また、学習状況などは塾側もしっかり情報を共有しますので、親御さんのほうでもその都度把握していただくことが大切です。
また、受験勉強というのは、塾などで知識やコツを得るだけでなく、家庭学習を充実させることがカギとなります。
そのため、塾の宿題も含めてしっかり家庭学習を行えるよう、お子さんが集中して勉強できる環境を整える必要があります。
親子でしっかり意思を共有し、家庭学習を実りあるものにしてみてください。
特に精神面におけるサポートは、最終的には親御さんが行ってこそお子さんのためになります。
こうした点も注意し、塾を適宜活用しつつ、親子の二人三脚で中学受験を乗り切っていきましょう。