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中学受験の社会は、地図が頭の中に入っている、都道府県が全て漢字でかけるというのは大前提として勉強を進める上で地図帳は必須となります。
サピックスに通塾しているご家庭では、『ATLAS(アトラス)』という冊子の地図帳を使っていきます。
出版社は、地図帳といえば誰もがピンと来る、帝国書院が手がけています。
とはいえ、公立小学校で配られる地図帳とは異なり、アトラスは中学受験に特化した内容になっています。
ここでは、小学校で配布される地図帳との違いからサピックスの地図帳『アトラス』の活用方法についてご紹介していきます。
目次
公立小学校で配られる地図帳と塾の地図帳の違いは?
実は、公立小学校で配られる地図帳も、帝国書院が手がけています。
内容はさすが帝国書院なだけあって素晴らしいです。
しかし中学受験ではこれだけでは残念ながら足りません。
だからこそ帝国書院も中学受験用の地図帳を別途手がけているのかもしれません。
では、公立小学校の地図帳と、サピックスの地図帳『アトラス』との違いを見てみましょう。
公立小学校の地図帳とアトラスの違いその①!地図とは何か?導入部分の違い
公立小学校の地図帳では、初めて地図を手にするお子さんでもわかりやすいよう、解説が非常に充実しています。
たとえば、「地図とは上から見た土地のようすをわかりやすくえがいたもの」と紹介した後、「学校を上から見てみよう」というように、身近なものから「地図」という概念が理解しやすいよう工夫されています。
一方、アトラスでも「地図とは何か」は書かれていますが、内容は本格的です。
凡例や等高線、それに中学校で初めて学ぶようなメルカトル図法や正距方位図法についての説明が書かれています。
つまり、アトラスは小学校で学ぶ「地図とは何か」を学んだ後、より本格的に地理を学ぶために開くものと考えるとよいかもしれません。
公立小学校の地図帳とアトラスの違いその②!内容のわかりやすさの追求と、資料としての活用
小学校の地図帳にはイラストが多く、キャラクターが会話をする形でページが進んでいきます。また、キャラクターがクイズ問題を出して、それに解いていくことで理解を助ける作りになっています。
アトラスにもイラストはありますが、それは地域の産物や特色を示すイラストのみです。
たとえば愛知県豊田市付近では自動車のイラストがありますし、和歌山県の地図には柿のイラストがところどころに散らばっています。しかしキャラクターは出てきませんし、クイズ問題もありません。
これは、公立小学校の地図帳は、地図帳を開くことによってお子さんの理解を高める目的を持っている一方、アトラスでは、あくまでも地図帳を資料として活用していくための位置づけであるという、大きな違いがあるからと考えられます。
なお、山脈や川の名前、都市名などが書かれた地図のページは、両者でほぼ同じです。
広く見渡せる地図と、各地方の詳細地図がある点も同じですし、帝国書院の昔ながらのレイアウトで、標高が高いところは茶色く、平野部が黄緑色になっている点も同じ。
レイアウトが同じなので、小学校で配られる地図帳を見た後にアトラスを開いても、理解しやすくなっています。
公立小学校の地図帳とアトラスの違いその③!アトラスは統計や地域ごとの特色に関する情報が充実
最も大きな違いはこの点でしょう。
まず、アトラスに書かれている「統計情報」とは、よく地図帳の巻末に書かれている都道府県別の面積や人口一覧といったような内容だけではありません。
もちろんこれらも載っていますが、アトラスは中学受験用の地図帳。
そのため、「中学受験に頻出な統計情報」がピックアップして書かれています。
受験に頻出な情報というのは、たとえば〇〇の生産地であれば第一位は何県で何%、第二位は何県で何%という、棒グラフや円グラフで出題される、アレです。
親御さん世代から変わらず、地理において非常に重要なポイントであることは自明の理ですね。
これらの情報は、小学校で配られる地図帳には多く掲載されていません。
しかし、アトラスではこれでもかというほど充実しています。
売上分布が細かく掲載されている
たとえば工業であれば、各工業地帯の分布、各工業地帯における工業の種類(例:生産高第一位の中京工業地帯であれば機械67%、金属10%…など)、自動車工業や電子工業の売上分布などなど多岐に渡ります。
食料自給率から人口密度などについて網羅されている
ほかにも、電力源、発電所、エネルギー、解散資源、農業分布、米・野菜・果実・畜産物、水産業、鉱工業と貿易、食料自給率。もちろん産業だけでなく、人口密度や外国人人口、老年人口、航路や鉄道や高速道路網の変化も網羅。
国内だけではなく、世界の情報も掲載されいてる
また、世界との関わり合いとして輸出や輸入で多い品目や貿易額の変化、世界人口の変化、世界の言語などの情報、さらに、日本の地域ごとの特色として、町並み保存や方言、祭りや行事、伝統料理、伝統工芸品なども地図ごとにわかりやすく掲載されています。
果物別・野菜別・工業製品別の生産都道府県の%や順位が載った棒グラフ一覧など、出題者から見ても喉から手が出るほど情報がまとまっているのは、中学受験用の地図帳ならではと言えるでしょう。
なお、サピックスだけでなく、四谷大塚や日能研などの中学受験塾ではオリジナルの地図帳を用意しているところが多いです。
こういった中学受験専用の地図帳に加え、白地図も配られることが多いので、一般の地図帳でも小学校で配られる地図帳でもなく、専用の地図帳と白地図を駆使して、中学受験の地理を乗り切りましょう!
まとめ
サピックスの地図帳『アトラス』は、学校の授業で使う地図帳とは大きく異なります。
中学受験頻出の統計情報が非常に充実しているので、中学受験の地理の力を大幅にアップしてくれるアイテムです。
しっかり活用して、中学受験に臨みましょう。