中学受験で学習を定着させる復習の方法と予習のポイント

中学受験の勉強をする小学生中学受験の勉強は、内容も大変高度なだけでなく、量も非常に多いです。

お子さんが塾通いをしている場合、多くのことを勉強し、できるようにするだけでもなかなか大変です。

勉強に使用するテキストも多く、家庭学習によって成績を上げるためだけでなく、お子さんの中学受験の勉強をサポートするために、何を優先しどのように勉強させればいいのでしょうか。迷ってしまいますよね。

今回は、中学受験塾の講師経験から家庭学習において、予習と復習をどのようにしていけばいいかをご紹介します。

予習:復習=1:9で取り組もう

まず、予習と復習はどちらの方が大切なのでしょうか。また、どのくらいの割合でおこなえばいいのでしょうか。

答えは、予習と復習のうち、より大切なのは「復習」です。

そして、予習と復習は1:9の割合で、復習を重点的におこなうべきです。予習と復習のうち、どちらか1つしか選べないとしたら、迷わず復習を選んでほしいということなのです。

復習を重点的に行うべき理由

それでは、なぜ復習を重点的におこなうべきなのでしょうか。それは、中学受験の学習内容が高度だからです。

中学受験の学習内容は、小学校で使用している教科書の内容を優に超えています。

たとえば中学受験の算数は、つるかめ算や規則性など、いわゆる特殊算を扱います。

中学校の内容で学習するxやyを使えばつるかめ算などは方程式の要領で解けますが、中学受験の算数はxやyを使わず、図や式を自在に使いこなし答えを導きます。

そして中学校の社会では地理・歴史・公民の3分野を扱いますが、中学受験の社会も中学校の教科書と同等、またはそれ以上の内容を扱います。なかなかハードですね。

このように、学習する内容が高度なため、復習だけでも時間がかかり大変です。毎週のように新しい内容の定着を図るとなると、予習をしている余裕はなく、復習だけで精一杯となるはずです。

よって重点的におこなうべきは復習です。

勉強時間が限られている中では復習に時間をかけよう

中学受験をするお子さんは4教科の勉強をするうえに学校の宿題などの予定もあるため、時間も限られています。

「予習もさせないと!」と考えて予習の時間をとるも、予習内容が定着しなかったどころか、復習の時間がなくなってしまったとなってしまうと、本末転倒な話となりますよね。

「二兎を追うもの一兎をも得ず」という、まさにどちらも中途半端で終わってしまう結果となってしまうのです。

よって、予習よりもまずは復習をしっかりとおこなうことを意識しておくといいですね。

せっかく塾で勉強してきて復習のチャンスを目の前にしているのですから、苦手をつくらないためにも、まずはしっかりと復習をおこなうようにしましょう。

学習内容が定着する復習の方法

朝活をする受験生予習よりも復習をしっかりとおこなうべきということを説明しましたが、はたして復習は具体的にどのように進めていけばいいのでしょうか。

以下の3つのポイントを心がけて復習してみましょう。

  1. 塾の宿題を最優先にクリアする
  2. 解き直しを丁寧におこなう
  3. 新しい問題に手を出しすぎず、同じ問題を繰り返す

1.塾の宿題を最優先にクリアする

まず、塾から宿題が出されている場合は、塾からの宿題を徹底的におこない、復習に役立てましょう。

塾の宿題は、授業中に扱った内容の類題が出されるのが一般的です。

塾の先生も、お子さんの学習内容の定着を期待して宿題を出していますので、それをきちんとやりきることが定着の一番の近道となりますよ。

効果的な暗記とは

2.解き直しを丁寧におこなう

間違えた問題があった場合は、解き直しを丁寧におこないましょう。

受験生は間違えに気づき、納得した瞬間がもっとも学習内容が定着します。

間違えた問題ほど解き直しを丁寧におこなってください。塾からの宿題は「塾の先生のためにおこなう宿題」ではなく、「授業で学んだことを定着させるための宿題」です。

よって、もちろんマルばかりでなくてもかまいません。調べながら解いてマルばかりよりも、まずは塾で習ったことを思い出し何にも頼らずに挑戦し、間違えが多くてもその後にしっかりと解き直しをして納得した方が、確かな力がつくはずです。

3.新しい問題に手を出しすぎず、同じ問題を繰り返す

新しい問題、または問題集にはあまり手を出さず、解いた問題と同じ問題を繰り返し復習しましょう。

内容を定着させ成績を上げるためには、納得し自分の力で問題を解けるようにすることが大切です。

納得をするためには、いろいろな問題集を買い与え、手を広げすぎることは混乱の原因となってしまい逆効果です。

1冊の問題集を使い込んだ方がスムーズに理解できるだけでなく、達成感から自信につながりやすくなりますよ。

効果的な暗記とは

予習で確認しておくべき2つのポイント

受験勉強をする6年生ここまで、中学受験の勉強には復習が大切だということはお分かりいただけたかと思います。

しかし、学習する内容次第では、余裕ができる週もあるのではないでしょうか。そういった週のため、予習のポイントなどを説明します。

テキスト内容を確認しておこう

次回内容をテキストで確認しておくといいでしょう。中学受験の学習内容は高度です。

したがって、予習の段階で「身につける」のは難しく、時間がかかりすぎてしまいます。

塾で学習するときにスムーズに理解できるための予習ですから、テキストを読み「今度の授業ではこんな勉強をするのか」といったように、流れを確認しておくことが大切です。

重要な式、言葉は書いてみるのもアリ

重要な式、言葉は書いてみるのもアリです。予習の段階ではもちろん完全に定着できなくてかまいません。

ただテキストを眺めるよりも、メモ程度でも書くことを入れた方が、次に同じ内容が出てきたときに思い出しやすいのです。

余裕があるときには、ぜひ試してみてください。

成績が伸びる子と伸びない子

中学受験の勉強は復習が何より大切!

中学受験の勉強で大切なのは、予習よりも復習です。

家庭学習では復習を重視するという役割が明確であるほうが、中学受験の勉強がしやすくなるはずです。

予習もたしかに大切かもしれません。しかし、内容が高度な中学受験の勉強では、途中の苦手はしっかりと解消しておくことが重要です。

復習をしっかりとおこない、家庭学習の充実を図ってください。