中学受験の勉強と習い事の両立できるの?これは中学受験を決めたご家庭の多くが直面する問題です。
これまで続けてきた習い事をやめることは勇気がいることですし、ある程度のレベルを習得していると、やめることが「もったいない」と感じることもあるでしょう。
一方で、習い事をしている時間も、本当は勉強した方がいいのでは?と心配になるのも親心です。
そこで今回は、実際に2人の子どもの中学受験を経験した筆者が、中学受験と習い事の両立についてまとめました。
目次
中学受験と習い事は両立できるのか!?
中学受験を目指すと、習い事をやめるお子さんが多いですが、一方で、習い事をやめずに中学受験をするお子さんがいるのも現実です。
中学受験と習い事は、どのようにバランスをとり、どう取捨していくのが良いのでしょうか?
次から実例に触れながら、考えていきたいと思います。
中学受験を経験した子どもの習い事事情
中学受験を経験したお子さんは、実際に習い事をどうしたのでしょうか?
一例に、我が家の2人の子どものケースをご紹介します。
我が家の2人の子どもは、2人とも中学受験を経験しましたが、習い事についてはそれぞれ違う選択をしました。
コツコツ地道に勉強する性格の長女は、4年生の5月から塾に通い始め、4年生の途中で体操教室をやめたものの、幼いころから続けていた英語はやめることなく受験を迎えました。
一方、集中力はあるけれど、なかなかエンジンがかからない性格の次女は、3年生2月から塾に通い始めました。
当時、体操教室と英語教室に通っていましたが、5年進級時に体操教室をやめ、6年進級時に英語教室を1年休学し、受験勉強に集中する環境を作りました。
なぜ、姉妹で違う選択をしたのか?
その理由は、姉妹の性格の違いもありますが、姉の時の経験から「受験勉強と習い事の両立には親子共に覚悟と体力が必要」なことを痛感したからです。
娘たちが通っている英語教室は、宿題も多く、英検受験が必須であるなど、勉強時間を多く必要としました。
そのため、英語教室を続けていた長女は、受験勉強の合間に英語のための時間を作るのにとても苦労しました。
その経験から、次女は6年生の1年間は英語教室を休学し、受験勉強のみに集中することにしたのです。
習い事を続ける子と辞める子
同じ塾のお子さんでも、ダンスやピアノといった習い事をしていましたが、ほとんどのお子さんが、5年生、遅くとも6年生になるときには、習い事をやめていました。
一方で、同じ小学校で中学受験をしたお友達の中には、ピアノや野球、水泳などを続けていたというお子さんも少なからずいました。
但し、習い事を続けていたお子さんは、公立中高一貫校のみの受験を考え、私立受験は考えていないお子さんが多かったようでした。
公立中高一貫校のみの受験の場合、いわゆる私立中学型の入試とは少し違う勉強内容で、通塾回数も比較的少なめだったことが、習い事をやめずに受験するお子さんが多かった理由なのではないかと推測しています。
中学受験と習い事~いつまで続ける?
中学受験をすると決めたら、習い事はやめるべきか?
この正解は、お子さんの性格や志望校、ご家庭の方針などによって違います。
大切なのは、お子さんと親御さん、ときには塾の先生に相談して、「いつまで続けられるのか」ではなく「いつまで続けるのか」を明確にしておくことです。
親子で納得する選択をするためにも、以下の手順で習い事について検討することをおすすめします。
5年生までに習い事は整理する
塾に行く日が週に2~3日で、まだ塾の宿題もそう多くない4年生のうちは、塾と習い事の曜日が同じにならない限り、両立は難しくないでしょう。
土日に行われる模試なども、月に1回程度なのでそれほど負担にならないはずです。
ですが、5年生は、『5年生が勉強する内容が一番多い』との言葉通り大手塾では受験に必要な内容の大半を学習し終わる学年となるので、通塾回数が増えたり、家庭学習の時間も増やす必要が生じ、4年生のころと同じようにはいかなくなります。
そのため、塾でも5年生になるときに習い事を整理することをすすめられ、実際に習い事をやめたり、回数を減らすお子さんが増えます。
5年生になって慌てて習い事を整理しようとして、お子さんの思わぬ反発や、勉強へのモチベーション低下を招かないためにも、あらかじめお子さんと相談し親子で納得いく方針を模索しておくことをおすすめします。
6年生時は受験勉強に集中できる環境を用意する
6年生になると、普段の通塾に加え、過去問演習の時間が必要になったり、土日は模試や志望校別講座や特訓講座に通うなど、受験一色の生活になります。
私立校、特に御三家や最難関校といわれる学校を目指すお子さんは、学習すべき範囲もより広く、難易度も高いため、土日はもちろん平日でも隙間時間を上手にやりくりして勉強時間を捻出する必要が生じます。
そのため、志望校のレベルとお子さんの学力差にもよりますが、6年生はいくら時間があっても足りません。
習い事はやめるかお休みする選択肢をお子さんに示しておくことをおすすめします。
習い事を続けるときの注意点
中学受験をする場合、できれば習い事を整理して、6年時には受験勉強に集中できる環境を作るのが「中学受験」という側面からはベストですが、中には当てはまらないお子さんもいます。
目指す志望校のための勉強にそれほど時間をかけなくても十分な学力があるお子さんや、習い事をやめることで受験勉強のモチベーションが下がってしまうお子さん、受験時もレベルを落とさず、入学後もその習い事で活躍し続けたいといったお子さんです。
では、習い事を続けながら中学受験をする場合の注意点はどんなものがあるのでしょうか。
周囲への相談は早めに
最近のお子さんの習い事は、水泳や空手、野球やサッカーなどスポーツ系、ピアノや絵画など芸術系、英会話やそろばんなどの教育系など多種多様です。
この中で、特に周囲に相談が必要なのが、チームで活動する習い事です。
中学受験を目指すと、平日だけでなく土日にも模試などが入るため、野球やサッカーなど土日に試合や練習がある習い事では参加ができなくなることがあるからです。
チームや周囲に迷惑をかけないためにも、練習や試合に参加できない日が多くなることなどは早めに相談しておいてください。
子どもの様子に気をつける
受験勉強をしながら習い事を続ける場合、スケジュールは一層シビアになり、心身ともに忙しなくなります。
それでも頑張ってしまうのが子どもの良いところでもあるのですが、忙しすぎて疲れてしまっては、受験勉強も習い事も良い成果が得られませんし、お子さんのやる気も失せてしまう可能性があります。
くれぐれも、お子さんの様子に留意して、必要に応じて「やすむ」ことを促すのも親の役目です。
まとめ
今回は、中学受験と習い事の両立についてまとめてみました。
一般的に中学受験を目指すお子さんは、学年が上がるにつれて習い事を整理し、やめることを選択することが多いですが、中には習い事をやめずに中学受験をするお子さんもいます。
いずれの選択をするにしても、習い事は「いつまで続けられるのか」ではなく「いつまで続けるのか」を親子でよく相談し、納得しておくことが大切です。
それでも、お子さんが迷ってしまう場合は、親御さんが判断することが必要だと筆者は考えます。
親御さんがお子さんを思って真剣に考えた結論ならば、お子さんも分かってくれるはずです。