共働きの世帯にとって、子どもが小学生になると悩ましいのが「放課後の過ごし方」。
保育園や幼稚園では遅くまで預かってもらえたけれど、小学生の帰宅時間は日によっては半日で終わってしまったりすることもあります。
そんな時に助かるのが「学童クラブ」や「学童教室」などとも呼ばれる「放課後児童クラブ」。
ですがせっかく入った「学童」にお子さんが行きたがらなかったら、親としてどうしますか?
今回は学童で働いた経験から、そんな「学童に行きたくない」と子どもが言い始めたときの対処法などをお伝えしていきます。
なお今回の記事内では「放課後児童クラブ」ではなく、よく耳にする「学童」という名前を使ってお話させていただきます。
目次
学童・放課後児童クラブに「行きたくない!」〜子どもが行きたくない理由とは?〜
共働き世帯にとっては夕方~夜、学童に迎えに行ってから就寝までの時間はとってもハードなものです。
夕飯の準備をしながら宿題を見て、明日の学校の準備をさせ、お風呂の準備をして…ととにかく1分1秒を無駄にすることができません。
そんな中、子どもに「学童に行きたくない」と言われても、親としては「行ってもらわないと困る!」というのが本音ではないでしょうか。
ですがまずは時間を作って子どもと向き合い「行きたくない理由」をよく聞いてあげましょう。
学童に行きたくない理由は以下の理由が考えられます。
学童の雰囲気にあっていない
学童保育にも様々な形があります。
公立運営の学童や民間運営の学童など運営も違えば、運営元は同じでも、「クラブ」ごとに雰囲気が違ったりすることもあります。
筆者自身も学童で働いたことがありますが、運営は同じでも1つひとつ「クラブ」ごとに「色」があります。
同じ学校敷地内にある運営元が同じ、建物だけ違う2つの学童でも、一方は非常に厳しさのある、礼儀礼節を大切にしているクラブ、もう一方は子どもらしくのびのびとして割と自由なクラブでした。
もし雰囲気になじめていないようなら「学童」を変えるのも1つの方法かと思います。
とはいえ、「学童」に入るのは「小1の壁」と言われるほど大変な地域もありますので簡単なことではないかもしれません。
ですが近くに別の学童が存在するのなら、検討してみてもよいでしょう。
疲れてしまっている
特に小学1年生は新しい環境に疲れてしまっているのかもしれません。
学校生活で疲れ、放課後は慣れていない友だちやお兄さんやお姉さん、大人と過ごすのは子どもにとってはかなり負担になっているはずです。
学童での様子を学童の先生(指導者)に聞きながら、少し様子を見守ってあげ、休日はゆっくり過ごせるようにしてあげましょう。
慣れてくれば自分なりの学童での過ごし方ができるようになってくるでしょう。
苦手な子がいる
学校でもそうですが、クラスの中には様々なタイプの子がいます。
学校では自由な時間が限られているので、さほど気にはならなくても、自由な時間の多い学童では苦手な子の言動が気になってしまっているのかもしれません。
また学童はさまざまな学年と一緒に同じ空間で時間を過ごします。そのため上の学年の子の言動に気後れしてしまっているということもあるかもしれません。
もし、苦手な子がいるような場合には、学童の先生(指導員)に相談してみるのも一つです。学童での様子を聞いたり、心配なことは遠慮なく相談してみましょう。
場合によっては苦手な子と席を離してもらえたり、遊びの時間に注意して見守ってもらえたり、何らかの配慮をしてもらえるかもしれません。
学童での生活に飽きてしまっている
学童では基本的に同じスケジュールで活動していきます。
また場所や遊び道具も限られた中で過ごすので、長く通っていると学童での生活に飽きてしまう子もいます。
もちろん、学童でもそうならないよう、各クラブでイベントを計画したりすることも多いですが、夏休みなどの長期休暇中は朝から夜まで毎日同じ繰り返しなので、友だちと遊べるのは楽しいけれど、別の友だちと遊びたい!などの気持ちが大きくなり「学童に行きたくない」となってしまいやすくなります。
そんな時は、この記事の後半お話しする「放課後子ども教室」を利用してみてはどうでしょうか。
地域などにもよりますが、「学童」を利用しながら「放課後子ども教室」を利用することができたり、夏休みにも開設されていたりもするので、いつもとは違う体験が出来たり、学童を利用していない友だちと放課後遊ぶことができ、気分転換になるかもしれません。
放課後児童クラブ(学童クラブ)から「放課後子ども教室」や「習い事」へ
「放課後児童クラブ(学童)」と名称が似ている「放課後子ども教室」をご存知でしょうか?
名称が似ているので間違えやすく、同じだと思っている方もいるかもしれませんが、全く違うものになります。
簡単に言ってしまえば「学童」は「生活の場」なのに対し、「放課後子ども教室」は「活動の場」とされています。
「放課後子ども教室」は、親の就労状況にかかわらず利用することができます。
活動内容も自主学習や読書、スポーツをしたり、工作をしたりなど様々なプログラムが用意されている場合もあります。
この「放課後子ども教室」は「学童待機」の解消のためにも進められている事業ですが、まだまだ実施していない地域もあります。
しかし、もし「放課後子ども教室」が充実している地域ならば、「学童」ではなく「放課後子ども教室」を利用検討するということも出来ます。
教室によっては毎日やっている場合もあり、17時頃終わることも。
17時まで学校に居てくれれば十分な家庭であれば、放課後子どもは好きなこと、興味のあることをして過ごせるので子どもにとってもよい環境になるかもしれません。
また保険料や教室によっては材料費が必要な場合もありますが、基本的に利用料は無料のところがほとんどです。
さらに、「学童」は定員の都合上利用できるのは小学3年生までのところも少なくありませんが、「放課後子ども教室」は小学6年生まで利用することができます。
また、小学生になれば自分のやりたいことも明確になってきて「習い事」に興味を持つこともあります。週の中で数日は「習い事」に行くことで緩急をつけるのも1つの解決策になるかもしれません。
まずはしっかり子どもの意見を聞こう!
共働き世帯にとって学童はとってもありがたい場所です。
子どもを見守り、宿題をさせる時間を作ってくれ、間食まで準備してくれるありがたい存在です。
しかし、子どもにとって学童が必ずしもいい場所かどうかはわかりません。
子どもが「学童に行きたくない」となったとき、まずはその理由をきちんと聴いてあげましょう。
その理由は必ずしもネガティブなものではないかもしれません。
子どもの気持ちや考えを受け止め、子どもと一緒に放課後も楽しく過ごせる方法を模索してみてみましょう。