手先の器用さは大人になってからも多くの場面で役に立つもの。
不器用で苦労した経験がある人ほど、わが子は手先が器用な子に育って欲しい!と思いますよね。
「子どもが器用になるためにはどうしたらいいのだろう」「親が不器用だから、子どもも不器用になってしまわないか心配…」と悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、手先が器用な子の特徴や、手先が器用になるための遊びや生活のポイントを、元幼稚園教諭の目線からお伝えしていきます。
手先が器用な子に育てたいと思っている親御さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
器用な子どもに共通していることは?手先が器用な子の特徴
0歳~1歳の赤ちゃんの頃は、まだ手先の器用、不器用にあまり差がありません。
しかし、2歳を過ぎた頃から、手先の器用さに個人差が出てきます。
手先を器用に使うことは、脳を活性化させ、学力にも影響するという研究結果が出ています。
幼児期に、手先が器用な子はどのような特徴があるのでしょうか。その特徴を3つお伝えします。
1.道具を正しく使うことが出来る
器用な子どもは、はさみや、おはし、鉛筆など生活や活動で使う道具を正しく持ち、使うことができます。
はさみや鉛筆の正しい持ち方、使い方は幼稚園の活動を通して指導していきますが、教えたことを理解して、正しく持ち、活動に積極的に参加できる子は、器用な子が多い傾向があります。
道具を正しく持つことで、作業をスムーズに思い通りに行うことができます。
正しい持ち方を習得→自分が思うように書いたり、切ったりできるようになる→活動が楽しく、集中して積極的に取り組むようになるといった良いサイクルが生まれます!
一方で、正しい持ち方が出来ないと、思い通りに作業が進まずに、嫌になったり集中力が切れてしまったり…。
手先の器用さは、活動への参加意欲にも影響を与える可能性があります。
2.創造性が豊かになる
道具が上手に使えるようになり、思い通りのものが出来上がってくると、こんなこともできるかも、こうしたら面白いかも!と新しいアイディアが思い浮かぶようになります。
そして、想像力が豊かになることで、遊びや製作の幅が広がり、大人が思いつかないような斬新な発送で、遊びを展開したり、作品を作ったり、絵を描いたり…遊びも活動も楽しめるようになります。
創造性が豊かで、製作を得意とする子は器用な子が多い傾向があります。
3.リーダーとしてグループやクラスを引っ張っていく存在に…!
クラスに1人、2人いるリーダー素質がある子。その子どもたちも器用な子が多い傾向があります。
クラスのリーダーになるためには、自信を持って活動に参加できること、周りの友だちが信頼する存在であること、みんなをまとめる力があることなどさまざまな要素を兼ね備えている必要があります。
手先が器用な子は、活動の一つ一つを上手に丁寧にこなすことができるため、周りの子どもたちから信頼され、尊敬され…自分に自信を持つようになります。
そして、行動の見通しをたてることも得意で、上手くできない子のサポートをし、クラスを引っ張っていく、そんな活躍の数々から、クラスのみんなが信頼するリーダーへとなっていくのです。
手先が器用だと、作業がスムーズに出来るということだけでなく、友達関係も上手くいくことが多いと感じます。
もちろん、手先の器用さだけでなく、発達段階や性格などさまざまな要因が重なって、行動として現れるので、必ずしも器用だからといって全てが上手くいくわけではありませんが、園や学校生活など社会生活で約に立つことは間違いなし!
幼児期から子どもに器用さを身につけて欲しいですよね。
遊びと生活から器用さを身につけよう!今日からできる3つのこと
では、手先を器用にするためには親として、何をしてあげたらいいのでしょうか?
遊びや生活のちょっとした工夫で、手先を鍛えることができます。
ここでは、遊びや生活の具体的な3つの工夫をお伝えしていきます。
1.お手伝いを積極的にする
家事は指先を鍛えるような動きがたくさんあります。
たとえば、洗濯物を畳む作業、洋服を広げて、折りたたみ、しわにならないように重ねていく作業は単純なようで指先や、手首を動かす多くの工程が含まれています。
食事の片付けも、食器を集めて重ねる、握って持ち運ぶ作業まで、ひとつひとつが指先を使う動きの連続です!
お手伝いを習慣化することで、手先をよく使うようになり、指先のよい運動になります。
すぐには上手くできず、時間もかかりますが、回数を重ねていくうちに丁寧に早く出来るようになります。
家事のお手伝いは、ぜひ取り入れて欲しい習慣です。
2.粘土遊びや砂遊びを積極的に取り入れる
粘土遊びは1歳や2歳の小さい子どもから楽しめる遊びです。
始めは、粘土に触れて柔らかい感触を楽しむところから、徐々にちぎったり、丸めたり、形にして見立て遊びをするなど遊びを発展させて楽しむことができます。
また、粘土は小麦粉粘土や紙粘土、素材によって感触に違いがあるのが面白いところ!
素材を変えることでまた違った発見があり、今までとは異なる力の加減や動きが必要になる場合もあります。
いつも同じものではなく、素材や粘土遊びの道具に変化をつける方法がおすすめです。
砂遊びで特におすすめなのが、泥団子作りです。簡単そうに見えて実は奥が深い泥団子作り。
ちょっとした加減や指先の動きで、泥団子は簡単につぶれてしまいます。
まだ、2歳~3歳の頃は加減が難しく、上手に作れない子も多いのですが、経験を重ねていく事で、どのくらいの力で団子を握ればいいのか、丸める動き、砂をかける動き、さまざまな動きを連動させて上手に作ることができるようになります。
器用な子は、泥でできているとは思えないほど…艶やかで、固いお団子を作れるようになっていくので、驚きです!
小さい頃から経験しておくと、指先や手の平全体の使い方、力の加減を学び、器用さを身につけるための良い運動になります。
3.室内遊びだけではなく、運動遊びもバランスよく取り入れましょう
手先を器用にするというと、はさみの練習にお箸の練習、細かい作業など室内で細々した活動を繰り返し行うイメージがあるかと思いますが、実は運動遊びも手先を器用にするためのトレーニングとしては最適です。
例えば、ジャングルジムなどのアスレチック遊具は、手で掴む動きを繰り返し行います。
指先までしっかり力が入らない子は安定感がなく、遊具を怖いと感じてあまり積極的に遊ばないことがあります。
手先にしっかりと力が入り握ることができる、正しい位置を判断して掴むことが出来ると安定してアスレチック遊具を楽しむことができます。
この握る、力を入れる、離すなどの動きの連続は、手先を鍛えて器用さを身につけるためにとても効果的です!
手先だけでなく、体全体を使う動きで脳の動きも活性化させ、体全体を上手にバランスよくコントロールできるようになります。
手先を器用にするためには、室内の遊びと外遊びをバランスよく取り入れてきましょう。
まとめ
子どもの手先の器用さはどのように身に付けたらいいのか、器用な子の特徴や生活、遊びのアドバイスまで、幅広くお伝えしていきました。
手先が器用なことは、道具を上手に使えるようになるだけでなく、創造性を豊かにし、心の成長も促します。
生活や遊びで自然と手先を動かす活動を取り入れて、幼少期から手先の器用さが身につくよう環境づくりを工夫しましょう。