小さなお子さんがいる親御さんなら「リトミック」という言葉を耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
しかし、水泳や体操等の幼児の習い事と比較し、何をしているか説明するとなると難しいと感じる方もいらっしゃると思います。
今回はリトミックとは具体的に何か、子供に期待される効果についてご紹介していきます。
目次
リトミックは身体を使って表現をする
リトミックは、スイスの作曲家エミール・ジャック・ダルクローズが考案した音楽教育法です。
音楽を聴くもの、奏でるものとしがちであった従来の音楽教育と違う点は、心で感じたことを、身体を使って表現することにあります。
耳だけでなく、全身でリズムや音を感じ取り、演奏したり行動表現したりすることで、創造力を養うことが出来るとされています。
リトミック教室のプログラム
上記で説明したリトミック、これではまだイメージが具体的には持てないですよね。
ここからは、2歳半の娘が1年半通うリトミック教室で実際に行っていることや他のリトミック教室の体験で行ったことを解説していきます。
ピアノの音に合わせて行動する
ピアノの音がゆっくりの時はゆっくり歩いたり、テンポのいい時は小走りしたり、音を聞き分けていきます。
音が変わるタイミングをよく聞き、正確に対応していくことが求められます。年次が上がると、悲しい曲調の時は、悲しみを表現するなどの行動表現もあります。
遊具や物を使いながら表現を学ぶ
例えばフラフープであれば、汽車ごっこを行います。
またフラフープを何個か並べ、音楽に合わせて、リズムよくジャンプで進んだりします。
リボンであれば、リボンを音に合わせて、自分の体より大きく回したり、波のようにヒラヒラと柔らかく動かしたりします。
リズム感は勿論、運動的な要素もありますし、子供にとって物をイメージ通りに扱うことは大人が想像する以上に難しく、脳や手先の訓練の意味もあります。
お絵かきや工作をする
リトミックでは季節の歌などを扱うことが多いです。
例えば七夕であれば、皆で童謡の「たなばたさま」を歌います。
その後、シールや折り紙、クレヨンなどを使い、自由に天の川や星を表現します。
固定観念のない子供達は音楽から感じた静かな夜のイメージを表現していこうとする等、耳からの情報を視覚化していきます。
リズム表現の延長として楽器を使う
リトミックは本来、音楽を体で表現することを目的としているので、楽器はあまり使用しません。
しかし、上記のリズム表現の延長戦上で、タンバリン、すず、カスタネットを使用することもあります。
子供に合ったリトミック教室の選び方
上記でリトミックの内容をあげましたが、実は教室により内容は様々です。
ここでは、体験教室などを通じ、教室を選ぶポイントをまとめてみました。お子さんが楽しみながら通えるリトミック教室のチェックポイントとして参考にしてみてください。
教室の種類
リトミック教室はリトミック専門団体、音楽教室、自治体等が開催しています。
月謝も様々ですし、楽器をメインとするところ、家庭的な雰囲気なところ、カリキュラムが体系化されているところ等、各々違います。
お子さんの成長目的に合うところを選びましょう。
先生と生徒の人数を把握する
筆者の子供が通っているリトミック教室は、演奏する先生と指導する先生の2人体制です。
その為、授業がスムーズに進む印象があります。
何人体制で教えてもらえるのか、また、生徒の最大人数も確認しましょう。
演奏の仕方を確認する
教室によっては、ピアノ演奏をするところ、CDを流すところがあります。
せっかくならば生演奏でリトミックが出来る教室をお勧めします。ピアノの生演奏に触れることで感性豊かに表現が出来るようになります。
リトミックで得られる効果
リトミックでどんな効果が得られるのか実際通ってみて感じたことわかったことをご紹介します。
1.集中力が身につく
音を聴いて、表現をするためには、耳を澄ませ、音やリズムに集中する必要があります。
子供を見ていると、集中力は最初からあるものではなく、繰り返し訓練していくことで鍛えられるものなのかなと感じます。
集中力は将来勉強や運動をする時にも不可欠な為、幼少期に身につけておくといいかもしれません。
2.自己表現が出来るようになる
音楽を聴き、それを自分の力で表現することが出来るようになります。
筆者の子供はCMから流れてくる音楽に手拍子をしたり、「この曲は悲しい」と感想を言ったりするようになりました。
豊かな自己表現能力とそれを人に伝えようとする力は、コミュニケーション能力にも繋がってくるでしょう。
親の私達世代とは違い、今はダンスが必修科目となっている時代です。表現力の重要性は増してくる一方ではないでしょうか。
3.運動の基礎となるリズム感が得られる
実は意外かもしれませんが、リズム感を必要とする運動は多いです。
例えば縄跳びは、縄がくる一定のタイミングでジャンプをします。また走り高跳びや反復飛び等も、リズム感が必要とされている運動です。
1歳や2歳からリズムを養っておけば、将来の運動能力向上に役立つかもしれません。
4.教室の中で社会性が学べる
教室に通うことで、友達との距離の取り方を学ぶことが可能です。
また自分の表現を他の子に見せ、他の子の表現を見ることにより、自分と相手の感じ方が違うことを学べます。
まとめ
子供とリトミックを楽しむ時間は、親自身にとってもゆったりとした癒しの時間です。
情緒の安定にも繋がるリトミック、一度体験してみてはいかがでしょうか。