子どもの感性を育もう!家庭でできる感性の磨き方

感性の育て方感性の豊かな子に育ってほしい、親御さんはみなさんそう願っていますよね。

とはいえ、感性という抽象的なものをどう育てればよいのか、頭を悩ませる方もいらっしゃることと思います。

そこで今回は、感性とは何か、幼児期にどうように育むことができるのかをたくさんの子ども達をみてきた教諭経験からご紹介していきます。

感性とは?

感性とは、簡単に定義すると「物事を深く感じ取ること」です。

道徳教育の目標には、「豊かな人間性」を育む事項として、「美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性」が挙げられていました。

豊かな人間性を育むためには、柔らかな感性を育てることが求められるということですね。

保育所の保育指針には、「様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培うこと」と書かれています。

また、日本と同様に、海外でも感性は重要視されています。例えば、有名なシュタイナー教育では、自分の目で見て体験することが感性の育成につながるとされています。

つまり、テレビやインターネットなどの疑似体験で知識を得るのではなく、様々な実体験を大切にすることが重要だと言えそうですね。

ひらめき力がある子供

家庭で感性を育むには?すぐに実践できる5つの方法

豊かな感性を育むには、多様な体験が必要ということになりますが、家庭ではどのような取り組みができるのでしょうか。

習い事に行ったりすることも一案ですが、ここでは家庭ですぐに実践できる方法を考えてみます。

1.五感を働かせよう

お子さんと公園に遊びに行って、スマホに夢中…という経験はないでしょうか。

家でも近所のお散歩でも、今すぐにできることは「五感を意識すること」です。
春の訪れに関するおしゃべりを例にとってみましょう。

●視覚:色んな色のお花が咲いてるね。
●聴覚:鳥の声が聴こえる、鶯かな?
●臭覚:桜の花はどんな香りがするかな?
●味覚:いちごがおいしい季節だけど、どんな味がするかな?
●触覚:小川を流れる水はまだちょっと冷たいかな?

大切なことは、親も五感をフル活用するということです。親がスマホに夢中なのに、子どもには五感を働かせろと言っても難しいですよね。

親と子どもが別の感想をもっても構わないのです。その別の感覚を知ることで、子どもは多様な感覚を受け入れられるようになります。

子どもは大人が気にもかけないような一瞬のことにも心を動かし、毎日多くのことを学んでいます。それを大人と共有し、味わうことで、更に深く心が動きます。

家の中で料理をしたり、ベランダに出たりするだけでも、たくさんのネタが見つかるのではないかと思います。

2.動植物と触れ合おう

動物を飼育したり、植物を栽培したりすることも、子どもには大きな刺激になります。園や学校でも、魚や動物を飼っていたりしますよね。

家で飼うことができなかったとしても、道で出会ったダンゴムシなどに心惹かれる子はたくさんいます。親も一緒に興味をもって覗き込んでみると、意外な発見があって話が弾むかもしれません。

また、家庭菜園とまではいかなくても、家で簡単な野菜栽培をすることもおすすめです。お子さんと摘み取って料理に使えばワクワクするはずです。

3.美しいものに接してみよう

絵画や音楽など、美しいものに接する体験も重要です。

展覧会に行けば、子どもは自由な心で作品に向き合うでしょう。演奏会では、見たこともないような楽器やその音色に驚くかもしれません。

美術館や演奏会に出向く余裕がない場合でも、図書館にかかっている絵画についておしゃべりをしてみたり、お母さんの好きな歌を一緒に歌ってみたりするだけでも、子どもにとっては豊かな体験になっています。

4.身体を動かそう

子どもは、走ったり、転がったり、ぶつかったり、そんなよくある動作の中でも日々発見を繰り返しています。

泥んこになって思い切り遊んだ思い出などは、記憶に残りやすいのではないでしょうか。

思いっきり身体を動かす経験や、様々な種類の遊具や道具で遊ぶ経験などは、感性にうったえかける力があります。

外遊びを楽しむ子供

5.実体験をしよう

現代社会は、インターネットの世界だけで生活が成り立ってしまうような側面があります。

意識をしないと、擬似体験を実体験とすり替えてしまうことにもなりかねませんよね。

幼少期の子どもたちの心は、好奇心でいっぱいです。

よく見て、よく聴いて、よく触るためには、本物との出会いが欠かせませんので、たくさんの出会いの機会を作ってあげたいものです。

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まとめ

とは言え、忙しい日々の中で、子どもに付き合う時間はなかなかとれないという方も多いと思いますが、無理をして頑張ろうと思わなくても大丈夫です。

親が自分の感性を磨こうという思いをもっていれば、自然と子どもに対する言動が変わってくるからです。

仕事を終えて、「あぁ、疲れた」と言って帰ってくるお母さんと、「今日、梅の花が咲いてるのを見つけたよ!」と言って帰ってくるお母さん、どちらが子どもの心を動かすかは明白ですよね。

子どもは親の背をみて育つと言いますが、豊かな感性をもっている親御さんのお子さんは、自然と感性の磨き方を学んでいるように思います。

ほんの少し意識をして、日々の小さな感動をみんなで共有することで、柔らかな感性を育てていけるといいですね。