幼児期には「音育」を!リトミックのすすめ

幼少期にはリトミック(音育)

最近はひとつの習い事としても注目を集めている「リトミック」。

リトミックとは、音楽に合わせて自分の思うままに身体を動かしたり表現したりすることです。

幼稚園や保育園などの幼児教育の場面では「音遊び」として行われてきました。

ピアノやバイオリンなど何か楽器を始める前段階の音楽系おけいことして習わせるご家庭もありますね。

同時に、知能を発達させる知育と並んで、音楽に親しむ「音育」というのが言われ始めています。

音楽を始めるなら3歳までが良いと言われるくらい、小さい子の耳は非常に優れています。

小さい頃の音育は、聴こえの観点から見ても効果抜群ですし、それだけではなく情操面の発達にも有効だと言われています。こういったことから、音楽系の習い事として「リトミック」を選ばれるご家庭が増えているようですよ。

リトミックとは

リトミックとはそもそも、スイスの音楽教育家・作曲家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)という人物によって提唱された音楽教育の方法です。

当時彼は、音楽学生の音楽センスはどのようにすれば向上するのかという問題に対して色々と試行錯誤しました。

その結果編み出されたのがリトミック。

音楽と身体的な動きを一体化させ、自由に表現することで音楽的センスが磨かれると考えたのです。

子どものリトミックは楽しい音遊び

小さい子のリトミックは、先生が弾いたピアノに合わせて自由に身体を動かす遊びが中心です。

先生のリズムに合わせて手をパチパチ叩いてみたり、聞こえてきた音やリズムから連想したことをそのまま表現してみたりというようなことをします。

1レッスンの中では楽しい歌やリズムのついた挨拶まで、様々な音のプログラムが多彩。とにかく楽しみながら音楽的センスを磨くことができるのがリトミックの特徴です。

例えば、聞こえてきた音が低音でどっしりした音だったなら、「ぞうさんがやってきた」という子どもの発想力に合わせて、ぞうさんのマネをしてみます。

お題から想像して、好きな楽器を鳴らしてみたりもします。教室では年齢や発達に合わせたプログラムが組まれています。

ピアノやバイオリンの習い事の第一目的が楽器そのものの演奏の仕方を学ぶことなのに対して、リトミックの目的は音や音楽そのものに親しんだり、音楽全体の表現力を磨いたりすることと言えそうです。

特に小さい子の場合は、なるべく早いうちに音楽系の習い事をさせたいなと思っていても楽器を扱える年齢になるまでは難しいです。

でもリトミックなら赤ちゃんの時から取り入れることができるので、習わせやすさはありますね。

「音楽を習わせたいけれど、うちの子に合うかわからない」
「いきなり触ったこともない楽器を習うのはちょっとハードルが高い」

と思っているご家庭でも、音遊びメインのリトミックならお子さんも肩肘張らずにやってみることができます。

リトミックの効果は?

リトミックの効果は、音感が良くなることももちろんですが、次のような効果も見込めると言われています。

  • 音楽を通しての心身の調和
  • 表現力の向上
  • リズム感を養うことで運動能力の発育を促す

そもそも、ダルクローズがリトミックを考案した目的が「心と身体の一致・調和を促す」ことでした。

リトミックは音楽を通して己自表現することがとにかくたくさんありますので、小さいうちから表現力が磨かれます。

また、音や音楽に合わせて身体をたくさん動かしますので、小さな子にとっては特に運動能力の発達も見込める習い事といえるでしょう。音楽と運動を組み合わせた習い事と位置付けられるかもしれませんね。

他にも、「音に対する反応が良くなった」「音楽に合わせて身体いっぱい動かしてリズムをとっていて楽しそう」などの声がみられます。

大きい子のクラスになると、楽典(音符や楽譜などの音楽の基本的知識)のような要素もプログラムの中に含まれてきますので、他の楽器演奏や小学校での音楽の時間にもスムーズに対応できるでしょう。

音育は子どもの心に安定をもたらす!

バーモント大学の心理研究チームによると、6〜18歳の楽器演奏をしている子どもの脳をスキャンしたところ、行動のコントロールや抑制に関わる脳領域に変化が見られたとのこと。

これは、どうやら不安や抑うつとの関係が深いようで、音楽が子どもの精神的安定と関わりがあることを示唆しているといいます。

子どもの頃から音楽に親しむことは「情操教育」の一つとしてこれまでも言われてきましたが、脳科学的に見てもそれが実証されようとしているのです。

こういったことを鑑みても、赤ちゃんから気軽に始められ、楽器を習う前の導入としても挑戦することのできるリトミックは、やってみて損はない習い事の一つと言えるのではないでしょうか?