“手先の器用さと学力は比例する”ということを聞いたことがあるでしょうか。
優秀な学力を持つ子どもほど器用に何でもできてしまうと言います。
それならば、我が子にもぜひ手先が器用になって欲しい、と考えてしまうのが親心です。
今回は手先が器用になることのメリットや、器用にするための方法についてご紹介していきます。
乳幼児期からも始められるので、試してみてください!
目次
手先が器用になることのメリット
親自身手先が不器用だと、“子どもには苦労させたくない”という思いも強くなるかもしれません。
それは“不器用だから苦労したことがある”と感じたり、経験したりしてきたからだと思います。
では、逆に手先が器用な場合にはどのようなメリットが考えられるでしょうか。
効率のよい行動がとれる
たとえばハサミで紙を切る時、1回でまっすぐ切れなかったとします。
そうするとまっすぐにするために、必然的にもう1度同じ切る動作が必要になります。
それだけで1回でまっすぐ切れた人との間に“差”が出来てしまいます。
この“差”は1回だと微々たるものかもしれませんが、積み重なると“大きな差”になります。
それは“周囲からの遅れ”として形に表れてしまいます。
子どもたちの生活の中ではこうしたハサミを使う工作や色塗り、文字を書く、消すといったたくさんの作業があります。
そうした作業がスムーズにいくと、やるべきことに集中して取り組むことができるでしょう。
想像力があり、想像を実現できる
手先が不器用な人の特徴に、“想像力がない”ということが1つ挙げられます。
何かやるべきことや作るものがある時、最終的なゴール、完成形が頭に描き、それに近づくにはどうしたらいいか、イメージしながら作業することができれば器用にこなすことができるのですが、不器用な人にはそれが難しいのです。
自分の思い描いた成果が現れたり、形になったらやはり嬉しいものです。
集中力が身に付く
何事もそうですが、最初からすべて上手くこなせる人はいません。
どんなに器用な人でも最初は不器用な人と同じスタートライン上にいます。
しかしスタートしてみると、手先が器用な人はコツを掴めばできるようになっていきます。
それに対し不器用な人は、上手くいかずコツコツそのまま続けられる人もいますが、上手くいかないことを理由に止めてしまう人もいます。
すぐにやめてしまうことが多くなれば、手先が器用な人に比べて集中する時間が減り、結果的に集中力の差ができてしまうでしょう。
手先を器用にするために!指先を使う6つの遊び
では、どのようにしたら手先は器用になるのでしょうか。
そもそも、人の器用さは生後2か月頃からの指の発達から関係してきます。
生後2か月頃になると、手に触れたものを握るようになり、生後3か月頃にはある程度自分の意志で手を開閉させることができるようになっていきます。
生後8か月頃になるとつまんだり、手から放したりすることもできるようになり、生後11か月~1歳頃からは器用さが増していきます。
では、具体的に手先を器用にする遊びはどんなものがあるかみていきましょう。
積み木
積み木には様々な素材のものがあります。
布製のものはまだまだ手先の器用ではない1歳頃から使って、つかむ、放す、重ねるといった基本動作の練習に、手指の器用さが高まったら木などの違う材質のものにしてみたり、丸や四角、三角などの様々な形や大きさのものを取り入れたりと年齢や発達段階に応じて選ぶことができます。
また手先の発達だけでなく、想像力や集中力の向上も期待できる遊びです。
シール貼り
シール貼りはおもちゃを使った遊びよりも繊細な指の動きを必要とし、指先を思い通りに使えるようになることを目的としています。
子どもはシール大好きですが、シールを買って、なくなったら買って…となると出費の方も気になるところです。
最近では貼ってはがせるシールブックもあるのでそういったものを利用するとよいかもしれません。
シールブックは100円ショップでも販売されていますので、手軽に楽しむことができそうです。
お絵かき
1歳頃からはじめられる遊びです。クレヨンやクーピーなどを握りしめる練習からはじめていきましょう。
基本的には自由に描かせてあげるのが基本です。
クレヨンやクーピーなどの持ち方については賛否両論、様々な意見があります。
“自由にさせてあげるのがよい”という意見もあれば、“後から矯正するのは大変だから正しい持ち方を最初から教えるのがよい”という意見もあります。
これは保護者の方がよい、と思う方で構わないのではないでしょうか。
1歳頃はまだまだ“ふとした瞬間”に持っているものを口に運んでしまうこともあるので、遊ぶ時にはクレヨンやクーピーなどの画材に気をつける必要があります。
おりがみ
伝承遊びのひとつです。
最近では認知症予防にもよいとされ最注目されている遊びです。
子どもの時はよく遊んだけれど、大人になるにつれて折る機会がなくなってしまう人も多いかと思います。
折り紙は指1本ではなく複数の指を動かさないといけないので非常に指先を使います。
最初は上手く角と角を合わせたり、折り目がつかなかったりするかもしれませんが、コツを教えてあげながら大人が見守ってあげると集中してできるかもしれません。
そう考えると集中力が付き、ある程度指示を理解できるようになる3歳頃が本格的に始めるのにいいかもしれません。
3歳前は何かを折るというよりは、思い切り紙に触れる機会としたほうがよいかもしれません。
あやとり
おりがみと同じく伝承遊びのひとつです。
紐1本あればどこでも遊ぶことができるので、お出かけ先でもできる手軽な遊びです。
様々な指にかけたり、はずしたりと難しいものを作るほど指先の複雑な動きを必要とするため、指先の発達具合で作るものを変えることができるのも魅力的です。
また、1人で遊ぶだけでなく、2人、複数と人数を増やして遊ぶこともできるので、コミュニケーション能力向上の効果も期待できます。
紐通し
“手先を器用にさせる玩具”としてオーソドックスなので、1番初めに思い浮かぶ玩具かもしれません。
様々な紐通し玩具が販売されていますが、大きく分けると“パーツをつなげて遊ぶタイプ”と穴に紐を通していく“ソーイングタイプ”があります。
子どもの興味に合わせて選んであげると夢中で遊んでくれるでしょう。
紐通しは年齢に合わせたもの、簡単すぎず難しすぎないものを与えましょう。集中力の向上も期待できます。
他にも粘土遊びやちぎり絵、ビーズやおはじきなども手先の器用さを高めてくれるでしょう。
乳幼児期から始められる!生活の中で手先を使うことを意識しよう
指しゃぶり
指しゃぶりは自分の体の認識や手を動かす練習をしていると言われています。
赤ちゃんは指しゃぶりで安心感も得ているため、無理にやめさせず、衛生面などに気を付けて見守ってあげましょう。
手づかみ食べ
手づかみで食べると服や部屋を汚してしまう可能性があるため、二の足を踏んでしまう親御さんも多いかもしれません。
しかし、手づかみをすると食材に直に触れることができます。
固い、柔らかい、温かい、冷たいなどの感覚を体験することができ、指の発達の刺激になります。
道具を持たせる
ある程度指の発達が進んで来たら、道具を使うこともできるようになってきます。
箸やハサミ、包丁などが使えるようになると創作やできる活動の幅も広がり、巧緻性(指の器用さ)も高まります。
ただし、ハサミや包丁などを使うと危険度も高まりますので、安全には十分気を付けましょう。
子どもの成長を見ながら楽しんで指先を使う遊びを取り入れよう
手先を器用にすれば、“勉強にも脳にも良いならどんどん手先が器用になるようにしよう”と手先にばかりに気を取られないように気を付けてください。
お子さんがどんな顔をして遊んでいるのか、どんな表情で作業しているのか、よく全体をみてあげましょう。
子どものうちはまだまだ個人差も大きい時期です。
「あの子はできるのに、なんでうちの子はできないのか」と比べないであげてください。手先の器用さがすべてではありません。
手先の器用さと学力は比例すると言われる一方、学力と手先の器用さは別である、という人もいます。
不器用でも学力面で素晴らしい成績を収めている子もたくさんいます。
手の神経と脳は繋がっていることは事実ですので、子どもの成長に合わせた楽しい遊びで“器用さ”を高めていける環境を整えてあげましょう。