子どもが小さなときから様々な経験をさせ、たくさんのことを学び、吸収させたい!そんなご家庭が増えているといいます。
巷には幼児教室や早期教育を促すような広告が並び、幼児教室や早期教育をしなければ自分の子は他の子に置いていかれてしまうのではないか、そんな不安に駆られてしまう親御さんもいるようです。
本当に早期教育は必要なのでしょうか。早期教育について、そのメリット・デメリットを踏まえながら考えていきましょう。
目次
早期教育は江戸時代から存在していた!?
そもそも「早期教育」とは具体的にどのようなこと教育かご存知でしたでしょうか。
早期教育とは、「脳が柔軟なうちに子どもの知的好奇心を促進して、高い吸収力や順応能力を持つ幼い間に教育を開始することで脳の活性化を高め、優秀な人間を育てるという理念に基づいて行われる教育」のことです。
子どもの脳はよく「スポンジ」であるとも表現されます。
脳が柔らかいうちに、たくさんのことを経験させれば、たくさんの知識を吸収するだろう、ということですね。
近年は少子化が進み、子どものことに熱心な親が増え、かつ私立幼稚園や私立小学校の人気が高まったことが、早期教育への関心を高めました。
ただ「早期教育」というと、ここ最近に起こっているブームのようにも感じますが、実は江戸時代よりもっと前から存在していたとも言われています。
知育・芸術・運動!早期教育の分類とは
早期教育とは主に「超早期教育」と「幼児・就学前教育」の2つに分類されます。
「超早期教育」とは子どもが胎児の頃、母親のおなかの中にいる時から乳幼児期の頃に行う教育のことです。
主に脳への刺激を意識して、クラシック音楽を聴かせたり、読み聞かせをしたりという活動が中心となります。
「幼児・就学前教育」とは、小学校入学前までに文字の読み・書きや計算、外国語などの教育を行うことです。
また、教育内容については、大きく3つに分類することができます。
知育重視型
小学校入学前の先取り教育。
文字や数字を教える教材として一般的に「カード教材」が広まっています。
中でも「フラッシュカード」と呼ばれるものは、右脳が活性化されたり、動物や植物の名前を覚えることができたりするため、多くの幼児教室で取り入れられています。
芸術志向型
ピアノやバイオリン、絵画などの教育。
運動重視型
水泳や武道、バレエなどの体を動かしながら技術を修得する教育。
その他に注目されている早期教育の種類
上記の他に最近は「早期英語教育」を取り入れる家庭が多いと言われています。
英語教育に使われる教材などの宣伝も頻繁にテレビで放映されています。
小さい頃の方が「耳がいい」とは昔から言われています。
小さなうちから英語が身近なところにあると、違和感なく英語が習得できるのかもしれませんね。
また0歳から行える「リトミック」にも人気が集まっています。「リトミック」とは、動きを通じて音楽を学ぶプログラムのことです。
音楽に合わせて手遊びをしたり、リズム運動をしたりと、親子で楽しむことができるので人気が高まっています。
また、このところよく耳にするようになった「プログラミング」も幼児教育の分野に進行してきてします。
イギリスでは5歳からプログラミングを学ぶ教科がカリキュラムに採用されていますし、日本でも2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されます。
世界で注目されているプログラミングを学ぶことができる幼児教材も続々と販売されていますので注目です。
早期教育のメリット!3歳までに早期教育を受けた方がいい理由
3歳までの脳は柔軟性、吸収性に非常に優れており、この時期に良質な刺激を与えることで、子どもが持っている能力を最大限に引き出すことができると考えられています。
3歳までは右脳がよく働き、3歳を過ぎると左脳の働きがよくなることが脳科学の研究から明らかになっています。
そのため、3歳までに右脳へ刺激を与えることが大切と考えられています。
ちなみに右脳はイメージや記憶力、想像力、ひらめきをつかさどる器官です。右脳が上手く働く人は、感情表現が豊かで、人の気持ちを理解できるそうです。
早期教育のデメリット!中学生になると差がなくなってしまう!?
幼児教育に多いのはIQを高める教育です。
機械的に答えを導き出す作業のようなものが多く、自分自身の考える力とは異なります。
早期教育を受ければ、小さい頃は周りの子よりもできることが多いですが、小学校中学年頃には差が縮まり、中学生になるころには差がなくなってしまうこともあるようです。
早期教育で親が注意すべき2つのポイント
子どもの成長に合わせた早期教育を選ぶ
子どもの成長は、幼い頃ほど年齢により大きな差があります。
数か月の差でも楽しいこと、できることは大きく違ってきます。熱心な親御さんほど焦って「あれも、これも」となってしまいがちですが、子どもの成長段階をしっかり見極め、その子に合った教育を取り入れましょう。
周りの子と比べない
子どもの成長スピードも違えば、一人ひとり持っている興味も違います。
「あの子はできるのに…」と比べる必要はありません。子どもに合った内容とスピードで楽しみながら学ばせましょう。
早期教育をする上で子供の気持ちを汲み取ることも忘れずに
早期教育は必要か、といえば考え方は人それぞれです。
いいところもあれば、必要ないという意見、考え方はたくさんあります。そもそも「子どもは遊びの中で育つ」と言われています。
遊びと共に子どもがやりたいと思った「習い事」を通して社会性や自主性、知識や技術を身に付けるものでした。
しかし、近年は親が「早期教育」に夢中になっていないでしょうか。
子どもに無理に押しつけることがないよう、よく子どもの気持ちを汲み、様子をみてあげましょう。
そして子どもが甘えたいときに甘えられる関係を持つことが「早期教育」をする上でも大切なことではないでしょうか。