保育園や幼稚園、小学校などで飾られている絵を見て、「うちの子の絵は、周りと比べてなんだか幼い」「絵を描くことは好きなのに、お世辞でも上手とは言えない絵ばかりを描いている」など、お子さんが書く絵について悩んでいませんか?
今回は、子どもがどうして絵を描くのが苦手なのか、どうしていつまでたっても上手に絵を描くことができないのかを解説していきます。
また上手に描くために効果的な絵の練習方法をご紹介していきますので、試してみてください。
目次
絵が上手に描ける子と苦手な子の特徴
子どもの中には、もちろん絵を描くのが得意な子、苦手な子がいます。
絵を描くのが得意な子の中には、
- 絵を描くのが好きで、今までたくさん絵を描いて上達してきた子
- 絵を描くのは好きではないのに上手な子
など、様々なパターンがあります。
では、後者はなぜ絵が上手なのかというと「イメージ」をしっかりと「表現」することができるからです。
「イメージ」と「表現」は、どちらかでも欠けてしまうと、上手な絵を描くことはできません。
逆に絵が苦手な子は、「イメージ」と「表現」の力のどちらか、或いはどちらも欠けてしまっているのです。
家庭で出来る!上手に絵が描けるようになる5つの練習法
では、絵が苦手な子はどのように絵を描く練習をすれば良いのでしょうか。
絵が苦手だからといって、諦める必要はありません。
絵が上手に描けるようになるための方法を5つご紹介しますので、お子さんの現状に合わせて試してみてください。
1.イメージを持つ練習には声かけをしよう
イメージをするには、まず実物を見せることです。
実物を知らない限りは、よほど巧みな言葉で説明しない限り、具体的なイメージを持つことはできません。
例えば、メガネザルを知らない子にいきなり「メガネザルを描いてね」と言っても、描けっこありませんよね。
自分の知識をより集めて、やっとのことで描けても普通のサルがメガネをかけている姿になってしまうでしょう。
実物を見せるときの声かけ方法
実物を見るときは、子どもにしっかり見せることも大切ですが、それと同じくらい大人の声かけも大切です。
例えば牛を見て「大きいね~」と言うだけでは意味がありません。
子供には「大きい」という漠然としたイメージが残るだけなので、絵を描くときには自分が見た実物と「大きい」と言っていたことしかイメージができません。
「丸みたいな模様が五つあるね」「頭のてっぺんから、角が生えているね」「しっぽは短くてお尻くらいまでしかないね」「黒と白の毛が生えているね。模様が黒だね」など、これら全てを言う必要はないかもしれませんが、できるだけ具体的な形や大きさ、色などを口にしながら見せるのが効果的です。
実際に絵を描くときは、描くものをイメージしながら、そして言っていたことを思い出させながら描かせていきましょう。
絵を描く時の声かけ方法
実物を見るときの声かけを変えるだけで、絵に変化が生まれる子はたくさんいます。
しかし、それだけでは絵に変化がない子や、もっと絵を上達させてあげたいときには、絵を描くときにも声かけをするとより効果的です。
イメージが出来ていたとしても、どの形がどこにあるのか分からない、サイズ感が分からない、形の組み合わせが分からない、バランスが分からないなど、色んな要因が重なって絵が描けないということも考えられます。
ですので、見せるときと同様になるべく具体的な説明とともに声かけをしてあげましょう。
例えば人間を描くときに「顔のすぐ下には、顔よりも少し細い首があるね」「首から肩が広がっているね」「肩からこれくらいの太さで腕が出ているね」など、順を追って説明しながら描かせ、できれば実物を見せながら描くことが望ましいです。
残りの4つは、子どもが絵を描くときの技術的な面を改善する方法を紹介していきます。
場合によっては、お手本を見ながら、一緒に書きながらの練習をさせていってみてください。
2.線をかく練習をして手首を柔らかくしよう
絵を描くのが苦手な子どもは、手首が硬い可能性があります。
まずは絵を描く基本の線を描く練習をしてみましょう。
線の中にも種類があります。直線、曲線、波線、ぐるぐる線など、色々な種類の線を描いていきましょう。
3.簡単な形をかく練習をしよう
線を描けるようになったら、丸や三角、四角などの簡単な形を描く練習をします。
線と同様に、丸、三角、四角の中にも様々な種類のものがありますので、たくさん練習してみてください。
もし描くのが難しい場合は、大きな紙に大きく書かせるなど、描きやすい大きさに調節してあげましょう。
4.形などを組み合わせる練習をしよう
線や簡単な形が描けるようになったら、それらを組み合わせる練習をしていきます。
まずは丸を二つ描いて雪だるま、四角と三角でお家など、簡単な組み合わせから描かせていきましょう。
初めのうちは、組み合わせを提案してあげてください。
子どもは徐々に自分で「これとこれを組み合わせたら○○ができた!」という発見が自分でできるようになってきます。
5.色を塗る練習
絵が描けたら、色を塗る練習もさせましょう。
せっかく絵が上手に描けても、色塗りがひどければ絵が台無しになってしまいます。
色塗りを綺麗にするコツとしては、まず一つの色で塗る範囲を決めます。
そのあとその範囲だけを縁取り、その中身を塗りつぶしていきます。
塗りつぶすときは、幅広く、大きく手を動かすのではなく、細かく手を動かして少しずつ塗っていくようにしましょう。
一つの色が塗り終わったら次、という風に、順番に塗っていくようにすると良いです。
上達するには楽しんで絵を描くことが大切です
子供の絵を上手にするための練習方法についていかがでしたでしょうか?
はじめのうちは、子ども自身も絵に苦手意識を持っていることもありますので、決して否定するような声かけをしないように注意してください。
たとえ絵が上手に描けなくても、挑戦したことや頑張っていたことを大いに褒めてあげましょう。
子どもが絵を描く練習をしていくうちに、子どもが何か発見したり、上達がみえたり、何か工夫をしていたときも、すかさず褒めてあげましょう。
また、絵を描くときは、描く物(筆記用具や紙)を限定しないようにするのもポイントです。
ペンやクーピー、また紙に限らずホワイトボードや黒板など、子どもが気に入ったものや描きやすそうにしているもので練習させるようにしてください。
何より楽しくできるということは、上達への一番の近道です。