お茶の水女子大学附属中学校は、東京都文京区にある国立の中学校です。
今回は、お茶の水女子大学附属中学校の受験予定者なら知っておきたい学校の特色、受験情報、入試の傾向・対策などをご紹介します。
目次
お茶の水女子大学附属中学校の特色
お茶の水女子大学附属中学校では、「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する。」という教育目標のもと、自主性を尊重した幅広い教育が行われています。
研究課題を選んで発表する独自の「自主研究」など、各生徒が主体的に取り組んでいける学習体制が特徴的です。
また、お茶の水女子大学附属中学校は男女共学ですが、附属高校の「お茶の水女子大学附属高等学校」は女子校のため、男子は外部の高校に進学する形になります。
一方、附属高校に進学できる女子も含め、全員に進路指導が行われ、自分に合った高校を選択して受験できるよう、各種指導体制が整っています。
学校の沿革
1875年に東京女子師範学校開校が開校され、1882年には東京女子師範学校附属高等女学校が創設されました。
1947年、学制改革によって男女共学の東京女子高等師範学校附属中学校が発足、1980年にはお茶の水女子大学附属中学校に改編され、現在に至ります。
施設
構内は銀杏並木や緑が多く、普通教室、L.L教室、3075平方メートルの運動場、・ミーティングルーム・コンピュータ室・SⅭ室(教育相談室)などがあります。
スマートクラスルーム(合併室)は、150名収容可能な大教室で、3面のマルチスクリーンには、プロジェクターによる投影が可能。全面ワイドスクリーンの大画面表示や、3分割の画面表示など、様々な授業に対応できる機器が備わっています。
大学、附属幼稚園、保育園、小学校、高等学校と同じキャンパス内にあります。
進学先
2023年度は、国公立大学43名(そのうち東京工業大学は3名、お茶の水女子大学は13名)、慶應義塾大学12名、早稲田大学26名、上智大学17名が現役で合格しています。
学校周辺の環境
- 茗荷谷駅(東京メトロ丸ノ内線)から徒歩7分
- 護国寺駅(東京メトロ有楽町線)から徒歩13分
- 大塚2丁目(都バス[都02系統・都02乙系統])から徒歩1分
学校の多い文教地区に立地し、落ち着いた緑豊かな環境が特徴的です。
学校生活とカリキュラム
「道徳」「特別活動」「自主研究」「お茶の水タイム(総合的な学習の時間)」を結びつけた総合的なカリキュラムが編成されています。
学問にとどまらず、法や決まり、規律といった規範意識を高めることなど、道徳教育の充実に特徴があります。
また、一人ひとりが課題を探究し、発表・表現する「自主研究」、グループ活動・協働学習を通じて思考力・判断力やコミュニケーション能力を身につける「お茶の水タイム(総合的な学習の時間)」など、生徒が主体的に取り組める学習環境も充実しています。
行事と部活動
主な行事には、体育大会、マラソン大会、百人一首大会、合唱コンクールなどがあります。
また、部活動は現在、運動系と文化系に分かれ、それぞれ多方面での活躍が見られます。
お茶の水女子大学附属中学校の受験情報
試験日
2024年2月3日(土)
募集人数
男子:約25名
女子:約30名
試験科目と配点
検査Ⅰ | 30分 |
検査Ⅱ | 30分 |
検査Ⅲ | 30分 |
※2021年度から新入試となり、従来の算数・国語・社会・理科の4教科検査から、検査Ⅰ・検査Ⅱ・検査Ⅲの3種類による検査となっています。
検査Ⅰが算数、検査Ⅱが国語、検査Ⅲが理科・社会となりますが、複数の教科を組み合わせた複合的な問題も出題されます。
お茶の水女子大学附属中学校の偏差値と倍率
偏差値
お茶の水女子大学附属中学校の偏差値は80偏差値で見ると次の通りです。
- 男子50
- 女子64
倍率
2023年度の入試結果は次の通りです。
男子 | 女子 | |
受検者 | 45名 | 195名 |
合格者 | 30名 | 41名 |
受験倍率 | 1.5倍 | 4.7倍 |
お茶の水女子大学附属中学校の入試問題と対策
算数
大問は5問で、前半が計算問題・小問集合、後半が応用問題という構成です。
難問・奇問というより、主に基本・標準レベルの問題が出題されます。一方、思考力や推理力を問われる問題も目立ち、一筋縄ではいかない問題構成になっています。基本・標準レベルが中心とはいえ、その基礎知識を思考・考察や推理に活用できるような、確かな応用力が求められます。
こうした出題傾向に対応するためにも、問題演習・過去問演習を通じ、日頃から算数的な思考を深めておくことが大切です。ただ問題を解いて終わりではなく、なぜそうなるのか、思考の過程を意識するようにしましょう。
頻出分野は図形や特殊算など幅広く、各分野の基礎をしっかりおさえておく必要があります。そのうえで過去問演習・問題演習を徹底し、傾向をつかみながら、スピーディーかつ正確に解き進める練習を重ねましょう。
国語
大問は3問で、読解問題、知識問題のほか、放送を聞いて質問に解答する問題も出題されています。
漢字などの基本的な知識、文章を素早く読み取る読解能力を鍛えることはもちろんですが、特徴的な出題傾向にも慣れておく必要があります。
特に放送問題は受験の国語ではあまり見られないため、しっかり傾向をつかみ、トレーニングを重ねることが大切です。
読解問題は選択肢問題や書き抜き問題が多いですが、記述問題の出題も見られます。幅広い設問形式に慣れておき、テキパキ解き進める練習を重ねましょう。
本文を速く正確に読解することに加え、各設問形式をスピーディーに進める実戦的な力が求められます。
また、放送問題で作文・記述問題が出題される可能性もあります。自分の言葉でしっかり表現できるよう、日頃から記述対策を進めることが大事です。
さらに、知識問題にも対応できるよう、漢字や語彙も幅広く勉強する必要があります。ケアレスミスは避け、しっかり得点源にしましょう。
社会
大問は3問程度で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されます。
設問形式は選択肢問題や適語記入問題のほか、記述問題の出題も見られます。また、地図やグラフなどの資料も多く、与えられた情報を素早く読み取る力が求められます。
各分野の基本的な知識を幅広くおさえることは大前提ですが、様々な設問に対応できる力、情報処理能力など、実戦的な力も鍛えなくてはなりません。
複数の資料を比較して解くような問題もあるので、時間内にテキパキ作業を進めるという意識が大切です。
また、思考力が問われる問題も目立ちます。単なる知識では対応できないため、日頃から各分野の知識に加え、それぞれの背景もおさえ、思考・考察を深めておきましょう。
こうした点に注意し、似た傾向の問題は重点的に解き、さらに過去問演習も重ね、実戦力を磨いていくことが重要です。
理科
大問は3〜5問程度で、4分野から幅広く出題されています。
設問形式は選択肢問題や計算問題、記述問題、作図問題など幅広く、実験や観察に関する問題も多く見られます。
また、図などの資料も多く登場するため、社会同様に与えられた情報を素早く読み取る力が必須です。
過去問演習はもちろん、日頃から問題演習を徹底し、様々な形式の設問に慣れるほか、情報処理能力もしっかり鍛えましょう。
また、各分野が混ざって横断的に出題される場合もあります。こうした総合問題形式は特に慣れが必要ですので、問題演習を重ね、各分野の知識を適切に引き出す練習を行いましょう。
さらに、こちらも社会と同じく、思考力が問われる問題も多いです。基礎知識を幅広く身につけることはもちろん、日頃から思考・考察を深めておき、実戦力を高める必要があります。実験・観察問題などは特に思考力・考察力が求められるので、しっかりトレーニングしておきましょう。
過去問
お茶の水女子大学附属中学校合格のために必要なこと
お茶の水女子大学附属中学校の試験問題は、全体的に高度な思考力が求められる傾向が強いです。
難問・奇問というわけではありませんが、基礎知識をまんべんなく活用して思考や推理を進める必要があり、難易度は高くなります。
まずは各分野の知識を幅広くおさえたうえで、問題演習を通じて思考・考察力などを鍛え、応用力を磨いていきましょう。知識の暗記で終わらせず、実戦的な力を習得していく必要があります。
また、2021年度からは従来の4教科検査から、検査Ⅰ・検査Ⅱ・検査Ⅲの3種類での検査方式となりました。
引き続き4教科の内容が出題されますが、さらに高度な思考力・判断力などが求められるようです。これまでの試験傾向を把握しつつ、新しい検査内容に対応できるよう、対策を進めなくてはなりません。
新入試の傾向は公式ホームページで詳しく掲載されているため、内容をよく確認したうえで、各科目の基礎知識、そして思考力などの実戦力も含め、傾向に沿った対策を進めていきましょう。