2015年以降、中学受験率は上昇しています。その背景には、子供により良い教育環境を与えたい、そう考えるご家庭が増えているからでしょう。
けれど、中学受験は必須の受験ではありません。そのため、中学受験を途中でやめられるご家庭もあります。
今回はなぜ中学受験をやめたのか?各ご家庭の実際の声をご紹介したいと思います。
目次
中学受験のストレスから
中学受験を目指して5年生の時から塾にも通い頑張ってきましたが、受験勉強に対して子供が強いストレスを感じるようになったのが受験を断念した理由です。
確かに学校の宿題以外にもやらなければならないことが多く、学校が終わっても習い事以外では遊ぶ時間はほとんどありませんでした。
可哀そうだなと感じることもありましたが受験が終わるまでなのだからと言い聞かせて、正直あまりその点は直視しないようにしていました。
ですが子供にチック症のような症状が出るようになり、強いまばたきを繰り返したり、顔の筋肉を不自然に動かしたり、様子がおかしいなと思うことが増えました。
どの症状も塾に行っている間や自宅で勉強をしている時にしか出なかったので、これは子供自身が精神的に限界を感じているのだなと思い、受験自体を辞めることを決めました。
受験勉強がなくなれば子供のストレス症状もぴたっと無くなりました。親が決めた中学受験で子供に精神的な負荷をかけすぎてしまったのだと感じています。
子供の気持ちを優先し公立中学を選択した
中学受験を目指して子供が小学校4年生のときから、中学受験のための塾に通わせていました。
学校の成績も塾での成績も申し分なく、6年生の時には担任の先生からもこの調子でいけば希望の中高一貫の私立学校にほぼ確実に合格できるだろうとも言われていました。
もともと中学受験は私たち親が相談して決めたことなのですが、子供自身も勉強が好きだったので予習復習はもちろん、それ以外にも与えらえた課題は自分から進んでこなしていました。
ですが、最終的に子供自身が私立中学ではなく周りのお友達と同じ公立の中学校に行きたいと小学6年生のときに言い出し、結局中学受験を辞めました。
この決断に至るまで本当に悩みましたし正直「なぜ今になって?」という気持ちが強かったです。
ですが受験するのも仮に合格してその学校に通うのも子供自身です。
主人とも何度も話し合い、親のエゴだけで決めるのはよくないという結論にいたりました。
現在は公立中学に通っていますが、毎日楽しく学校生活を送っているようで後悔はありません。
親が決めた中学受験で子供にやる気がない
本人がやる気がなく塾代や費用が無駄になり、受かる可能性がほぼ無かったのと、本人の意思を尊重することにしたためです。
まだ勿論本人が進路ややりたい事が明確な年ではないので、可能性を広げるために受験でより選択肢を広げようと思ったものの、それが伝わらず無理やり通わせた塾もモチベーションがありませんでした。
そのため勉強も身に入らず模試でも全く結果は出ませんでした。子供に無理強いするのを辞めて本人の意思に従い、受験を止めました。
子供とはいえ気持ちがあるんだなと、遅すぎましたがやらせてみて気付きました。
本人の人生と時間を何に費やし優先的にしていくのかは、今後本人の意向に添って決めていく、手助けしていくのが親の務めだと感じました。子供が10歳のときのことです。
勉強よりもやりたいことを優先させた
学習塾で指導していた生徒についての体験談です。
そのご家庭は姉弟で、同じ学習塾に来てくださっていました。ご両親は大変教育熱心な方で、お姉さんのほうは、すでに中学受験をすませ、私立の中高一貫校に通っておられました。
弟さんは、当時小学校6年生で、お姉さんと同じく、中学受験をさせるつもりで、塾に通学されていましたが、小学校低学年から地元のサッカークラブに所属し、受験勉強と並行してサッカーを継続されていました。
文武両道をモットーとするご家庭の方針だっとようです。
しかし、小6の弟さん本人は勉強よりもサッカーに夢中で、塾の授業中にも練習疲れで居眠りしてしまうことも多くありました。
ご両親と面談を重ねた結果、塾での学習は継続しながら中学は公立へ進学し、大好きなサッカーを今は優先したほうがよいだろうという結論に至り、中学受験をやめられました。
子供に中学受験をする意思がなかった
住んでいる地域が教育熱心な地域だったため、我が家もなんとなく4年生から子供を塾に通わせていました。
6年生になった時に突然「受験したい!」と言われたら困るし、という思いもありました。
しかし最終的に5年生の夏に受験するかどうかを決断をしなければならない時期となり、結局受験はやめました。
本人にそこまで私立に通いたいという熱意がなったことと、近くの学校で思いっきり部活に励みたいという希望があったからです。
親としても、本人が希望していないのにあえて遠くの私立に通わせることもないかと思い、公立中学に行かせることに決めました。
結果的には、とても楽しそうな中学3年間を過ごしていたので、これで良かったと思います。中学時代にできた地元の友達は、大人になった今でもちょくちょく会っているようです。
また、部活もバドミントンを選択し、朝練習午後練習と頑張り、県大会に出場するまで頑張りました。
通学時間のかかる私立では、ここまで部活に打ち込むこともできなかったかなと思います。
よく話し合って、最終的には子供に決めさせたことが良かったかなと思います。自分で決めたことなので、本人も後悔していないようです。
経済的な理由
もともと成績の良い子供だったので、中学も学力の合ったところに行かせてあげるのが親の役目だと思っていました。
そのため、お金を少しでも稼ごうと、パートの仕事をしていました。
けれど、塾の費用は思ったよりも高く、月謝以外にも必要な費用があり、パート代がそのまま塾代になることに耐えられなくなりました。
また中学校に進学してからの学費、そして周りの子供とのお小遣いのことなどを考えると、経済的に耐えられなかったのが一番の理由です。
中学受験はゴールではなく通過点
そのほかにも多くの意見をいただきましたが、中学受験を辞めると決断されるのは受験勉強が本格化する前の小学5年生のときが多いようです。
ただ中学受験をやめる理由は様々ですが、共通しているのは、中学受験をやめたことに後悔されている方は少ないということです。
中学受験は1つの通過点にしか過ぎず、私立中学に入ったからと行って人生の成功が約束されるわけではありません。
勉強はその後も続いて行きます。その先には高校受験、大学受験があります。
中学受験を続けることよりも、やめる決断のほうが大変なはずです。中学受験に悩んでいるご家庭の参考になれば幸いです。