お子さんが、急に学校へ行きたくない…と言って、ある日突然行かなくなったら…?
朝、お腹が痛いと言って休む日がちらほら増えていったら…?
おそらくほとんどの親御さんは、対応に困ってしまうことでしょう。
一通り見渡してみても、原因が全く見当たらないこともありますし、逆に友人関係などに疲れて拒否反応を示している場合もあります。
きっかけは、その子その子によって違います。
不登校は、誰にでも起こり得る話、大人でいうところの「うつ」とも少し似たところがあるかもしれませんね。
目次
不登校の考え方
大人の場合、もうこれまでの人生において、誰しも何らかの出来事で傷ついたり、世の中の不条理を味わってきたりしています。
それらの経験が、日頃からある種のフィルターのようにして、私たちの心を守ってくれています。
しかし、子どもたちはまだ発達途上。子ども特有の純粋な心を持ち合わせていればいるほど、感受性は高くなり、それによって逆に自分の心を傷めてしまうことだってあるんです。
不登校を経験した私が思うのは、「不登校が心の病気だ」というレッテルを張ることなく、一つの進路上のハードルだとして捉える方が、親にとっても本人にとってもベターな結果を生むのではないかということです。
今回は、小学生・中学生の不登校に焦点を当てて、この先どんな選択肢があるのかを、一緒に考えてみていきましょう。
不登校=心の病気、ではない
なぜ、不登校を心の病気とレッテルを貼ってはいけないのか。
それは、その先の進路をきちんと考えられなくなるからです。
子どもは大人以上に、心と体が密接に関係していますので、例えば「頭が痛くて学校に行けない」というような場合でも、それは仮病でもなんでもなく、本当に身体に不調を感じているかと思われます。
そんな時、私たち親は、何の疑いもなく近くの病院に連れていくでしょう。そして、「風邪でも何でもないから」と言われます。
今度はその状態が何度も続くと、先生から「思春期内科や心療内科を受診してみては?」と勧められるのです。
そこで伝えられる、不登校とお子さんの心との関係。どんな病名がつくにせよ、親はショックを受けるでしょう。
そして子どもも、同じようにショックを受けます。
心が弱いから不登校になるの?
心が弱いから、心が病気だから、そういう心の性質を持って育ったから、学校に行けない。
確かに、そうなのかもしれません。しかし、よくよく考えてみてください。
大人だって、吐くくらい合わない職場や職業に何年も何年もしがみつくでしょうか?
そもそも、学校という公共の場所に、全員が心地よく通うことができるのでしょうか?
「鍛錬だ」という見方もあります。人間、努力することは大事ですから、我が子に逃げ癖がついてしまっては困ります。(おそらく、親御さん方はこういうところでも葛藤がありますよね。休ませてあげたい気持ちと、心を鬼にしなければならない気持ちと…)
でも、この不登校の子どもたちの数や状態を見てみても、すべての子が学校教育に合うことはないという事実が自ずと浮かび上がってくるのではないでしょうか?
ここに、不登校をその子の進路の問題だと考えた方がいい理由があるのです。
学校に戻るのか戻らないのか?
心の問題だと捉えすぎていると、なんとか我が子の精神状態を良好にして「学校に戻そう」という方に意識が働きます。
スクールカウンセリングや投薬などで「治す」価値観に凝り固まっていませんか?
もちろん、本人が学校に戻りたいと望んでいる場合は別です。
そこに照準を合わせて、焦ることなく学習を進めたり、保健室登校をしたりすることができるでしょう。
しかし、学校はそれだけではないということも、ぜひ一度視野に入れてみてください。
「大人になる道は、学校が最短ルートかもしれないけれど、他にもある」のです。
フリースクール、オルタナティヴスクール、ホームスクーリングなど案外選択肢は多い
住んでいる地域にもよりますが、不登校の子たち、学校に合わない子たちを対象とした教育機関は、日本中あちこちに存在しています。
フリースクールの活用
最も身近なのは、近所のフリースクール。
これはNPO法人やその他団体などが、多くの場合、サークルのように催しています。
親の会や自助団体が活動しているところもあります。
自由な雰囲気で、通える時に通って、勉強をしたり、スタッフとコミュニケーションをとったりします。不登校の子の居場所のようなところです。
これとは別に、「子どもたちに多様な教育の選択肢を」という考えの元に、自分たちで学校を運営している団体も各地にあります。
欧米の自由な教育を参考にしていることが多く、子どもたちが自ら、これらの学校を選んで通うことを決めています。
決して大規模ではありませんが、そこにこそ良さがあり、家庭的な雰囲気の中で、のびのびと育っていることが特徴です。
こう言う学校を、フリースクールだとかオルタナティヴスクールと呼んでいます。
学校という場所自体に疑問を持っているお子さんには、ぴったりの場所かもしれません。通いだしてすぐ生き生きしだす子も少なくないと言います。
ホームスクーリングも選択の1つ
まだまだ日本では少数ですが、アメリカではよくある「ホームスクーリング」も選択肢の一つです。
自宅で学習を進めていくのは、アメリカでは何も恥じることではなく、一つの立派な教育の選択肢なのです。
簡単に選択肢をご紹介しましたが、調べてみるともっとたくさんの情報を得られます。そしてそれを知ると、これまで八方塞がりだと思っていた我が子の道が、パッと開けてくるかもしれません。
この記事をきっかけに、お子さんの道に一筋の光が見えてくることを期待しています。