自分の子供が不登校になっているかもしれないとわかっていても、親として受け入れることはなかなかできないものです。
今は体調が悪いだけで、明日は元気に学校に行けるようになるに違いないと希望をもったり、そのもどかしさのために子供に当たってしまったり、親としてもとてもつらい毎日を過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
子供が学校へ行きたくないと思うほど悩んでいるならば、替わってあげたい、理解したいと思うのが親です。
でも、休んでいる間の成績も気になります。どうしたらよいのか?悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
不登校の定義は?
そもそも「不登校」とは何日以上学校へ行けない状態のことをさすのでしょうか?
文部科学省によると、不登校の定義は以下とされています。
病気や経済的な理由を除き、年間30日以上の欠席がある精神的・心理的な不安、身体的症状が原因で学校に通いたくても通えなくなった生徒・児童
継続して学校を30日休んだから不登校と判断されるのではなく、断続的にでも年間に渡って30日以上休むと不登校とみなされてしまいます。
ただし、留意事項として「不登校かどうかの判断は各学校や教育機関に委ねる。そして、先の基準に合致していなくともその傾向がある児童・生徒も対象とする」となっています。
つまり、その子供が不登校かどうかは学校の判断に任せるということです。
文部科学省:令和2年度「児童生徒の問題行動生徒指導上の諸問題に関する調査結果の概要」によると、令和2年度小学生の不登校児童数は63,350人(全体の1.0%)、中学生の不登校生徒数は132,777人(全体の4.09%)です。
学年別では小学1年生が最も少なく3,395人で、学年を経るごとに増えていく傾向があるのですが、このことから、一度家校へ行きづらくなったことが数年に渡って後をひいている子供が多いという見方ができます。
また、不登校とされる子供の人数が小学6年生では19,881人なのに対し、中学1年で35,998人と急に増えるのは、新しい環境へ対応できないケースが多いという現れでもあると思います。
うちの子も不登校なのかも?
学校へ行かないのか?それとも学校へ行きたくても行けないのか?心の奥底まで見て理解してあげられないというもどかしさに、まさに気が狂いそうになるというお母さんもいます。
それほど、親はいつも子供のためを想っているのです。
そのように思いつめているお母さんやお父さんが、抱えている不安を少しでも軽くなるように、不登校について親がどうしたらよいのでしょうか?
不登校である状態を理解する
親としてはつらいことだと思いますが、まずは子供が不登校であることを認識しましょう。
「お腹が痛い」、「頭が痛い」と言っていた体調不良の理由が、学校へ行きたくないというサインであったということはよくあります。
不登校の初期段階の様子としては、
- 朝起きられない
- 登校前に腹痛や頭痛をうったえる
- 断続的または特定の曜日に休みたがる
など、が多く見られます。
不登校になりかけているのかも?と感じたときには、焦って理由をあれこれ問い詰めないことが重要です。
親としては早くなんとかしてあげたいと、解決を急ぎたくなると思いますが、時間をかけて子供から話を聞き、気持ちを尊重してあげるようにしましょう。
また、いよいよ継続して学校へ行けなくなってしまったときには、「今は学校へ行けないんだ」と親がきちんと認識することが必要です。
不登校である状態を理解することで、どうしたらよいのか?その先の対応を考えることができます。
不登校になったとき親はどうしたらよいのか?
難しいかもしれませんが、子供には自分から動き出せる力があることを信じて見守りましょう。
「早く学校へ行ってほしい」と願う気持ちはよくわかります。
ただ、その想いをぶつけることは、今の状態の子供には大きなプレッシャーとなりかねません。
つかず離れずの距離を保って、わずかな心の変化にも気づけるようにしましょう。
学校の先生と連絡は密にとり、可能であれば家庭訪問をしてもらってもよいと思います。
先生にも気にかけてもらっていると思うことで好転することもあります。
ただし、学校のことを拒否しているときには、逆効果になることもあります。子供の状態によって先生と相談しながら進めてください。
不登校の状態の子供はどうしても昼夜逆転の生活になってしまいがちです。
昼夜逆転の生活は自律神経の調節を乱す原因となります。なるべく生活リズムは学校へ行っていたときと変わらないように過ごさせましょう。
不登校になったかも?と思ったら誰かに頼る
子供が不登校になったとき、親だからといって必ず解決してあげられる力があるわけではありません。
どうしたらいいのだろう?と悩むのがあたりまえです。悩んだときに必要なことは、誰かに相談することです!
自治体では、家庭支援相談窓口や教育支援センターなどを設置しています。また、電話相談であれば匿名でも相談することができます。
各学校ではスクールカウンセラーや児童生徒指導担当の先生も配置しています。
親だからってひとりで悩まないで、誰かに助けを求めましょう!それが子供のためにきっとなります。