中学受験の社会では、日本地理・歴史・公民の3分野から主に出題されますが、どの問題にも関係してくるのが時事問題です。
社会で出題されることが多いですが、昨今は理科でも出題の頻度が増えてきたと聞きます。
学校側は、「こういう教育をしたい」という理念があり、勉強だけではなく、現代社会の問題もしっかり見据えられる豊かな人間を育てたいと考えています。
受験生は、教科書に載っている内容だけでなく、今日本や世界で何が起こっているのかを把握し、考えておく必要があります。
しかし、時事問題は一朝一夕でどうにかなるものではありません。
なぜなら、それらが起こった因果関係や、背景を理解しておかなければ解けない問題も多いためです。
さらに、塾で時事問題対策が始まるのは、ほとんどが6年生の夏以降。
夏以降に付け焼刃の知識だけを入れて、時事問題に強くなるのは難しいです。
では、ほかの勉強と両立しながら、どのように時事問題対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、時事問題に強くなるために小学校低学年のうちから出来る家庭での過ごし方や、オススメの参考書をご紹介します。
目次
家族でテレビや新聞でニュースに触れる時間を作ろう
時事問題対策には、幼いうちからニュースに触れさせるのが一番です。
最初はお子さんが理解できなくても構いません。「ニュースを観る」環境に慣れさせることが一番です。
お子さんが小学校にあがり、少し理解できるようになってきたら、親御さんがわかりやすく説明をしてあげましょう。
また、たまにお子さんに「ニュースを観てどう思ったか」を聞いてあげましょう。そのニュースについて親子でディスカッションできるのが理想です。
ここで、ひとつ注意点があります。
ニュースを観る方法は、いくつかあります。テレビ、新聞、スマートフォン。では、どれが中学受験の時事の力を育てるのに最適でしょうか。
答えは、新聞かテレビです。スマートフォンでニュースを観るのはなるべく避けることをオススメします。
それは、スマートフォンでは「好きなニュース」だけを観ることができるからです。スマートフォンだけでニュースを観ていると、現代社会の問題を満遍なく把握することができなくなるのです。
これは、現代の問題のひとつとも言われています。お子さんは親御さんの真似をしますので、中学受験に臨むお子さんを持つ親御さんがこれをするのも、よくありません。
ニュースを観るのに最もオススメなのは新聞で、次にテレビです。
お子さんに中学受験をさせたい場合は、親御さんもスマートフォンでニュースを観るのではなく、できれば新聞を定期購読し、家族でニュースを観る時間を設けることをオススメします。
新聞の見出しやリード文だけでもニュースのポイントがわかる!
では、どうしてニュースを知るのに新聞が最もオススメなのでしょうか。
新聞の定期購読数は、残念ながら右肩下がりであると言われています。スマートフォンの普及も関係しているでしょう。
新聞を読むことには、多くのメリットがあります。
新聞を読むことで速読の練習や語彙力を増やせる
新聞の見出しやリード文だけでも「ニュースのポイント」がわかりますし、テレビとは比較にならないほど情報量が多く、物事の背景も掴みやすいです。
さらに記事の正確性が高いため、本質を見極めやすくなります。
さまざまな情報に触れることで新たな分野に興味関心を持つこともあります。速読の練習にもなりますし、語彙力を増やすこともできます。
もちろん、お子さんに最初から大人用の新聞を読んでもらうのは敷居が高いです。
そのために、大手新聞社は「子ども新聞」を用意しています。たいてい、すべての漢字にフリガナが振ってあり、文章も読みやすく、かつニュースの背景もしっかり載せてあります。
現代、新聞が読まれなくなっている一因として「読む時間がない」という意見をよく見かけます。
しかし、新聞は「読み飛ばし」をしてもよいのです。隅から隅まで読まなくても構いません。読み飛ばしても、記事の見出しは目に触れますし、それで十分です。
毎日少しずつ触れることが大切です。
時事問題の参考書!サピックス重大ニュースがおすすめな理由
時事問題の参考書には、大手塾のひとつであるサピックスの「〇年中学入試用 サピックス重大ニュース」という冊子をオススメします。
もちろん各大手塾はそれぞれ時事問題集を用意しており、それぞれの参考書にはそれぞれの良さがあります。
口コミでも毎年高く評価されており、「これ一冊あれば時事問題対策はばっちり」と言われるほど充実した内容になっています。
サピックスの時事問題集がオススメの理由は複数あります。
- 社会だけでなく理科の時事問題も網羅しており、説明も詳しく、複数教科の対策ができる
- 私立中学校の教師が選んだニュースが取り上げられている。つまり試験に出やすい内容が予測できる
- 選択式や語句記入だけでなく記述式の問題もあり、幅広い難易度の問題に取り組める
- 一問一答カード(単語帳形式)があるため、移動時間にも勉強ができる
レベルの高い問題も多く載っていますが、時事のまとめだけでもかなり充実していますので、必ず手に入れておきましょう。サピックスの時事問題集は、毎年11月に発売されます。
まとめ
中学受験では時事問題が出題されることがありますが、一朝一夕で対策ができるものではありません。
幼いころから新聞やテレビなどを通してニュースに触れさせ、受験直前期は時事問題集でしっかり対策を立てておきましょう。