「不登校」この言葉は、まだまだデリケートな言葉に思われます。
ネガティブなイメージも大きい言葉です。
筆者自身、高校生の時に突然不登校になり、そのまま中退をしました。
今回は、今お子さんの不登校に悩んでいる親御さんに、「大丈夫だよ」というメッセージをお伝えしていきたいと思います。
目次
子供の不登校は学校制度への問題提起
お子さんは、どうして学校へ行けないのでしょうか。
お友達との関係がうまくいっていないから?
いじめを受けているから?それとも、集団生活が苦手だからでしょうか?
不登校の主な理由として、次の8つが挙げられます。
子供の不登校な主な理由
- 学校生活によるトラブル(いじめや先生との相性なども含む)
- 無気力
- 非行や遊び
- 学業不振
- 甘えたがり・精神が未熟
- 家庭環境
- 発達障害
- 神経症
しかし、学校に行けない理由は、10人いれば10通り存在します。複雑な状況が絡み合って、不登校という形に現れていることもあります。
中には、人間関係で特に問題は見られず、「単に学校が嫌だ」と言って行きたがらない子どもも多くいます。
親としては、その一見恣意的とも思える中途半端な理由に、どうすべきか困ってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
学校がいくら良い学校だとしても、良い先生や良い仲間に巡り会える場所であったとしても、不登校になってしまう子供はいつの時代も一定数いるはずなのです。
学校に行きたくない子供を親はどう理解すべき?
不登校なってしまった子供を、親としてどう理解してあげれば良いのでしょう。
不登校の理由がどんなものであれ、私たち大人は、つい150年くらい前までであれば、不登校の子たちは全く違う人生を送っていたかもしれない、ということを、頭の隅に置いておかなければなりません。
明治以前の子どもたちは、今のようにガチガチに制度化された学校に行くことはありませんでした。
江戸時代には、寺子屋というところに通い、比較的ゆるやかな縛りの中で、読み書き計算を学んでいました。
大昔からあるように思われる学校も、人間の長い歴史のなかでは、まだほんのわずかな間だけなのです。
不登校の子供の感性を親は大切してあげればいい
集団生活や人間関係が得意ではない子どもたちは、「たったそれだけの理由で」マジョリティである学校生活から脱落してしまってよいのでしょうか?
あるいは、仕方ないことだと割り切ってしまってよいのでしょうか?
不登校の子たちが抱える問題は、ある意味で、今の学校教育に対する問題提起であるとも言えます。
今、不登校の状態にあるお子さんをお持ちの親御さん。
お子さんのその感性は、大切にしてあげるべき感性です。
中には、まだ小学校1、2年生で、理由ははっきり説明できないまでも、学校という場所自体に違和感を感じる子もいるほどなのです。
子供の不登校は進路や人生選択の問題
不登校は、どのようにすればそのネガティブなイメージを捨て、建設的な話ができるようになるのでしょうか?
不登校は、単に学校と本人との問題のようにも思えますが、きちんと掘り下げて深く考えると、人生選択や生き方と繋がっていきます。
大人は「学校へ行かない=社会から外れるかもしれない」ことを知っています。
小・中・高どの段階の学校であっても、就学率95%を超えるような今の日本の学校制度の中では、通わないことが極めてマイノリティとなるのです。
お子さんは、このこととの折り合いをつけられるでしょうか。
不登校になったとしても学歴に縛られず生きられる
一方で、学歴や経歴に縛られずに生きることも可能ではあります。
近年は、フリースクールやオルタナティブスクールの発展も目覚しいですし、職業選択にしても、これまで考えられなかったようなクリエイティブな職業が、次々と出てきています。
ニューヨーク市立大学教授のキャシー・デビッドソン氏はこのように語っているほどです。「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
また、手に職をつけるなら、勉強面では最低限の資格だけで十分なこともあります。
子供が不登校になったからといって未来が閉ざされたわけではない
不登校は、決してネガティブな面だけではありません。
親としても、改めて学校というところについて深く考えるきっかけになりますし、お子さんの生き方を、かなり多角的に見られるようになりうるのです。
そして、不登校だからと言って、この先のお子さんの未来が閉ざされたわけではないことを、ご両親は一番に信じてあげましょう。
学生の時には、学校が世界の全てかのように思えますが、外に出てみると、案外そうでもないことに、大人になると気付きます。
それと同じことが、不登校の子たちにも言えると思います。
どれだけ絶望したとしても、必ずどこかに、希望の光は見えるのです。そして、その手でもう一度掴むことも、できるのです。
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