中学受験本番までの歩み!合格判定模試から考える結果と捉え方

模試を受ける受験生

中学受験の模試で、やはり気になるのは合格判定模試の結果。

志望校・併願校の合格可能性が「%」で算出されますが、この合格可能性はどの程度信用していいのか、疑問に思う親御さんも多いでしょう。

入試の合否は模試の結果に近くなるのか、それともあまり気にしないほうが良いのか、判断に迷う場合もでてきます。

この記事では、塾講師の経験から、合格判定模試の結果の捉え方について、様々な点からポイントをご説明していきます。

合格判定模試の合格可能性とは?

模試にも色々な種類がありますが、小学校6年生になると合格判定模試が多く行われます。

これは、志望校の合格可能性がどのくらいあるか、その合否判定を行う模試のことをいいます。

志望校・併願校ごとに「合格可能性50%」「合格可能性80%」といった形で判定が出され、現在の実力が志望校・併願校にどのくらい通用するのか、客観的に判断することができます。

合格判定模試が持つ意味

合格判定模試の最大の特徴は、あらかじめ複数の志望校・併願校を登録しておくことで、それらの学校に合格する可能性がどのくらいあるかを「%」で示してくれることです。

他の模試だと、自分の実力がどのくらいかを偏差値等から知ることはできますが、学校ごとの合格可能性が詳細に示されるわけではありません。

受験生なら合格判定模試は必ず受けておくべきで、その結果も踏まえて志望校・併願校をより具体的に絞っていく形になるでしょう。

模試の結果は気にしすぎなくてもいい理由

ただし、合格判定模試の結果だけを気にしすぎてはいけません。

確かに合格判定模試は中学受験生にとって必須の模試ですが、合格可能性はあくまで「%」であり、絶対ではありません。

時期によって結果の捉え方は異なる

そもそも合格判定模試といっても、受ける時期によって捉え方は異なります。

例えば小学校6年生になったばかりの時期は、まだ実力が安定していないケースが多いです。

そこで合格判定模試を受け、合格可能性が低く出たとしても、あまり気にすることはありません。

そこから数ヶ月かけて実力を伸ばしていくことに注力すべきであり、その時点での合格可能性ばかり気にするのは避けるべきでしょう。

そもそも小学校6年生になったばかりの頃は、志望校・併願校がはっきり決まっていない場合も多いです。

そこで合格判定模試を受け、合格可能性が低く出たとしても、本当にその学校を受験するのかどうかさえわかりません。

試しに難関校を登録してみた、というケースもありますし、まさに「試しに受けてみる」という側面が強いのです。

こうした模試の結果を過度に気にすることは避けるべきであり、それは合格判定模試も例外ではありません。

6年生の秋以降は合格判定模試の結果をどう捉える?

問題は、秋以降に受けた合格判定模試をどう捉えるべきか?という点です。

9月以降になると、第一志望校はもちろん、併願校も徐々に決めていく時期になります。

それらの志望校・併願校を登録して合格判定模試を受ける形になり、それぞれの合格可能性はやはり現実的に受け止めるべきでしょう。

ただし、合格可能性が低いからといって、その志望校・併願校をすぐに諦める必要はありません。

「現実的に受け止める=諦める」ということではなく、今の自分に足りないものは何か、どのような分野・単元を集中的に勉強したら良いのか、といった部分を現実的に受け止めていただき、そこから打開策を考えていくことが大事なのです。

合格判定模試は「%」で合格可能性が出るため、どうしても数値に注目しがちです。

しかし、肝心の実力面・学力面にもしっかり注意を向け、自分がもっと対策しなければならない分野・単元をきちんと確認し、次につなげることが何より重要です。

合格判定模試の捉え方と親としてできること

模試・テストの上手な解き直し方

では、秋以降に受けた合格判定模試に関して、合否にどの程度関係していくのでしょうか。

また、親としてその結果をどう捉えるべきか、もう少し詳しく整理していきます。

「合格可能性」が50%~80%の捉え方

合格判定模試における合格可能性は、一般的に20%~80%の範囲で算出されます。

あくまで目安ですが、合格可能性が50%~80%程度であれば、十分に合格を目指すことができるでしょう。

ただし、もちろん模試の結果で一喜一憂することなく、志望校ごとの傾向に沿った対策はしっかり続けなくてはなりません。

気を緩めることなく、各種受験勉強をきちんと継続し、本番につなげる必要があります。

また、合格可能性はあくまで目安ですので、合格可能性が80%だったとしても、本番でうまくいかず合格できなかったというケースもあります。

最新の傾向などをしっかり把握し、苦手分野は特に対策を重ね、実力を万全なものにすることが大事です。

「合格可能性」が50%を下回る場合の捉え方

これも目安ですが、合格可能性が25%や30%であれば、各科目であと数問程度得点できれば、合格可能性50%に近づくことも可能です。

40%台であれば尚更、50%台に近づく可能性は高まります。

一方、合格可能性20%がずっと続くようであれば、やはり志望校の合格は難しくなってしまうでしょう。

合格判定模試の合格可能性は20%~80%の範囲で算出されるため、どんなに低くても20%となります。

つまり、合格可能性20%といってもその内容は様々で、「25%に近い20%」の場合もあれば、「点数的に合格可能性25%には程遠いが、算出上20%になった」という場合もあるのです。

こうした20%がずっと続くようであれば、最悪の場合、志望校の変更を検討することもあるかと思います。

合否判定で志望校を変えなくてはいけない?

繰り返しますが、合格判定模試の合格可能性はあくまで目安です。

合否判定が出るたびに志望校を変えるといったことは避けるべきでしょう。

特に合格可能性が20%を上回っているなら、そのままチャレンジしてみるべきと思われます。

上記で述べたように、20%が何度も続くといった事態であれば、志望校の変更を検討することもあるかと思います。

しかし、そういったケースでないなら、合否判定のたびに志望校を変えるのは好ましくありません。

時期によって志望校を変えるかどうか意味合いが違う

秋以降といっても、9月に受ける合格判定模試と12月に受ける合格判定模試とでは、意味合いが大きく変わるでしょう。

例えば12月に受ける最後の合格判定模試の結果が悪かったとしても、そこで第一志望校を変えるのはやはり避けたいところです。

特に、それまでの合格判定模試の結果が良かった場合は尚更、一度の模試の結果に左右されて志望校を変えるのは好ましくありません。

もし、9月に受けた合格判定模試の結果が悪かったのなら、まだ志望校・併願校を変えるという選択肢もあるでしょう。

ただ、12月の模試の結果に関しては、あまり一喜一憂することなく、落ち着いて本番までのラストスパートを進めていった方が良いです。

例えば、一時的にスランプに陥ったことで、模試の結果が悪くなっただけかもしれません。

こうした受験直前期の一時的なスランプはよくある話です。

もう一度落ち着いて改善点を探し、一つひとつ解決してスランプを脱すれば、十分な実力が戻り、本番にしっかり対応できるはずです。

このようなケースもあるので、受験直前期の一回の模試の結果に左右されないよう、冷静な判断が求められます。

親だからこそ結果は冷静に受け止めましょう

ただでさえ合格可能性が「%」で表示される合格判定模試は、親にとっても子どもにとっても影響が大きくなります。

例えば合格可能性25%と出れば、やはり不安は大きくなるでしょう。

しかし、先ほども述べたように、合格可能性20%が何度も続くといったケースでない限り、志望校を今すぐ変える必要性は低いと言えます。

このような場合、合格可能性25%という数値を見て不安に思っている子どもに対し、親が適宜声かけを行い、なんとかフォローする必要があります。

そのためには、誰よりもまず親御さんが冷静でなくてはなりません。

また、模試の結果も踏まえ、やむを得ず志望校の変更を決める場合も、もちろんお子さんとしっかり話をして決める必要があります。

ここでも、やはり親としての冷静な判断が求められます。

どのような結果であれ、親だからこそ冷静に受け止め、今後の方針を決め、親子の二人三脚で受験を乗り切っていくことが大切です。

合格判定模試の結果はあくまで目安としてみましょう!

繰り返しますが、合格判定模試の結果はあくまで目安です。

いくら合格可能性の「%」が高く出たからといって、過去問との相性が悪ければ、実際の合格可能性は低くなってしまうのです。

当然のことながら、受験問題の傾向は各学校によって様々です。

模試の結果で偏差値などが高く判定されたとしても、実際に過去問を解いて相性が悪かったり、苦手な傾向の問題が多かったりする場合、特に注意しなくてはなりません。

入試の合否は、絶対に模試の結果と同じようになるわけではないのです。

合格可能性は目安として捉え、最終的には過去問演習などを徹底し、傾向に沿った実力を磨く必要があります。

傾向を分析した対策が重要

例えば算数の試験問題で、答えだけでなく途中式・考え方などを記述させる学校もあります。

このような場合、算数が得意でも記述が苦手なら、途中式・考え方をうまくまとめられず、得点に結びつかない可能性もあるのです。

また、国語や社会・理科であれば、選択肢問題が多い学校もあれば記述が多い学校もあります。

そして、受験生には選択肢問題が苦手な子どももいれば、記述問題が苦手な子どももいます。

さらに、学校によっては難問・奇問が目立つ場合もあり、こうしたクセの強い問題は得意・不得意が分かれるでしょう。

このように、受験問題との相性は学校や子どもによって変わってくるため、志望校の傾向に合わせた対策を進め、苦手な分野は徹底して対策しなくてはなりません。

こうしたポイントは、模試の判定結果だけでは見えづらいのです。

模試での合格可能性に一喜一憂することなく、しっかり傾向を分析して対策を進めるよう、その都度意識する必要があります。

模試の受けっぱなしはダメ!きちんと解き直しをさせましょう

これは合格判定模試に限った話ではありませんが、模試はきちんと復習をすることが何より大事です。

決して模試の受けっぱなしにならないよう、間違えた箇所、正解した箇所をしっかり確認し、きちんと解き直す必要があります。

合格判定模試は合格可能性ばかりが目立ちますが、れっきとした模試です。

他の模試と同様、復習は必ず行ってください。

これは合格可能性が高く算出された場合ももちろん同じです。

決して油断はせず、しっかり復習を行い、次につなげるようにしましょう。

模試・テストの上手な解き直し方

模試の結果が全てではない!一喜一憂せず、冷静にやるべきことをコツコツと取り組もう

今回は、中学受験で模試の結果はどう捉えるのかということで、合格判定模試の結果の捉え方についてお話ししました。

合格判定模試では、それぞれの志望校・併願校の合格可能性が「%」で表示され、自分の実力がどのくらい通用するのか、一つの目安にすることができます。

ただし、合格可能性はあくまで目安であり、そればかり気にしすぎてはいけません。

合格判定模試は基本的に小学校6年生から受験することが多いですが、6年生になったばかりの頃は実力がまだ安定していないほか、志望校・併願校も細かく決まっていないでしょう。

こうした段階で合否判定を気にしすぎても、かえってモチベーション低下につながってしまいます。

一方、6年生の秋以降に受ける合格判定模試の結果は、やはりある程度参考にすべきでしょう。

ただし、合否判定が出るたびに志望校を変えるといったことは好ましくありません。

こちらもあくまで目安として捉え、模試の結果だけで一喜一憂することは避けるべきです。

確かに、模試の結果は現実的に受け止めなくてはなりませんが、悪い結果だからといってすぐに志望校を諦めるのは好ましくありません。

模試の結果を見て、今足りないものは何か、どこを改善したら良いか、場合によっては志望校を変更すべきなのか、といった点を冷静に分析することが大事です。

こうした冷静な判断は、やはり親御さんが中心になって行う必要があるでしょう。

また、模試の復習はしっかり行うほか、まずは志望校・併願校の傾向に沿った対策を徹底しなくてはなりません。

中学受験は模試の結果だけが全てではなく、やるべきことはたくさんあります。

合格判定模試の結果は確かに重要ですが、それだけで一喜一憂することなく、冷静に捉え、親子の二人三脚で受験を乗り切っていきましょう。