お子さんの言葉遣いで気になることはありませんか?
言葉はその人をそのまま表すともいわれますし、実際「言葉」によって相手を傷つけることも、嬉しい気持ちにすることもできます。
「言葉」は社会に出てからも、コミュニケーションツールのひとつとして大切なものです。
「言葉」には大きなパワーがあるからこそ、その使い方次第で良くも悪くもなってしまいます。
ここでは、お子さんの使う「言葉」に不安をもっている親御さんは、教諭経験のある筆者と一度「言葉」について考えてみませんか?
目次
言葉遣いが悪くなってしまう原因は?
1.新しい環境とコミュニケーション能力
子どもの環境が変われば、子どもの言葉遣いにも変化が見えてくることが多いのではないでしょうか。
子ども自身も、新しい友だちと関わる中で覚えた言葉を使ってみたり、環境に順応するために使う言葉を変えてみたり、色々と試していることがあります。
それは裏を返せば、たくさんの新しい友だちとコミュニケーションが取れている証拠です。
2.SNSなど周囲の環境
近年はいつでも、どこでも手軽にSNSが楽しめるようになりました。
それは子どもも同じで、手軽に動画を楽しんだりしているご家庭も多いのではないでしょうか。
SNS自体に批判が集まることもありますが、筆者自身は上手く付き合っていくことが大切だと思っています。
さて、そのSNS動画ですが、その中では様々な方が、様々な演出で動画を作り上げています。
そうすると、中にはどうしても言葉が乱暴であったり、汚い言葉を使う動画も少なくありません。
子どもにとってそうした動画は面白く感じるコンテンツであったりするため、真似してみたり、同じような言葉を使ったりしてしまい、それを聞いた親にとってはあまり良い気持ちとは言えないかもしれません。
子どもの「悪い言葉」を聞いてしまった!そんな時に親が取るべき対応
なぜその言葉を使ったか確認しましょう
たとえば、遊びの中で「死ね~!」と叫んでいたとします。
「死ね」という言葉は聴く側にとってはよい言葉ではありませんが、ここで大切なのは「死ね」という言葉をどのくらい理解しているのか、ということです。
「死ね」という言葉が「いい言葉」なのか「悪い言葉」なのか分かっているのか。
つまり、その「死ね」という言葉は「セリフ」なのであって、「現実では使ってはいけない言葉」として子どもが使い分けられるのならば、「遊びの中」で使うことは、神経質になってやめさせる必要はないと私は考えています。
過剰な反応をしない
子どもが「悪い言葉」を使う理由の一つとして、「周囲のリアクションを確かめる」目的があります。
相手がどんな反応をしてくれるのか…笑ってくれるのか、怒られるのか、反応を期待しているのです。
「どこで覚えたの?」と聞いてもらえたら、それだけで自分に関心を持ってもらえたと子どもは嬉しくなるのです。
だからこそ、相手の反応が「イマイチ」だった場合は、子どもにとって期待外れの結果で、「悪い言葉」は「使う必要のない言葉」になります。
怒るではなく、きちんと叱る
もちろん「叱る」ことも大切です。
きちんとその言葉の意味を理解させ、今後使わないように教えていくことも必要なことです。
ただし「怒る」ことがないように注意が必要です。
ただ、親の感情のままに「怒る」と、子どもに本当に伝えたかったことが伝わらず、効果は一時的にすぎません。
悪い言葉を使わなくて済むように!普段からの関わりを見直そう
先ほども書いたように、「悪い言葉」を使う原因は「注目されたい気持ち」から生まれることがあります。
ですので、普段からの関わり方で、「悪い言葉」を使わなくて済むようにしてあげることも大切です。
まずは普段の関わりから見直してみましょう。
どうしても忙しいときなどは、子どもに関心を向けるのが「叱るとき」だけになっていませんか?
頑張ったことを褒めたり、できるようになったりしたことを褒めてあげたり、まだ小さいならハグしてみたり、大きくなったら肩をすれ違いざまにたたいてみたり、そんなささいなことでも構いません。
「あなたのことを見ているよ」ということを、感じさせてあげることが大切です。
「よい言葉」を身に付け、触れる機会を持たせてあげましょう
子どもの言語力を伸ばすためにも、正しく、きれいな言葉に触れる機会を持たせてあげることも大切です。
例えば本は、様々な気づきや考えを持たせてくれ、視覚からも正しい日本語を身に付けることができます。
もちろん中には乱暴な言葉を使っているような本もありますので、本の選択を一緒にして、子どもとの時間を共有するのもよい時間といえるでしょう。
逆に、先ほどあげたSNS動画などで、とてもよく言葉選びがされている動画もあります。
現代の間隔から言えば、テレビや動画を一切見ないというのは、なかなか難しい状況もあると思います。
だからこそ「動画=悪」とせず、上手にそのような動画やテレビなどとも付き合っていくことが大切で、子どもがただ観ているだけにならないよう、時間を区切ったり、親と会話をしながら観たりなどの工夫をしていく必要があるでしょう。
子どもだけではなく親も言葉を磨こう!
さて、ここまで子どもについて書いてきましたが、親御さん自身の言葉遣いは大丈夫でしょうか?
「なにやってるの?」「はやくやっちゃいなさい」などの言葉を使ってしまっていませんか?
親は子の鑑です。
そのような否定的な言葉や命令口調で言われていたら、子どもはどう感じるでしょうか。
親の言葉遣いが悪ければ、子どもの言葉遣いだって悪くなります。
1番近くにいる存在だからこそ、言葉には気を付けなければいけません。
「なんでそうなっちゃったの?」「一緒にやっちゃおう」など、子どもが嫌にならない言葉を親が積極的に使うことで、子ども自身が使う言葉にも違いがでてくると思います。
まずは、家庭の中から親子で「丁寧な言葉」を意識し、将来言葉で困らないように変えていきましょう。