中学受験の国語の入試問題では、最初に漢字が出題され、次に言葉の知識を試される問題が出題されることが多いです。
長文読解でも言葉の意味がわからないと詰まってしまいますので、語彙力を増やすことは非常に大切になってきます。
語彙力を伸ばすには読書が最も効果的ですが、日本語は奥深く幅広いため、読書だけで中学受験に出題される言葉すべてをカバーするのはなかなか至難です。
そのために存在する強力な武器。それが、サピックスの「言葉ナビ」です。
ここでは、サピックスの「言葉ナビ」を使った勉強法についてご紹介していきますので、サピックスに通塾されているご家庭は家庭学習の参考にしてみてください!
目次
サピックスの「言葉ナビ」とは
言葉ナビは、4年生から6年生の終わりまで使用する冊子です。
市販されておらず、サピックスに入らないともらえません。
しかし、これ目当てで入塾してもよいと思えるほど出来がよく、大人の学び直しにも使えそうな充実したテキストです。
内容は、下記のとおりです。
- ことわざ、故事成語
- 慣用句
- 熟語 (類義語、対義語、四字熟語、三字熟語)
- 同音異義語、同訓異字
- いろいろな言葉 (気持ちがわかる表現など)
単元ごとに章に分かれていて、実践問題集も入っています。
また、言葉が赤シートで隠せるよう、赤シートが本に付属しています。
言葉ナビはことわざなどの単元の他にも長文読解にも役立つ!
例として、ことわざのページを見てみましょう。
1ページ目には「ぬれ手に粟」ということわざが載っています。意味はもちろん、「苦労せず大きな利益を得ること」ですが、ワンポイント解説欄に「『粟』は穀物の一種で、ぬれた手でふれると簡単にくっつく」と説明があります。
小学生に「粟」と言ってもピンと来ない子が多いですよね。こういった解説は辞書にはないですし、サピックスならでは説明で、お子さんの理解度を助けてくれます。
少しページを進むと、「似た意味のことわざ」の特集ページがあります。
「猫に小判」≒「豚に真珠」は有名な例ですが、「果報は寝て待て」≒「待てば海路の日和あり」は、大人でもなかなか出て来ない例です。
しかし中学受験ではこのレベルのことわざもバンバン出題されます。
中学受験で国語の成績が良いお子さんは、6年生の段階ではすでに「大人びている」とサピックス講師の方が言っていました。
「待てば海路の日和あり」…こんな単語がお子さんの口から出たら、嬉しい一方で、負けてられない!と親御さんも勉強したくなっちゃいませんか?
さらにページを進むと、「気持ちがわかる表現」の単元に、たとえば「声がうわずる」という項目があります。
「みんなの前で発言するときに声がうわずった」などの例文とともに、このときの気持ちとして「緊張する」「興奮する」「あわてる」と書かれています。
小説の読解において、主人公や登場人物の感情の変化がキーとなるのは、言うまでもありません。
そういうときに、「声がうわずる」のがどういう感情からなのか、脳内にインプットされていなければ、どういう感情に結びつくのかわかりません。
この言葉ナビでは、長文読解の理解を助けるだけでなく、このように読書をあまりしないお子さんでも学びやすい構成になっています。
このような内容が、200ページ近い冊子にぎゅっと詰められています。
サピックスの「言葉ナビ」を使った勉強の仕方
サピックスでは、国語の授業のたびに「デイリーチェック」というミニテストがあります。
このデイリーチェックには、毎回言葉ナビの指定範囲があり、そこから出題されます。
さらに、月に1度、成績順にクラス替えがあるマンスリーテストで、その範囲が改めて出題される仕組みです。
デイリーチェックの範囲に沿って、毎日少しずつ勉強を進めていくことで知識を定着させよう
さらに、テスト前には日々勉強した内容を復習すると良いでしょう。
言語は、暗記科目です。日常生活で使えば自然と覚えますが、言葉ナビの内容は、普段使わない単語やことわざも多いため、どうしても暗記が必要になります。
しかし暗記科目が苦手なお子さんでも心配は無用!
この言葉ナビは6年生まで使い、繰り返し同じ内容が出題されるためです。
何度も家庭学習で学んでおけば、脳にしっかり定着していくはずです。
音読をしたり、問題を出し合ったり、繰り返し学習しておきましょう
まずは付属のチェックシート(赤シート)を使って、例文や意味を確認しながらことわざや単語を覚えましょう。
書いてもいいですし、声に出して読んでもいいです。
親御さんが問題を出してあげてもいいですね。
次に、チェック欄がありますので、覚えたところにチェックをつけ、チェックがついていない言葉を繰り返し学習しましょう。
最後は実践問題にチャレンジです。
言葉ナビに書き込まず、ノートに実施し、間違った問題に×をつけて何度も繰り返しましょう。
サピックスは、中学受験で最も難関校への進学実績が多い塾です。
言葉ナビに掲載されている項目や編集の仕方、テスト内容など、確実に語彙力を伸ばしていくための道が整えられています。
もちろん「言葉ナビ」だけに頼りきるのは危険ですが、サピックスのテキストをコツコツと勉強を続けていけば、必ず受験に打ち勝つ言葉の知識が身に着きます。
中学受験生に語彙力を定着させるために家庭で必要なこと
ちょっとしたプラスアルファの工夫として、お子さんの語彙力を増やすために、親御さんにオススメすることは次の2つです。
会話の中で、ことわざ・故事成語・慣用句を積極的に使う
普段の雑談や、テレビを観ながらの会話の中で、親御さんも積極的にことわざを使ってみましょう。
言葉ナビでまだ勉強していない範囲でも構いません。
たとえばお子さんが、得意教科で簡単な問題を間違ってしまっていたとき、親御さんは「弘法も筆の誤りだね」と言ってあげましょう。
ついでに「類似のことわざは?」と問題を出してみると良いです。
正解は2つ。「猿も木から落ちる」と「河童の川流れ」ですね。会話の後、言葉ナビで確認してチェックしておくことまでできれば、花丸です。
読書をしている姿をお子さんに見せる
言葉は、繰り返し使うことにより定着します。
そのために、たくさんの本を読むことはとても大切です。
速読の練習にもなるし、登場人物の感情を読み取ることにも少しずつ長けていきます。
しかし、「本を読みなさい」と親御さんから注意しても、親御さん自身がまったく読んでいなかったら説得力はありません。
できればリビングの中、すぐに手が届くところに本があり、親御さんもお子さんも一緒に本を読める環境がベストです。
同じ本を読んで、感想を語り合ってもよいですね。
まとめ
言葉ナビは、ことわざ・故事成語・熟語など、中学受験に必須の言葉たちが詰め込まれたサピックス専用冊子です。
小学生でもわかりやすく、かつ覚えやすい工夫がされています。
この冊子を使ってコツコツと勉強を続けていくことが、国語力を伸ばすことへ確実に繋がっていきます。