
6年生にもなると、模試やテストで志望校とかけ離れた偏差値が出ると親も焦ってしまい、心配も今までよりも大きくなります。
筆者の息子は6年生の夏休み後のテストでは、第一志望の中学校合格偏差値に対して、なんと10以上も低い偏差値でした。
しかし、最終的には一般偏差値70以上(首都圏模試センター調べ)の中学校に合格を頂けました。
4年生からサピックスに入塾しましたが、当初から順風満帆だったわけではありません。
落胆していた6年生秋から成績をぐんぐん伸ばし、偏差値は10以上上がっていきました。
ここでは、筆者の息子の体験記と、受験生の力を伸ばしてくれたサピックスでの勉強法についてお伝えしていきます。
目次
6年生の秋からでも成績は伸びるの?
6年生夏休み後の成績を見て、親である私たちは「第一志望の中学校は無理かもしれない」と考えていました。
なぜならば、夏休み後は追い込み時期。受験まであと半年しかありません。
私たち親世代が経験してきた高校受験や大学受験において、偏差値10の挽回は不可能に近いです。
そこで、夏期講習後の面談で、塾長に聞いてみました。
「6年生の秋からでも成績は伸びますか?」
答えは、「YES」でした。
半年で偏差値10もアップなんて現実的ではないと親としては考えてしまいますよね。
しかし、6年生の秋でも、中学受験に臨む子どもたちは、どの子も「未完成」なのだそうです。
そして本気を出したときの小学生の吸収力は侮れるものではないと。
さらに、4年生から塾に通って最低限の勉強をこなしてきたからこそ、基礎力はついているはずなので、だからこそ、ラストスパートの秋以降の授業を真面目にこなしていけば、まだまだ伸びます、と断言されました。
正直、「先生による慰め」かと思いましたが、塾長は今まで数多の子どもたちを育ててきています。
その言葉を信じて、志望校を変えず、いつも通りに塾の復習をさせました。
息子もさすがに「やばい」と感じたのか、この頃からようやく真面目に取り組むようになりました。
結果が現れたのは、10月末。
第2回合格力判定サピックスオープン(サピックス主催の模試)です。
何とこのテストで、夏休み直後と比べて偏差値が13も上がりました。「志望校の偏差値に近づいたね」と声を掛けながらも、たまたまかもしれないとも思っていました。
しかしその後、11月には過去最高偏差値になり、それ以降、下がることもなく、いきなり成績は高値で安定しました。
そして、この勢いのまま、偏差値70以上の第一志望校に見事合格したのです。
6年生の秋以降に偏差値が10も伸びた理由

6年生の秋は追い込みの時期ですが、特別なことはしませんでした。
家庭教師をつけたわけでも、塾を増やしたわけでもない。
「真面目に」授業を受けて、「真剣に」家庭学習をしていただけです。
加えて、我が家は共働きで、二人とも帰宅時間は夜20時頃。親の見張りがあったわけでもありません。
本当に、先生のアドバイス通り「真面目に塾の授業をこなした」だけです。
それなのに偏差値を10以上伸ばした理由は、2つあると考えています。
1つ目は、苦手科目が克服できたこと。
2つ目は、塾が持つ底力。
まず、1つ目の「苦手科目の克服」からご紹介します。
6年生の秋以降でも、まだまだ苦手科目は克服できる!教科担任に相談しよう
息子の苦手科目は算数でした。中学受験の要と言われ、成績を大きく左右する重要科目です。
夏休み直後のテスト結果を受けて、「やはり算数は今からでも克服しないと」と強く感じ、「算数の教科主任」へ個別面談を申し込みました。
先生からは「息子くんは頭で考えがちなので、とにかく書くように意識すること」「今からでも大丈夫」「どのように書けばいいかわからないなら、授業後にノートを見せてください」とアドバイスを受け、息子にそれを伝え、実行してもらいました。
これを毎回続けて1ヶ月。効果はすぐに出ました。
9月のマンスリーテストで、算数の偏差値がなんと15も上がったのです。
なぜこれを4年生のうちからやらなかったのかと当時は後悔が頭を過ぎりましたが、「この時期にやったからこそ15も伸びた」のだと今は考えています。
算数の偏差値が15も上がった理由は、もちろん的確なアドバイスがあったこと、息子がようやく本気を出したこと、小学生特有の高い吸収力に助けられたこと、いくつかありますが、これらだけではありません。
そこには、サピックスという塾の底力があったと考えています。
直前期でも成績がアップする!サピックスの4つの底力
中学受験の実績がある塾なら、どの塾でも底力は持っていると思いますが、ここでは体験記として、なぜサピックスが直前期でもお子さんの底力をアップできる塾なのかをご紹介します。
サピックスの底力は、4つのポイントに由来すると考えています。
復習を徹底する
サピックスは「予習厳禁」「復習徹底」という授業方針を昔から貫いています。
これにより、子どもたちがテキストを見るときは常に「初めての問題」です。
受験校の入試問題も、当然ながら「初めて見る問題」です。
つまり、毎回の授業で「受験時と同じようにテストを受けている」のと同じ環境を体感することが出来ます。
普段の授業では、こういった初めての問題に対して、自ら考え、模索し、解答を導き出していく能力を培うことができます。これは、受験時にも本来の力を出せるようにする、とても効果的な勉強法です。
息子は本番ではあまり緊張しなかったようです。だからこそ「本番で力を出せる」能力が知らず知らずのうちについていたのではないかと考えています。
繰り返し行う授業のメリット
勉強したことは忘れてしまうものです。
そのため繰り返し同じ単元の授業を行います。この螺旋階段式の授業は受験期に「完成」します。
つまり、6年生秋では、どのお子さんも「未完成」。
けれど、何度も繰り返し行っている単元だからこそ、頭の奥には仕舞われているし、基礎力はついている。
付け焼刃の知識ではないからこそ、「本気を出せば成績が伸びやすい」仕組みになっています。
テストの採点を厳しく見てくれる
サピックスのテストでは、どんな受験校にも対応できるように採点が非常に厳しいです。
一例として国語の漢字を挙げますと、止め・跳ね・払いが完璧に書けていないと、漢字が正しくても×です。
息子は止め・跳ね・払いをしっかり書かず、夏休み明けのテストで×を大量に食らい、「ちゃんと書かなきゃ」という意識づけに繋がったようです。
良いタイミングで×をくれたサピックスには感謝しかありません。
SS(サンデー・サピックス)特訓で、苦手の克服と得意教科の強化
SS特訓とは、サピックスで日曜日に実施される講座です。ほぼ丸一日、塾に缶詰めになります。
苦手教科を克服するための単科講座と、志望校別の難関校講座があります。
受験直前期、志望校に受かるためには「足りない力を埋めること」「今ある力を高めること」の2つの軸が必要です。
SS特訓は、単科講座で前者、志望校別講座で後者をカバーして、2つの力がうまく伸ばせる仕組みになっています。
息子はこの単科で「算数の解法力」という、出題頻度の高い問題を中心に解法やポイントを学んでいく講座を選びました。
この講座が非常に合っていたようで、解ける問題の幅が大きく広がったようです。
算数が苦手なお子さんには、ぜひ受講をオススメします。
このように、サピックスは受験直前期でもまだまだ力を伸ばせる底力を子どもたちに与えてくれる塾です。
最後に
6年生秋でも、まだまだお子さんの力は完成していません。
サピックス以外の塾も、その塾なりの底力とカリキュラムがあるはずです。
特別なことをする必要は決してありません。言われたことをしっかりこなせば必ずまだまだ伸びていきます。
お子さんと塾を信じて、真面目にこなしていくこと、それが直前期でも成績を伸ばすための大切なポイントです。
それが最も重要な、合格への近道です。