宿題をなかなかやってくれない小学生は多く、悩んでしまう親御さんも少なくありません。
ただ「宿題をやりなさい」とだけ言っても宿題嫌いの子どもは納得しませんし、叱ってばかりだと勉強嫌いが加速してしまうこともあります。
難しい問題ですが、「なぜ宿題をやらなくてはいけないのか?」という子どもの疑問にまずしっかり答えなくてはなりません。
ただ単に「宿題をやって」とだけ言う前に、まず宿題の重要性を説明することが大事です。
この記事では、塾講師の経験から、宿題をやってくれない小学生の子どもへの接し方についてお話ししていきます。
目次
なかなか宿題をやらない!なぜ面倒なものになってしまうのか?
学校の勉強でも塾の勉強でも、学力を効率的に伸ばしていくためには宿題はしっかり取り組まなくてはなりません。
そもそも宿題というのは、家庭学習で行うことで効率的に学力がアップしていくように学校や塾が用意するものです。
当然ながら、全ての学習内容を授業だけで完璧に理解できる子どもはいません。
宿題で復習や基本の確認、反復練習などをやってもらい、少しずつ学力を磨いていくという流れが重要になるのです。
勉強は学校や塾の授業だけでなく、家で行う宿題も非常に重要な意味を持つわけです。
ただ、子どもにとって宿題はどうしても面倒なものになりがちで、小学生のうちはなかなか宿題に取り組まない子どもも珍しくありません。
特に小学生は、何事に対しても「なぜこれをやらなくてはいけないのか?」「なぜこれが必要なのか?」という疑問を抱きがちです。
親や先生からいくら宿題をやるように言われても、「なぜやらなくてはいけないのか?」という思いが強ければ強いほど、子どもの中で抵抗感は大きくなります。
その状態で宿題を少し進めたとしても、嫌々ながら勉強をしているだけで、自発的に取り組んでいるわけではないでしょう。
こうした子どもに対する接し方や声かけはなかなか難しいですが、そんな小学生のお子さんが宿題をやってくれないときの対処法について一緒に整理していきましょう。
学校や塾の宿題をやらない時の対処法と接し方!
「なぜ宿題が必要なのか?」という疑問に真正面から答える
上記で述べた通り、学力を伸ばすために宿題は必要不可欠です。
しかし、宿題をやらない子どもは「そもそもなぜ宿題が必要なのか?」をうまく理解していないことが多いです。
この場合、まず宿題の必要性からしっかり教えてあげる必要があります。
ただ「宿題をやって」と言うだけではなく、「なぜ宿題をやらなければいけないのか?」という子どもの疑問に真正面から答え、説明することが大事です。
宿題が疎かになっていることを意識させ、勉強は積み重ねであることを伝えよう
全学習内容を授業だけで完璧に理解できる子どもはいません。
一度授業を聞いただけでは、時間が経つにつれて記憶は薄れていきます。
だからこそ、折に触れて復習を行い、少しずつ学力を高めていくしかありません。
宿題はその一環となるものであり、その日学校で習った内容の確認、少し前に学習した内容の復習など、記憶が薄れないように行うべきもの、という点をお子さんに理解してもらいましょう。
この時に、言い方には注意しつつ、「最近習ったこと、きちんと理解できてる?」などと聞いてみてください。
宿題をおろそかにしている子どもは、ほぼ間違いなく習ったことをスラスラ言えることはないはずです。
そこで「習ったことがパッと頭に浮かんでこない」と実感すると、「自分には復習・反復練習が足りない」という感覚になるでしょう。
そこで、勉強は積み重ねであることをきちんと説明し、復習・反復練習のためにも宿題は必要不可欠なものであると説明してあげてみてください。
理由を説明して「やらされている感」をなくす
宿題の大切さがわからないまま宿題をやっても、子どもの中で「やらされている感」は消えないでしょう。
勉強嫌いな子どもだけでなく、自分の学力を過信して「自分なら宿題なんてやらなくても大丈夫」といった考えの子どもも、「宿題=先生や親にやらされているもの」という感覚は根強く残っているはずです。
この「やらされている感」をなくすためには、子どもが宿題の重要性を理解し、自発的にやるものとして認識してもらう必要があります。
そのためにも、親がまず宿題の重要性について説明しなければならないのです。
そうした説明がなく、ただ「宿題をやりなさい」とだけ言っても子どもはまず納得しないでしょう。
無理やり宿題をやらせても「やらされている感」が消えることはありません。
「そもそもなぜ宿題が大切なのか?」という理由から理解させ、子どもが自発的に取り組むことを促すようにしましょう。
理由を説明しても宿題に乗り気でない場合
特に勉強嫌いの子どもなどは、宿題の重要性を説明しても、それですぐ宿題に乗り気になるわけではありません。
それでも「なぜ宿題が大切なのか?」という点は最初にしっかり説明する必要があります。
子どもが勉強嫌いかどうかを問わず、「なぜ宿題をやらなければならないのか?」という子どもの疑問に答えることが大事であり、ただ「宿題をやって」とだけ言うのは避けるべきです。
難しい話ですが、子どもがすぐ乗り気になるわけではないことは親のほうでもある程度覚悟していただき、そのうえで宿題の大切さを根気よく説明していくことが大事になります。
怒って無理やり宿題をやらせるのは避けましょう
子どもが何一つ宿題をやらない場合など、親として叱る場面もあるでしょう。
ただ、あまりに何度も怒ったり、そこで無理やり宿題をやらせるのは避けるべきです。
確かに宿題は期限までにやる必要があり、本当に子どもが何もやってくれないなら、時には叱るべき場面もあるかと思います。
ただ、この場合も「なぜ宿題をやらなくてはいけないのか?」という点はきちんと説明しなくてはなりません。
そういった説明もなく、いきなり怒ったり無理やり宿題を強要したりするのは避けてください。
また、親がいくら説明しても子どもが宿題に強い抵抗感を覚えているようなら、学校や塾側と相談するなどの方法も必要でしょう。
とにかく、理由の説明などもなくいきなり怒ったりするのは逆効果ですので注意が必要です。
最初は短時間の勉強からスタート!
勉強というと長時間机に向かうイメージがありますが、宿題に抵抗感のある子どもがいきなり長時間勉強してもまず集中はできないでしょう。
それより、最初は短時間の勉強からスタートし、少しでも宿題への抵抗感を減らすことが大事です。
いきなり宿題を完璧にこなすことを目標とせず、少しずつ取り組ませて徐々に習慣化させることを意識しましょう。
勉強は、最終的には習慣にして継続する必要があります。
一方、その習慣を作っていくには、まず短時間の勉強から無理なくスタートしたほうが効果的なのです。
宿題も同じで、無理のない範囲で少しずつ習慣化し、子どもの抵抗感を徐々に減らすという方向で進めましょう。
簡単な問題から解かせ、少しずつ進めてみよう
いきなり難しい問題を進めても、子どもの中で抵抗感は大きくなります。
まずは簡単な問題から解かせ、無理のない範囲で少しずつ進めましょう。
宿題は、何も最初から順番に解くというルールはありません。
難しい問題にぶつかったら一度保留し、まず簡単な問題から終わらせるほうが効率的です。
特に宿題を苦手とする子どもは、難問が登場すると手が止まってしまいます。
そこで抵抗感が大きくなれば、それ以降の問題を解くモチベーションも下がってしまうのです。
そうならないよう、まずは簡単な問題だけでも進め、「手を止めずに勉強をする」という状況を作っていきましょう。
この「手を止めずに勉強をする」という体験を積み重ねると、集中力の向上にもつながります。
また、「一定の時間、自分で勉強を進めることができた」という実感が生まれると自信につながり、勉強に対するモチベーションも少しずつ上がります。
勉強習慣の構築と集中力アップのためにも、簡単な問題から進めるという方法は非常に効果的です。
生活の中にメリハリを持たせる
もちろん小学生は遊ぶことも大事であり、ゲームやテレビ、漫画などに触れる機会も多いでしょう。
ただ、宿題をしっかり習慣化させるためには、遊びと勉強のメリハリは作っておくべきです。
例えば、「宿題がここまで終わったらゲームをしていい」「テレビの前に宿題をここまでやっておこう」といった形でメリハリを持たせ、習慣化していくと良いでしょう。
勉強中にゲームや漫画に手が伸びてダラダラしてしまうより、「宿題をやるときはやる、遊ぶときは思いっきり遊ぶ」というメリハリを意識することが大事です。
集中することができる環境作りも大事
メリハリを持たせるためには、もちろん集中できる環境作りも大事になります。
勉強中の子どもの周りにゲームなどを置かない、テレビの音をなるべく小さくするか消すなど、子どもが宿題に集中できる環境を整えましょう。
勉強をしているときにゲームや漫画が視界に入ると、子どもの集中力はどうしても下がります。
宿題が苦手な子どもであれば尚更、少しでも遊ぶツールが目に入ると手が止まってしまうでしょう。
そうならないよう、親が率先して環境を整え、「宿題をやるときはやる、遊ぶときは思いっきり遊ぶ」というメリハリのある生活リズムを作っていきましょう。
褒めるべきところはしっかり褒めてあげましょう
子どもが少しでも宿題をやるようになったら、まずきちんと褒めてあげましょう。
叱り過ぎも良くありませんが、子どもの行動に関心を示さないのも好ましくありません。
褒めるべきところはしっかり褒め、親子のコミュニケーションを高めていくことが大事です。
宿題が嫌いだった子どもが少しでも宿題に乗り気になるというのは、それだけで十分に大きな成長・変化なのです。
大人からしてみると宿題はやって当たり前という感覚かもしれませんが、子どもにとっては「なぜやらなくてはいけないのか?」という思いが強いでしょう。
そこから宿題の重要性を知り、「やってみようかな」という気持ちが芽生え、少しでも集中して勉強するようになれば、それは大きな成長です。
子どもが前に進んでいく姿勢を見たら、親は褒めるところはしっかり褒め、子どものモチベーションを高めていきましょう。
まとめ
今回は、宿題をやってくれない小学生の子どもへの接し方についてお話ししていきました。
宿題は学力をアップしていくために必要なものですが、子どもは宿題に対して「なぜやらなくてはいけないのか?」という思いを抱きがちです。
そこで親がただ「宿題をやりなさい」とだけ言っても子どもは納得しないでしょう。
そのため、そもそもなぜ宿題が大事なのか?という点を親がしっかり説明し、子どもの疑問に真正面から答える必要があります。
また、最初は短い時間で簡単な問題を進める形でもいいので、なるべく子どもの抵抗感を減らすため、無理のない範囲で少しずつ宿題を習慣化させることが大事です。
さらに、「宿題をやるときはやる、遊ぶときは思いっきり遊ぶ」というメリハリを持たせ、日々の生活リズムを作っていくことも大切になります。
このように、子どもが宿題をなかなかやってくれないときでも、親としてできることはたくさんあります。
ただ「宿題をやって」とだけ言うのではなく、宿題をやるべき理由をきちんと説明したうえで、根気よくお子さんの成長を見守っていきましょう。